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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 5月8日(火)発売!週刊SPA!編集部さんからの取材「世界大会の優勝賞金は10億超! テキサス・ホールデム・ポーカーがアツい」

サラリーマンのバイブルとして名高い週刊SPA!編集部さんからテキサスホールデムについての取材がありました。
ポーカーの認知度向上につながればと質問にいくつかお答えしましたので、許可を得て、そのQ&Aのほぼ全文を掲載します。
記事については、5月8日(火)発売の週刊SPA!に掲載予定ですので是非ご購入ください!
8ページの特集が組まれているようです。(AJPCがメインですかね?)

問 そもそも、ポーカーで儲けることは可能でしょうか?(所詮ギャンブルだから運じゃないんでしょうか?)


ポーカーで儲けることは可能です。
ポーカーでは1回1回の勝負では短期的に運に左右されることもありますが、長期的には必ずスキルの差が出てきます。
これはポーカーには、

  • 相手のハンドを読んで自分のハンドの相対的な強さを把握するリーディングの技術、
  • 自分が勝っているときには利益を最大化するようなベット・レイズを行う技術、負けているときには損失を受けないようにするフォールドの技術、
  • 自分が負けている場合でもハッタリで相手を降ろすことによって利益を上げるブラフの技術、
  • リスク・リターンを分析して最適な戦略を採用するための数学的・統計学的な確率の知識、
  • 自分の下した正しい判断に従ったり、負けを潔く切り上げたりする自己コントロール

などの能力・スキルが必要とされるからです。
能力・スキルが要求される以上、それらを向上させることで当然儲けることができます。

この点、自己規律の技術以外は完全な運任せのバカラ・ルーレット・ブラックジャック・宝くじ・パチンコ、馬や選手を評価する観察力しか発揮できない競馬・競輪・競艇などのいわゆるギャンブルとは大きく異なります。
ほぼ完全に運に左右されない将棋、囲碁、チェスとは違いますが、調子がいいときにはアマチュアでもプロに勝つことのできるゴルフやボーリングを若干下回る程度にはスキルが発揮できる競技だと思います。
このことは年収1000万以上を稼ぐプロがそこら中にいたり、トーナメントの生涯獲得賞金が1億円を超えるプレイヤーが700人以上もいることからも明らかです。


問 世界の強豪と戦うための経験値はどうやって上げたらよいのでしょうか?カジノのない日本で技術を磨くにはどうすればよいのでしょうか?


私がポーカーを知った約10年前と違って日本のポーカーの環境は格段によくなってきています。東京近郊だけでなく、関西、名古屋、岡山、北海道などでも実際にポーカーをできる場所が増えてきていますので、まずはそこで実際にプレイするのがいいのではないでしょうか。近くにポーカースポットがない人もオンラインゲームで色々ポーカーができるので、そこでまずはポーカー自体を楽しんで慣れることが重要だと思います。
そのあとでポーカーに関する書籍、日本語のサイトや掲示板を読んで勉強すると良いと思います。今では日本語でもある程度豊富な情報が提供されています。また英語が読める人は、TwoPlusTwo掲示板などの海外のサイト、洋書を読むと非常に勉強になると思います。
そうして徐々に経験値を上げていったあとで海外のトーナメントやキャッシュゲームに参加してあとは実践と復習の繰り返しで経験を積むとよいでしょう。
私もまだまだ経験も学習も足りません。


問 「PokerStars」などのオンラインのみではどんな限界があるのでしょうか?


