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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

Kill Everyone: Advanced Strategies for No-limit Hold 'em Poker Tournaments and Sit-n-go's(2)


Kill Everyone: Advanced Strategies for No-limit Hold 'em Poker Tournaments and Sit-n-go's
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最適なベットとブラフのサイズ

 直観に反した流行が最近のトーナメントポーカーで起こっており興味深いです。オールインベットが疑わしいものになってきているのです。ブラフではないかと疑われるのです。これは特にプロの間ではそうで、オールインベットより小さいベットの方がオールインよりもリスペクトを受けるといった現象が生じています。
 なぜでしょうか?プロはベットが小さくなればなるほど、ブラフよりも「コールして欲しいベット」だと思い、そのようにアクションするからです。このタイプの理屈付けはオンラインにも広がっており、中途半端なハンドでオールインにコールするプレイヤーもいます。多分Kill Philの影響も部分的にはあり、Fold equityを得るために頻繁にオールインをするオンラインプレイヤーが増える傾向にあるため、自分ができる一番強いベット(オールイン)が、弱いベットよりも頻繁にコールされることになるのです。
 2006年のWSOP$2000NLHEイベントにおいてこの重要なポイントを示す例がありました。
 偉大なプレイヤーで2006年に最も活躍したプレイヤーの一人であるNam Leが若いオーストラリアのスーパースターであるMark Vosとヘッズアップになりました。私はMark Vosをよく知っており、2006年オージーミリオンメインイベントを含むオーストラリアのトーナメントで何度も対戦しています。ロンドンで行われた1000ポンドバイインのGrosvenor’s World Mastersでも彼は私の次いで2位でした。Markは、オンラインのショートハンドのキャッシュゲームで非常に成功したプレイヤーで、この章においても非常に重要な貢献をしてくれています。
 何度も行ったり来たりをして、Vosがリードをしたときに問題のハンドが来ました。
 Vosは、ボタンから90000にレイズしてLeは6c6dでコール。フロップは、Qs8s3hでした。
 LeがチェックするとVosは150000をベットしてLeはコールしました。ターンは2d、LeがチェックしたところVosは250000のベットでLeはまたコールしました。リバーはQdでLeがチェックしたところ、Vosがオールインしてきました。Leはしばらく考えて、コールしたところ、VosはQcTcでトリップクイーンを持っていてトーナメントは終了しました。
 Cardplayer.comで掲載されたところによると、Leは、Vosが普通にベットしてきたらフォールドしただろうけど、オールインしてきたのでブラフだと思ってコールしてしまったと語っていました。
 トッププロの多くが同じように考えるでしょう。Freddy Deebは、2005年Plaza Ultimate Poker ChallengeのヘッズアップでDaniel Negreanuがリバーで行った非常に計算されたポット以下のレイズにフォールドしました。テレビでDeebは、「このような小さなレイズをするんだ、Daniel?」と勝っているハンドをマックする前に聞いていました。
 NegreanuとDeebは、High Stakes Pokerのシーズン1で再度ぶつかりました。トーナメントよりも大きなキャッシュゲームをプレイしているにもかかわらず、同じような状況が起きました。プリフロップで3人、Johnny Chan、Negreanu、Deebがポットに参加しました。ChanはATo、NegreanuはAs7d、DeebはTd8dで、フロップは、Qs9c6dでした。
 Chanはチェック、NegreanuとDeebもチェック。
 ターンはTsでChanがチェックしたところ、Danielが8000のベットでDeebとChanはコール。リバーは5sでした。
 Negreanuは少し考えて、ポットをはるかに上回る50000のベットをしました。DanielはAのスペードを持っていたので、ナッツフラッシュを主張していたのです。Deebは、バックドアフラッシュを本当に持っているのか、それともブラフをしているのかじっくり考えました。最終的には「なぜそんなにベットをするんだい?自分はセカンドペアしか持ってないけどコールしようか考えてるよ。」と聞きました。苦痛に耐えたあと、Deebは最後に勇気を振り絞ってコールしました。
 このハンドの後、NegreanuがFreddyがコールしたのは、自分がすでに何回もブラフをしていたからだとコメントしたあと、Deebは「これまでどおりコールできそうな額例えば15000ドルのベットだったら、自分はフォールドした」と答えました。
 同じような考え方を示す例は他にもいくらでもあります。この傾向を活かす方法はないのでしょうか?我々はあると考えています。
 モンスターハンドを持っているときにはオールインして、ブラフのときにはポットサイズのベットをするのです。ブラフとしてもっと小さなベットをすることもできますが、その場合は、ときには相手にコールできるオッズを与えることもあるでしょうし、相手がコールする欲求に耐えられないかもしれません。ポットサイズのベットは相手に33%のオッズしか与えないので、相手が自分が3回に1回はブラフしていると思っていなければ、ブラフを見破ろうとするのは間違いとなります。ブラフとモンスターで大きなベットをする際には、ブラフのときのビッグベットよりモンスターのときのベット額を大きくすることに留意しましょう。
 このアプローチを取る副次的な利点として、ブラフがコールされたとしても、たいていの場合、トーナメントで飛んでしまうことにはならないということがあります。自然なことですが、相手がこのパターンを読んだ場合には、効果は失われます。そのため、たまにはモンスターハンドでポットベットしたり、ブラフでオールインするようミックスアップする必要があります。?ハンドか2ハンドショーダウンしたあとに変えるのがちょうどよいでしょう。

