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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

第1章 テキサスホールデムの基礎知識(3)

1−5 ギャップコンセプト・サンドイッチ効果・スクイーズプレイ

(1)ギャップコンセプト

 ポジションの力に起因する重要な概念として「ギャップコンセプト」と呼ばれる考え方があります。ギャップコンセプトとは、David Sklanskyによって提唱された概念で、すでにベットやレイズをしているプレイヤーを相手にする場合(コールするとき)には、自分からベットやレイズをするときよりもより強いハンドが必要となるという考え方のことです*1
 ギャップコンセプトは、先にベットして強いハンドを持っていることを主張しているプレイヤーと衝突は避けた方が無難であるというだけでなく、自分からベットをした場合には、(1)相手が(ベストハンドを)フォールドするか(2)ショーダウンで勝つという2通りの勝ち方があるにもかかわらず、コールする場合には、(2)のショーダウンで勝つ方法しかないということにも起因する考え方です。
 ポジションだけでなくギャップコンセプトによっても、一般的には、後ろのポジションに近付くにつれてより弱いハンドでも参加することができると言えることとなります。
 留意しなければならないのは、ギャップコンセプトにおける「ギャップ」、すなわち通常の場合のハンドの強さと先にレイザーがいる場合に必要とされるハンドの強さの「ギャップ」は、ブラインドに比してスタックが十分にあるトーナメントの序盤や何でもレイズするようなマニアックなプレイヤーに対しては、小さくなるという点です。Dan Harringtonは、レイザーが超アグレッシブなプレイヤーの場合には、そのポジションでもともとレイズできるようなハンドを持っている場合は、どんなハンドであってもリレイズし、同じように、そのポジションでリンプインできるようなハンドより少しだけ強いハンドの場合はコールすべきだとしています*2
 また同様に、ブラインドがスタックに比して大きくなるようなトーナメントの終盤やレイザーがタイトなプレイヤー場合には、「ギャップ」は大きくなることとなります。この場合には、レイザーに対しリレイズするためには、より強いハンドが必要となります。

(2)サンドイッチ効果とスクイーズプレイ

 ギャップ効果と関連する概念として、「サンドイッチ効果」というものがあります。この考え方は、自分よりあとにアクションするプレイヤーがいるときは、後ろのポジションにプレイヤーがいないときよりも強いハンドを持っていなければならないという考え方です*3。最終的に何人のプレイヤーが勝負に参加するか、リレイズにコールしなければならなくなるか分からないので、(後にプレイヤーがいる場合には)実際のポットオッズを計算することはできません。したがって、このような不確実な状況下で「割に合う」プレイをするためには、より強いハンドが必要となるというものです。
 サンドイッチ効果を活用したプレイのひとつに「スクイーズ(絞り取る)プレイ」とよばれるものがあります。例えば、アーリーポジションからレイズがあって、コーラーがいたとします。レイトポジションのプレイヤーがリレイズをした場合、もともとのレイザーは、より強いハンドを主張しているリレイザーと後ろに控えるコーラーとの間で「スクイーズ」される(絞られる)こととなります。仮にオリジナルレイザーがコールしたとして、コーラーが強いハンドでスロープレイしている場合には、さらにリリレイズされることもあり得ます。したがって、このような状況では、オリジナルレイザーは、プレイを続けるためには相当強いハンドを持っている必要があるので、普通はフォールドすることを選択することになります。このようにサンドイッチ効果を活用してレイザーをフォールドさせるプレイをスクイーズプレイと呼びます*4

(3)リスクイーズ

 スクイーズプレイについては、Harrington on Hold’emで紹介されて以来非常に一般的な戦術となっているので、ある特定の状況においては、これを活用して更に利益を最大化することも可能となります。例えば、非常にアグレッシブなプレイヤーが後ろにいる場合で、自分より前のプレイヤーがレイズしてきた場合、後ろのアグレッシブなプレイヤーにスクイーズプレイをさせるために、非常に強いハンド、例えばAAやKKでコールをし、後ろのプレイヤーがスクイーズプレイのためのリレイズをするのを待つこともできます。後ろのプレイヤーがリレイズしてきて前のプレイヤーがフォールドした場合、更にリレイズすることで、ハンドをプロテクトするとともに利益を最大化することも可能となるでしょう。

1−6 That’s Poker!

 Theory of Pokerに従ってこちらが最適な選択をして、かつ、相手に最適でない選択をさせることに成功した場合にも、ときには負けてしまうことがあります。その一つの理由がバッドビートと呼ばれるものです(相手にとってはラッキーキャッチ。)。
 バッドビートとは、正確な定義はありませんが、一般的には、ある時点で明らかに強いハンドを持っていたにも関わらず、以降のラウンドにおいて、相手に相当少ないアウツを引かれて負けてしまうことを言います。
 バッドビートに遇う典型的な例として、相手が数学的に間違っているプレイをしている場合、例えば、ベストハンドも持っておらず、コールするに値するアウツもないのに、ベットにコールしてしまい最終的には勝ってしまう場合や、フォーカードやフルハウスなど強いハンドを持っているにもかかわらず、数学的に完成することが困難なより上位の役であるフォーカードやストレートフラッシュを相手に引かれてしまう場合(又は相手が持っていた場合にも)などが挙げられます。
 バッドビートはポーカーを長期的にプレイする以上必ず生じるので、恐れてはなりませんし、それで負けたからと言って必要以上に悔しがる必要はないとされています。トーナメントでは、ミスで負けるか、じゃんけんで負けるか、バッドビートで負けるか、優勝するかのいずれかの結果しかないのです。スキルのあるミスをしないプレイヤーは、じゃんけんかバッドビートでしか負けませんので、バッドビートでよく負けるようになったときこそ、ある程度ポーカーが上達したと言えるのではないでしょうか。

*1:David Sklansky, Tournament Poker for Advanced Players, Two Plus Two Publications (2001).

*2:Dan Harrington and Bill Robertie, Harrington on Hold'em: Expert Strategy For No-Limit Tournaments; Volume I: Strategic Play, Two Plus Two Publications, p190 (2004).

*3:同上p189.

*4:同上pp206-208.