おそらく理論的には、オンラインのみでも能力・スキルは十分向上できると思いますが、向き不向きがあると思います。
私は長時間スクリーンに向かってずっとゲームをしているのは苦手なのと、オンラインだと短時間にこなさないといけないハンド数が多くなって疲れるので、あまり好きではありません。逆にオンラインプレイヤーはオンラインでないトーナメント(ライブトーナメント)だと勝負が遅いからいらいらするようですが(笑)
実際に表情や仕草を観察して嘘を見ぬく能力もオンラインでは絶対に向上しませんが、実はそれほどライブゲームでもこのような能力を持っている人を見たことがないので必要ないと思います。(プロでも私のバレバレのブラフを見抜くような人に会ったことはありません(笑))
あと、オンラインだとどうしても孤独になりがちなので、モチベーションの維持も難しくなると思います。


問 シマダさんご自身のポーカー戦歴についてお聞きしたいのですが、初級の壁を超えたと思う瞬間はいつでしたか?


私がポーカーを知ったのは8年前ですが、本格的にポーカーをやるようになったのは、ブログを開設した2008年くらいからなので、今年で5年目です。
初級の壁を越えたと実感したのは、やはり2011年10月のヨーロピアンポーカーツアー(EPT)ロンドンのサイドイベントで優勝したときです。EPTロンドンはEPTの中でも強豪プロが集まる大会として有名なのですが、メインイベントでないと言ってもやはり有名なプロばかりが200人以上も参加するトーナメントで優勝できたのは実績としても経験値の積み上げとしても大きかったです。

この優勝には2つの予兆があって、ひとつ目は2011年5月に「トーナメントポーカー入門」を出版させてもらったこと、もうひとつは2011年7月にWSOP開催中のラスベガスでブラフの達人の友人からブラフの初歩を伝授してもらったことです。
本の出版に当たり自分の知識をわかりやすく体系的にまとめる必要があったので、これまで曖昧だった自分の考えをクリアーにするのに非常に効果がありました。
ブラフについては、本などを読んでもあまりピンと来なくてかなり不得意だったのですが、実際にプロの動画などを見て一晩中ブラフについて解説してもらうことで本当に目から鱗が落ちたようにボードの文脈の使い方、ターゲットする相手の選び方などの初歩を目の当たりにすることができました。
そのあと自分なりのブラフを戦略に上手く取り込むことによってEPTロンドンでの結果につながったと思います。
その後は、半年間で参加人数200人以上の8回トーナメントに出て3回入賞ですべてファイナルテーブルに出ていると自分でも驚くほどの好調さです。これで調子に乗ることなく、これからも日本人初のWSOPブレスレットを取れるようがんばりたいです。


問 ご回答にあったとおり、(書籍やサイトで勉強したのちに)WSOP入賞を目指して真剣にスキル向上を目指す場合、国内のどのタイプのお店で(トーナメントかリングかも含めて)どれくらいの頻度プレイするべきでしょうか? また、実際プレイするときに、どういったことを意識しながらプレイすべきか? 例えばプレイ戦績をつけたり、(将棋のように)感想戦をやることなどの効果はるでしょうか? 他にも、知識&情報習得以外で「これはやっておくべき」と思われる行動などがあれば教えてください。