スカンジナビアのミニレイズブラフ

 国際的なポーカートーナメントにおいてスカンジナビア人の若くて優秀なノーリミットホールデムプレイヤーが量産されているということはもはや秘密でもなんでもありません。明らかなことですが、この国々のプレイヤーたちは、情報を共有して集約的に状況を分析し、新しいトーナメント戦略を開発しています。北欧諸国のポーカーブレインたちによって編み出された特に効果的な戦略の一つに、チップを集めるためにミニレイズを多用するというものがあります。
 ミニレイズは、直前のベットと同じ額のレイズを言います。相手にとってはコールするオッズが得られるので、そのことによって非常に強いハンドを持っているという主張をすることができるのです。小さな額なので、コールして欲しいと言っているように見えるのです。明確なメッセージは、「モンスターハンドを持っているのでポットを大きくしたい、だからほんの小額だけレイズして勝ちとるに違いないポットをもっと大きくしたい」というものです。例えば、プレイヤーの中には、フロップでセットを引いたりストレートができたりナッツフラッシュができたときにミニレイズを使うものもいます。ドローが薄いようなプレイヤーを怖がらせないようにしてポットを作ろうとしているのです。
これらを踏まえて、チップを集める賢明な戦略が生まれました。アーリーポジションでプリフロップレイズがあった場合には、若いアグレッシブなプレイヤーの中には、ボタンかボタンに近い場所では、様々なハンドでコールするプレイヤーがいます。フロップでコーディネイトされたカード、特にAやKがない場合にプリフロップのレイザーがベットしてきた場合、ミニレイズするのです。オリジナルレイザーが何も持っていなくて単にコンティニュエーションベットをしていた場合には、相手はこの時点でギブアップするでしょう。相手がコールしてターンでチェックしてきたら、ミニレイザーはオールインしてくるのです!
 若いトルコ人たちがこれらの戦法を使って様々なハンドで勝負していました。彼らは、非常に強いハンドからセミブラフときには完全なブラフまで何を持っていても不思議ではありません。
 あなたがUTGからQQでレイズしたところ、ボタンのルースアグレッシブなプレイヤーにコールされ、フロップは、Ts9s6dでした。ポットの80%をベットしたところ同じ額のミニレイズをされました。ミニレイザーは、セットかツーペアかストレート、フラッシュドロー、ペア&ガットショット、または何も持っていない可能性があります。さて、どうしましょうか。
 あなたがショートスタックであったりやポットコミッティッドしている場合には、オールインするでしょう。2人ともディープスタックだった場合には、このミニレイズによって問題が生じます。勝負を続けるなら、自分のチップのすべてを賭けなければならない可能性が高いのです。
 ほとんどのプレイヤーは、このようなミニレイズにコールしてターンで状況を再評価しようとします。しかしながら、3枚目のクイーンが出てこなければ、更にベットするのは困難でしょう。ミニレイズによってチェックできなくなります。さて、考えたあと、ミニレイザーがオールインしてきました。
 あなたが負けているハンドはたくさんあります。トーナメントを賭けてこのハンドを勝負したいと思いますか?相手は、フロップでミニレイズすることで、自分のハンドの強さを主張していますし、ターンではオールインまでしています。考え抜かなければなりません。このプレイはワンペアで勝負をかけようなどと思わない優秀なプレイヤーに対して特に威力を発揮します。
 このような戦法にどのように対処したらよいでしょうか。フロップで決断をしなければならず、特に重要なのは、破産することを恐れてはならないということです。プレイヤーが25歳以下のスカンジナビア人でオーバーペアがあるのなら、ミニレイズの後でフロップでオールインすると私の友達のプロは言っていました。ミニレイザーがイギリス出身で40歳だったら、フォールドしましょう。
 このアプローチにおける知恵は非常にたくさんあります。若いルースアグレッシブプレイヤーに対しては、ときには耐えなければなりません。他に情報がなければ、年齢と出身国は、何よりもよい判断基準になります。

【Elky の注釈】
この新しい戦略は、非常に効果的です。ミニレイザーは相手を少ない投資で非常に困難な状況に追い込むことができます。「ミニレイズ」に対抗するのは難しいです。相手が頻繁にミニレイズしてきているので3ベットしようとするのなら、あなたは非常に多くのチップをコミットせざるを得なくなるでしょう。相手がフロップでマッチしたならば、そこであなたのトーナメントは終了します。このプレイが私にとって対応困難な理由は、微妙でかつ間違って大きなコストのかかり得るような決断をするために、完全に勝負を分析しなければならなくためです。

ブロックベット

 ブロックベットとは、相手が多くなベットをしてこないように行う小さなベットのことです。フロップ以降どの段階でも行えますが、ポットが既に大きくなっているリバーにおいて最もよく行われます。
 ヘッズアップでトップペアトップキッカーを持っていて、フラッシュを作り得るカードがリバーで落ちて、あなたが最初のアクションのケースを想定してください。チェックすれば、相手は、ポットかそれ以上のベットをしてきて難しい決断を迫られるかもしれません。フラッシュを持っているかもしれませんし、ブラフかもしれませんが、もしあなたがポットの35〜40%のベットをしていた場合、相手がそれ以上のベットをしてくることを防ぐことができます。相手がナッツフラッシュでないフラッシュを持っているのであれば、負けていることを恐れてレイズできないでしょうし、また、コールされることを恐れてブラフすることもできなくなるでしょう。ブロックベットによって相手を動けなくして、自分の貴重なチップを守ることができるのです。
 ブロックベットの問題点は、こちらが中途半端な手では小さなベットをして強い手では大きなベットをしていると相手に気付かれた場合、小さなベットをしたらレイズされ、大きなベットをするとフォールドされてしまうということです。ブロックベットを頻繁にやる場合には、強いハンドを持っているときにも、ブロックベットに見えるようなベットをしなければなりません。
 例えば、フラッシュカードがリバーで落ちて、ナッツフラッシュができて、フロップからずっとベットしていた場合には、ブロックベットのようなベットをするのもいいかもしれません。アグレッシブな相手は、前にフリーズベットをやっていたことに気づいて、リレイズオールインして確かめようとするかもしれません。バッドタイミングですが!
 ブロックベットに関する詳細な議論と数学的な背景については、SklanskyとMiller『No-Limit Hold’em-Theory and Practice』の135〜142頁をご参照ください。