WSOP入賞を目指すのであれば、もちろんトーナメントが有効だと思います。個々のアクションを合理的にしたり(オッズの計算やブラフの頻度等)、基本的なアクションを勉強するのにはキャッシュゲームも有効ですが、やはりトーナメントのダイナミズムはトーナメントでしか習得できません。(参加人数が20人以下又は1ラウンド15分未満であればトーナメントでもあまり変わらないかもしれませんが。参加人数40人以上、30分1ラウンド(欲を言えば1時間)は欲しいところです。)
参加頻度については多ければ多いほどいいと思いますが、週1回、2週に1回でも十分でしょう。月1回程度でも復習などをしっかりやれば効果は高くなると思います。参加人数の多い店であれば真剣にポーカーをやっている人も多いので、そのような人と仲間になってトーナメントの後にポーカー談義などをすると非常に勉強になると思います。
実際にプレイする際には、何よりも個々のプレイの意図を明確にすべきだと思います。漠然とツイた/ツイてないというのではなく、なぜ自分はこのようなプレイをするのか(したのか)、なぜそのようなプレイをすべきだと思ったのか、どのような情報・状況に基づいて意思決定を行ったのかなど常に心がけるべきで、記憶は曖昧になるので記録もつけると良いと思います。携帯やスマートフォンがあるので今は記録を付けるのも楽でしょう。
復習や感想戦は極めて高い効果が得られます。 私は今はオンラインもライブも日常的にはほとんどプレイしておらず、大型の海外トーナメントに2ヶ月に1回出るだけですが、自分の過去のプレイ記録の復習や他のプレイヤーのプレイビデオを見ての学習は、ほとんど毎日やっています。復習をしっかりやることでミスを防げますし、よりよいプレイの追求も可能となり、トーナメントの経験値が何倍にも上がる気がしています。ほぼ毎日ポーカーをやっていた頃よりよい環境かもしれません(笑)プレイする頻度よりも、質を高めることで、驚くほど早く強豪プレイヤーの仲間入りを果たすことは可能だと思います。
あと、去年から未編集でトーナメントを放送する番組も増えてきたので(2011年WSOPメインやEPTシーズン8)、トッププロのプレイを実際に見るのは本当に勉強になると思います。
編集後の番組だと盛り上がったハンドしか放映されないので学習効果は極めて低いどころか逆に悪影響が出るおそれもあります。


問 一般的にタイトorルース/アグレッシブorパッシブと、プレイスタイルは4タイプに色分けされますが、シマダさんが個人的に思う、オススメのプレイスタイルとその理由について教えてください。


まずはタイトアグレッシブから始めるしかないと思います。良いハンドのときだけ参加して参加するときにはアグレッシブにというものです。
普通の人はタイトパッシブからスタートすると思いますので、まずは良いハンドのときにアグレッシブにベット・レイズをするようにして、負けていると思うときにはしっかりフォールドするようにしてください。
そうしてタイトアグレッシブスタイルを身につけると、今度はタイトにしているだけだと、相手がベットにコールして来なくなってきて利益が上げられなくなってきたり、ハンドが来ないときに参加できず自然死することが多くなってくると思います。そこで今度は参加するハンドの範囲を徐々に広げたり、ハンドを持っていないときにブラフをするなどして参加率を上げて、ルースアグレッシブなプレイを志向すべきです。勝っているときにきっちりベットして、負けているときには潔くフォールドする(かブラフをする)という方針はタイトアグレッシブのときと変わりません。
そうやって徐々に自分のプレイスタイルのレパートリーを広げていくべきです。
というのも、取るべきプレイスタイルは、かなり大雑把に言うと、じゃんけんのようなもので、相手によって取るべき最適なスタイルが変わってくるからです。周りがタイトなときには自分のスタイルをルースにすることで、誰も参加しないポットを多く取ることができます。一方周りがルースなときには、自分がタイトになることで良いハンドのときに大きな利益を上げることができます。またルースを上回るスーパールースになることでも利益が上げられますが、これには高度な状況把握能力を要するので私を含め初心者向きではないと思います。
私が今取っているスタイルは、周りがルースプレイ全盛なので、タイトアグレッシブスタイルにプリフロップでの3ベットブラフを多用するスタイルです。普通はタイトにハンドを絞っているプレイヤーが参加するときはいいハンドを持っているのだろうと思われるところ、それを逆手にとって必ずしも良いハンドでなくても3ベットで参加して、ブラフで大きなポットをそこそこの頻度で取るというものです。たまにはフロップが非常にマッチすることもありますし、相手が自分の3ベットを信用しなくなる頃にはいいハンドがたまたま入っていることもあるので、大きな利益を上げることもできます。
EPTロンドンの序盤までは、スーパータイトでスーパーアグレッシブにプレイし(参加率を極限まで減らすが参加したら大きなポットを勝負するようにする)ブラフも多用するというものでしたが、分散が大きくなりがちなのでトーナメントの終盤からリスクの小さいプリフロップやフロップの段階でブラフを多用するようにスタイルを調整しました。