ビッグレイダウン

 チップの山を築くことと、負けていそうな状況においてチップを失わないことは道義です。たとえ自分が強いハンドを持っていたとしても同じことです。プリフロップでKKでフォールドすることが必要な状況も確かに存在します。
 Tournament of Championsにおいて、David Chiuが超タイトなLouis Asmoがオールインリレイズしたときに行ったレイダウンや、WSOPのファイナルテーブルでMike MatusowとPhil GordonがポケットQとポケットKでPhil Hellmuthのオールインリレイズにレイダウンしたのが、ビッグフォールドの古典的な例です。どちらの場合も、AsmoとHellmuthは、ポケットAを持っていました。
 このようなレイダウンをすべきかどうかは、状況に大きく左右されます。最初の例においては、Chuは、AsmoがファイナルテーブルでリレイズオールインできるハンドはAAしかないと確信していました。だから彼は、KKを見せてフォールドしたのです。同様にMatusowとGordonもHellmuthがどれだけWSOPに勝ちたいと思っているかを知っており、このようなベッティング状況においてHellmuthが持っているハンドはAAだけだと正しく推測したのです。
 偉大なプレイヤーは、他のプレイヤーが困惑するほど状況を読むのに長けています。Phil Iveyほどチップを節約する技術を持ったプレイヤーはいないでしょう。Iveyは、ビジネスにおいてベストプレイヤーだと多くのプロから認識されています。2005年のMonte Carlo Millionsにおいて、7人ずつの2テーブルになったとき、Iveyは450000点持ちでチップリーダーでした。ブラインドは、2000-4000A500のときにこのような勝負がありました。
 近年トーナメントで頭角を現してきたチームPoker Starsプロで150000持ちののVictor Ramdinが、ミドルポジションから12000にレイズ。ボタンからIveyは、6h3hでコール。ポジションがあるときは、Iveyはフロップ後に相手を圧倒できると思っているので、多くのハンドでコールします。ポットは33500です。フロップは、345レインボーでした。
 これはIveyにとっては非常にいいフロップです。ワンペアとオープンエンドストレートドローになっています。RamdinがチェックするとIveyは20000ベットして、Ramdinはコール。ターンはJで2人ともチェック。リバーは6でIveyは2ペアになりましたが、オープンエンドストレートになり得るカードが4枚も出ています。Ramdinがポットの半分の35000ベットしてきました。Iveyはしばらく考えてフォールドしました!Ramdinのハンドは77でした。Iveyが正しく推測した通り、Ramdinはストレートを持っていました。IveyはRamdinにツーペアでフォールドしたというとRamdinは「だからあなたがベストプレイヤーなんだ」と答えました。
 この例では、Iveyはこの状況でストレートができていないのにRamdinが35000もベットするはずはないと正しく結論付けていました。この失わなかったチップは、35000のポットを取るのと等しく、Iveyが大きなチップ量の優位性を保つのに役立ちました。Iveyはこのイベントで優勝して100万ドルを手にしました。
 ビッグレイダウンをするためには、相手のスタイルと傾向を正しく理解する必要があります。ロンドンの大きなトーナメントの100-200のブラインドで、プリフロップでAdTdでミドルポジションから600にレイズしたところ、Simon TrumperにBBからコールされました。私はSimonと何度か勝負をしていて、彼がビッグフォールドのできる知的なプレイヤーだと知っていました。少し前の勝負で彼がフロップK72でフロップとターンでベットしてターンでレイズされたとき、AKでフォールドしていました。相手は2のセットを持っていました。
 Simonにコールされてポットは1300でした。フロップは、KsJd4cでした。
 怖いフロップです。2枚のカードが続いているかワンギャップといったコーディネートされたフロップや、ハイカードが2枚含まれているフロップでは、フロップツーペアかストレートドローができている確率が高いので注意しなければなりません。
 Simonがチェックをして私は700ベットしました。彼はコール。この時点で少なくともSimonがKがJ(又は双方)を持っていることを確信しました。ターンで美しい女王(Q)が落ちてトップストレートができたときには、チェックしようと思っていました。Simonがチェックしたので、ポットサイズの2700をベットしたらSimonはまたコール。リバーは2枚目のQです。ボードはKJ4QQでフラッシュはありません。ポットは8100です。
Simonは少し考え5000ベットしてきました。
 私は2分ほど考えました。Simonはターンでのポットベットをコールしたので、少なくとも2ペアを持っていると考えられます。相手がこのようなアクションを取りそうなハンドは、KQかQJで、セットも考えられます。リバーのQと彼のよく計算された5000のベットでフルハウスのおそれが高いです。実際、ハンドについて考えれば考えるほど、Simonに負けている可能性が高い気がしてきました。
 結局私はハンドを見せて「負けてるんだろう。フルハウスを見せろよ」というと、Simonは静かにKQを見せて「2500だったらコールしたか?」と聞きました。私は笑うだけでした。
 プレイヤーを知り、ベットとコールを正しく解釈することでこのようなプレイは可能になります。Simonのプレイをよく知っていなければ、このようなプレイはおそらくできなかったでしょう。
 Simonがオールインをしてきたり、もっと小さなベットをしてきた場合、どうしたか考えることは興味深いです。どちらの場合も、普通のプレイをしてきた場合よりも確信が持てなかったでしょう。オールインは、フルハウスができたと思わせるためのビッグブラフのように思えますし、小さなベットはブロックベットのようにも思えます。どちらの場合も、コールした可能性が高かったのではないでしょうか。

要旨

 トーナメントの序盤にチップの山を築くことは一つの芸術的手法です。鍵となる要素がいくつかあります。
・ブラインドが小さいときには、可能性を秘めたハンドをプレイしてフロップでビッグハンドをキャッチすることを目指しましょう。小さなペアやスーティッドコネクターで2.5〜4BBの標準的なレイズにはコールしますし、オフスートのコネクターでも何人かリンパーがいればリンプします。チップ量の8%くらいまでのレイズにはコールします。ポジションがよくなればなるほど、リスクを冒すチップの量は増えますが、10%を超えるコールはしません。アーリーポジションでは可能性を秘めたハンドとビッグハンド両方で小さなレイズをします。これによって迷彩にもなります。
・チップの山を築く方法の一つに小さなポットを多く獲得するということがあります。頻繁に小さなベット、レイズ、チェックレイズを繰り返すことが序盤には有効な戦術となります。
・悪いハンドで小さなポットを取るのが適していない状況では、大きなポットをいくつか取ることで、チップの山を築けます。タイミングを見計らったビッグブラフやビッグハンドを持っているときに大きくベットすることでチップを集めることができます。効果的に行うには、ブラフはベットアクションとボードに適合していなければなりません。
・チップを失わないことは、チップを勝ち取ることと同じです。状況を判断しいいハンドでフォールドすることで、集めたチップを減らさないでおくことができます。

【Elkyの注釈】
 私は自分のことは間違いなくNewSchoolのプレイヤーだと思っています。しかしながら、コメントで何回も繰り返しているとおり、トーナメントポーカーで長期的に成功するためには、相手の異なるスタイルのすべてを理解することが必要で、あなたの強力な武器を使ってすべてのいかなる状況においても調整することができるようになることが必要です。テーブルの動き、自分のイメージ、相手のスタイル及びベッティングパターンを常に把握することによって、あなたは相手を制することができるようになるのです。

<2/5追記>

2 チップの山を築くためのガイドライン

 トーナメントにおいて勝利するプレイヤーがどのようにしてチップを集めているかについて、既にいくつか議論してきました。ここでは、いくつかの実践的な留意事項を見て行きたいと思います。