問 一般的な国内プレイヤーが海外でプレイしたいと思った場合、ずばり、どこの国がオススメでしょうか。


一番のおすすめは、毎日早朝から深夜までどこかでトーナメントが開催されているラスベガスです。一つのトーナメントで負けてもすぐに次のトーナメントに参加できるので、1日に3つか4つ出られるので効率的ですし楽しいです。プレイヤーのレベルも高くも低くもなく平均的だと思います。
ただラスベガスは遠いですし、日本人も少なくてアウェー感があるので、まずは大きな大会をやっている時期のマカオに行くのがいいのではないでしょうか?今ではマカオポーカーカップでは日本人が100人以上出ているみたいですし、その期間はメインイベントだけでなくサイドイベントも充実しているのでオススメです。


問 ポーカー教則本に書かれているプレイ定跡についてですが、よくあるプレイ参加の早見表(A9はレイトポジションのオリジナルレイザーであればレイズで参加)などは、初心者のうちは忠実に実行すべきでしょうか?


いきなり自分でスターティングハンド表を作るのは厳しいと思うので、最初は従ったほうがよいと思います。プレイスタイルのところで述べたとおり、徐々に参加ハンドを広げるなど自分なりのハンド表を作っていくとよいと思います。


問 ポーカーを知らない人から素朴な疑問としてよく聞くのが「結局、資金がある人が有利でしょ?」というものですが、これを否定できるご意見をいただければと思います。


キャッシュゲームは1回1回の勝負で負けても無限にお金を追加していけば、合理的な意思決定をしている限り理論的には必ず勝てるので、分散(ツキ・不ヅキ)に勝てるような資金がある人が有利かもしれません。
しかしながら、トーナメントでは参加費しかかからないので、一旦そのトーナメントに参加してしまえば資金量は短期的なプレイの有利・不利に全く影響しなくなります。トーナメントに数多く参加できるので資金がある人がある程度は有利だとも言えますが、お金を貯めて一旦参加費を払ってしまえばあとは同じ条件なので、資金量の少ない者こそトーナメントをプレイすべきだと思います。トーナメントで一旦大きい賞金を掴めばあとは変わらなくなりますし。私がこれまで入賞したトーナメントも日本円で言えば10万円以下のものばかりです。これくらいなら手の届かない額ではないのではないでしょうか。


問 私などは「ポーカーは投資だ」といってマネー誌の企画として再三提案しているのですが、一笑に付されます。ポーカーを投資として考えた場合、どういった部分が(プレイ中、資金管理も含めて)酷似していると思われますか?


ポーカーは完全に投資だと思っています。リスク評価を適切に行いベストな戦略を追求するゲームという認識です。ポーカーの個々のプレイは、

  • 自分のハンドの価値(バリュー)を適切に評価し、
  • 周りの環境(自分のポジション、プレイヤーのプレイ傾向・弱点、周りのチップ量とそれに伴って他のプレイヤーの取りうる選択肢の把握、トーナメントの状況(ブラインドはどれくらいでどのくらい時間が経つと一か八かの勝負を挑まないといけなくなるか、どのくらいで入賞に至るか等))を適切に把握し、
  • ハンドのバリューと周りの環境を掛け合わせて、自分の取りうる選択肢を検討し、それぞれの選択肢を取った場合のリスク(期待値)を適切に算定し、
  • 最適な意思決定(ベット、レイズ、チェックレイズ、コール、フォールド、ブラフ)が求められ、
  • 正しい意思決定を行った場合や運がよかった場合には利益があげられる

というものです。
これはまさしく投資に他ならないでしょう。
個々のアクションの決定がミクロ投資に似ているだけでなく、トーナメントの参加費用の適切な管理(バンクロール管理)が必要とされる点でも投資計画のたて方によく似ていると思います。

ご回答ありがとうございました。