アドバイス1 参加は、レイズで

 私は、可能性を秘めたハンドでアーリーポジションから最初に参加するときは、2〜2.5BBのレイズで、ミドルポジションからは、3BBで、レイトポジションからは3〜4BBのレイズでビッグハンドを持っているといるときと同じように参加します。たまにはUTGやその隣からリンプすることはあります。このようなハンドでレイズインすることで、フロップにAやKが落ちた場合にAKを主張できますし、フロップでヒットした場合には、自分のハンドの強さを隠すこともできます。今日のゲームにおいては、あなたが2枚のハイカードでアーリーポジションからプリフロップでレイズしていると思うプレイヤーが多いでしょう。彼らは小さなカードがフロップで落ちた場合にはポットを奪えると思っています。ビッグカードがフロップで落ちてあなたがベットしてきたら、彼らは即座に退散しますが、小さなカードが落ちて、あなたがCBのようなベット(ポットの半分から3分の2くらい)を打ってきたら、レイズしてくるでしょう。
例えば、6h5hでレイズして、フロップがT65のような場合、ポットの半分のベットした場合、誤って解釈されて相手はレイズしてくるかもしれません。この場合には、即座にリレイズしたり、ターンでチェックレイズすることで、大きなポットを取ることができます。ボードがコネクトしていたり、2枚のスートが落ちた場合には、フロップでは大きなリレイズをします。(ポットサイズか多分オールインくらい。)コネクトしていないフロップで相手がターンでもベットしてきそうなアグレッシブなプレイヤーなら、フロップでレイズされてもコールにとどめ、ターンで相手がまたベットしてきたら大きなレイズをします。
 誰も参加していないポットにおいて、ペアやスーティッドコネクターでリンプする理由は、前にリンパーがいるとナーバスになるプレイヤーが多いからです。このプレイは、AAやKKを持っているときによく行われるため、リレイズされることを恐れてレイズするのを躊躇するプレイヤーが多いです。このような状況では、ミドルペアのようなハンドは、レイズするより頻繁にリンプしてフロップを見るのがよいでしょう。あなたのリンプによってリンパーが多くなるかもしれませんが、自分の可能性を秘めたハンドに取っても十分なポットオッズが得られることになります。また、フロップでフロップセットのようなビッグハンドをヒットした場合であっても、自分のハンド程度でプレイするのに十分だと思うプレイヤーも出てくるでしょう。
 前にリンパーがいるポットでどレくらいの頻度でレイズすべきでしょうか。大体85%レイズで15%コールです。
アーリーポジションからのレイズ額は、アンティがない場合は2BB、アンティがある場合は2.5BB程度です。85%くらいは、可能性を秘めたハンドとビッグハンドの両方でレイズをして、15%くらいはリンプします。アグレッシブなテーブルでは、ビッグペアでもリンプする比率を上げます。特に相手が自分が可能性のあるハンドでリンプしているのを何回か見ている場合にはそうします。また、ビッグペアだけでなく、AJs、AQ、AKのようなハンドでも2〜2.5BBのレイズをします。このようにミックスるすることで、相手は、何を持っているのか確信することができなくなるのです。
 ChenとAnkenmanは、The Mathematics of Pokerの中で、アーリーポジションでは小さなレイズを行いテーブルのアクションが終わったときには大きなレイズをすることについて、優れた数学に基づき分析しました。この考え方によって、BBは難しい決断を迫られます。一般的に、ポジションが前の方のレイズは、後の方のレイズよりも強いハンドを意味し、例えレイズが小さなものであっても、BBは強いハンドと対峙することになります。ボタンに近い場所からの大きなレイズは、前の方のレイズより弱いハンドであることを意味しますが、ブラインドにとってもコールするオッズが悪くなります。もちろん、ブラインドがタイトになればなるほど、レイズする額は小さくて済むようになります。プロは、ミニマムレイズをすることで、フォールドをさせるために必要なリスクを最小限にしているのです。同様に、レイトポジションからで合っても、2〜2.5BB程度のレイズでもあり得ます。
 可能性のあるハンドでレイズをするのは、自分が最初に参加する場合のみです。既に他のプレイヤーがレイズしていたら、コールします。リンパーが1人や2人いた場合には、リンプします。フロップツーペア以上かビッグドローを狙っているのです。ワンペアしかできなかった場合は、注意深くプレイする必要があります。たとえトップペアで会ったとしても、ワンペアウィークキッカーだけでポットに固執するべきではありません。ベットしないということではありません。ベットしますが、コールされた場合には、スローダウンして、ハンドがよくならないなら、ターンではチェックするなどしてポットを小さいままにしておくことが必要だということです。このことでリバーでブラフをするチャンスも生まれますし、相手は難しい決断を迫られるでしょう。
 可能性を秘めたハンドでレイズにコールするかしないかを決める際に、5&10%ルールを使います。スタックの5%以下ならコールするし、10%以上ならフォールドするというものです。その間の場合にコールするか否かは、どれくらいフロップ後のプレイに自信があるか、ポジションはどうか、ハンドは強いかなどによります。Leeは、ボタンに近い場合には、スタックの8%まではコールします。
 ブラインドと比してスタックが大きくなればなるほど、5〜10%ルールの間にはまることになります。この柔軟性によって、巧みな新興派のプレイヤーは、ファイナルテーブルまでチップの山を築いて行くのです。しかしながら、ターゲットの相手より自分がチップを持っているときには、相手のスタックにもこのルールを当てはめなければなりません。どれくらい自分がチップをもっていても、相手のチップ量より多くのチップを取ることはできませんし、インプライドオッズは、2人のスタックのうち小さい方にのみ適用されます。
 アーリーポジションのレイズにコールすることでスタックの10%以上のリスクを取る場合には必ずフォールドしなければならないと言っている訳ではありません。コールがベストの選択肢ではないというだけのことです。その場合は、オールインするかフォールドするかが最適な選択肢となります。

【Elkyの注釈】
私はこの重要なコンセプトを強く支持する者です。常にレイズで参加することを心がけていますが、そうすることで自分のハンドの範囲を効果的に隠すことができるからです。レイズで参加することによって、予測不可能になり相手に読まれなくなります。
例えば、UTGから7h5hでレイズして1人にコールされたとして、フロップにAかKのような怖いカードが落ちたらその場でポットをスチールすることができます。いつものことながら、自分のテーブルイメージと自分のスタイルがテーブルの動きにどのように影響を与えるか留意しなければなりません。私がリンプするのは、頻繁にレイズが入るような非常にアグレッシブなテーブルだけです。その場合は、スタックに基づきポットの大きさをコントロールしようとします。めったにありませんが、そのような場合を除いては、可能な限りレイズで参加しましょう!

<2/11追記>

アドバイス2 ポジションを使おう

ビッグベットポーカーにおいては、ポジションの重要性はどれほど強調しても強調し過ぎることはありません。ボタンかボタンに近いポジションでは、トーナメントの序盤で参加できるハンドの範囲は、飛躍的に広がります。オフスートのコネクターや1ギャップのスーティッドコネクターなどでリンプしたりレイズにコールしたりします。何人か既にリンパーがいる場合には、リンプしてT8のようなハンドでポジションを上手く活用します。フロップがJ97やT78だった場合には、自分が持っているハンドを推測することは極めて困難で、ビッグポットを取れる可能性があります。これは、特にAAでリンプしているようなプレイヤーに効果的です。トーナメントにおいて、私は、AAでスロープレイしている相手がドローを引きに来ようとしているプレイヤーにリスクを負わせようとしてフロップでオールインしてきた場合にこのようなハンドで何度もダブルアップしてきました。彼らは家に帰って友人に自分がAAで負けて非常にアンラッキーだったと語っていることでしょう!次に議論するとおり、ポジションによってより多くの「みなしご」のポットを取ることができます。

【Elkyの注釈】
他の種類のポーカー同様テキサスホールデムでは、ポジションは、理解し習得すべき最も重要なコンセプトです。ポジションのあるときにプレイすることによって、ハンドの情報の大半を得られ、ボードの文脈によっては相手を圧倒することができ、中途半端で危険な状況でチップを節約することができます。
ポジションがある場合には、すべての情報が集められるため、微妙なハンドで薄くバリューベットしたり、簡単にブラフをしたりするなど、利益を最大化するチャンスが多くあり存在します。ポジションがあれば、頻繁にブラフされることを避けることもできますし、ターンやリバーでフリーカードを得たり、ポットサイズをコントロールできたりします。ポジションを活用することで、68%の確率でフロップが当たっていないことが分かるため、「みなしご」のポットをスチールしたり、相手を圧倒したりできます。
ポジションの優位性を常に認識し、カットオフやボタンにいるときには、ポジションを有効に活用しなければなりません。ポジションによって、利益をあげられる無限のチャンスが得られるのです。ポジション万歳!

<2/18追記>

アドバイス3:みなしごポットを獲得しよう

 ノーリミットホールデムにおいては、多くのフロップが誰にもマッチせず、それほどプレッシャーには耐えられないような微妙な手しかできないことが多々あります。3人か4人が参加してレイズの入っていないポットにおいて、ボタンのあなたまでチェックで回ってきてフロップが、Js5c3dのような場合、ポットの3分の2くらいベットすべきです。ほとんどのプレイヤーが、Jを持っていればベットしているはずなので、通常はその場でポットを取れるはずです。これは、ハイカード1枚のレインボーのフロップであれば、どのような場合にも適用できます。チェックレイズをされた場合には、本当に強いハンドを持っているときでなければフォールドしましょう。6s5sを持っているプレイヤーにチェックレイズブラフやセミブラフレイズのターゲットとされるかもしれませんが、40%以上はポットを取ることができ、ゲームをリードすることができるでしょう。
 同じくアーリーポジションでフロップをチェックしたあと全員チェックで回った場合には、ターンではベットすることを考えるべきでしょう。特に、同じような数字の続いていないカードが出てきたときにはベットすべきです。全員何も持っていないと振る舞っているのですから、それを信用してベットすべきです。その場合全員フォールドする機会が多いことに驚くことでしょう。このようなプレイは、自分が最初にアクションを起こす場合に最も上手く機能します。一番前のポジションがビッグハンドでスロープレイしている可能性の最も高いポジションだからです。ターンでのベットは、たとえあなたが何も持っていなくてもこの疑いを確定させますし、みなしごポットを獲得する有効な手段となります。他のプレイヤーが全員不満そうにしているのならば、必ずベットするようにしましょう。<3/17追記>

アドバイス4 タイトで弱気なプレイヤーを見つけよう

 注意深く観察しましょう。既に検討したとおり、利益を吸い上げられるようなプレイヤーを見つけるのです。

【Elkyの注釈】
明らかなことですが、タイトなプレイヤーは、アグレッシブなプレイヤーにとって理想的なターゲットです。タイトで臆病なプレイヤーは、特にトーナメントの序盤の間は、恐怖に脅え、チップを犠牲にすることを厭い、大きくなりそうな勝負に参加することを嫌います。このようなプレイヤーを特定し、利益を吸い上げることができるなら、彼らは、トーナメントを通じてチップの山を築くための収益源となりえます。序盤においては、彼らに対してブラフできますし、フロップ後はポットをスチールすることができます。終盤になっても、彼らを攻撃してブラインドをスチールすることは可能です。

アドバイス5 AAでレイズしないことでフロップ後バーストしないように。

 特にオンラインで当てはまりますが、最も大きく最もよく見かけるミスの一つに、AAでレイズしないことが挙げられます。AA(やKK、QQ、ときにはJJ!)でリンプして、何人もにコールされ、フロップやターンですべてのチップを失ってしまうのです。残念なことに、彼らは、ツーペアやセットやストレートとぶつかってしまうのです。何度も何度もこういう場面を目撃しました。
 スーパーシステムでDoyle Brunsonが言っているように、「AAは小さなポットを取るか、大きなポットを失うかとのどちらか」なのです。
 トーナメントの序盤では、プリフロップでオールインにならない限り、AAで大きなポットをプレイしないようにします。AAでレイズしてリレイズされた場合、特にオンラインの場合には、その時点ではスタックの半分までは我慢します。フロップでは何が来ても、オールインすることにしています。AKやTT以上のペアであってもプリフロップでリレイズオールインされることもしばしばあります。もしそれで飛ばされたとしても、そういうことは起こり得ることですし、相手の方が運がよかったというだけのことです。
 AAでリンプして誰にもレイズされなかった場合には、フロップでは非常に慎重にプレイします。ポットの3分の2をベットしてコールされた場合には、ターンとリバーはチェックコールにとどめます。他のプレイヤーが大きくベットしてきた場合には、そのポットは諦めます。最低限覚えていなければならないことは、レイズしていないポットでAAを持っているときは、大きなポットではなく小さなポットで勝負するようにしなければならないということです。プリフロップでレイズした場合でも、フロップ後大きな抵抗に遭った場合には、大きなポットでなく小さなポットをプレイするようにしましょう。
 留意しなければならないのは、あくまでもトーナメントの序盤について語っているのであって、トーナメントの序盤では、非常に多くの可能性を秘めたハンドで標準的なプリフロップレイズにコールするインプライドオッズがあり、ビッグペアを降りられないプレイヤーは飛ばすチャンス可能性があるのです。これが冒険家ではないプレイ方法です。すべてのチップを掠め取られないようにしましょう。

【Elkyの注釈】
 どれだけ多大な自制心や自律が必要だとしても、危険なボードで3・4人の相手がいる場合にはAAをフォールドすることを覚えなければなりません。
 50000点がスタートチップの超ディープスタックの$25,000Buy-in WPTトーナメント@ベラッジオにおいて、AdAhでFreddy Deebのレイズにコールしました。Freddyは多くのポットに参加しており、誰かがリレイズすることを期待していましたが、誰もリレイズしませんでした。5人のプレイヤーが参加してフロップは987で2枚クラブでした。自分の強さを調べるためポットの3分の2ベットしました。すぐ左のプレイヤーがレイズしてきて、その次のプレイヤーがコールしてきました。このような無価値に等しいボードで自分のハンドがどの程度の強さか分かったので、即座にフォールドしました。もちろん、バラバラのボードならまた別のヘッズアップに持ち込む戦略を取っていたと思います。
このような状況でAAをフォールドすることは常にストレスのたまるものですが、正の側面として、比較的小さなコスト(BBとフロップでの確認ベット分のチップ)でフォールドでき、強情でAAをフォールドできないのでなければ、トーナメントから飛んでしまうことはないということがあります。

<3/18追記>

アドバイス6 ミディアムペアは、スモールペアと同じようにプレイしよう

 序盤においては、77〜JJまでのミディアムペアは、スモールペアと同じようにプレイしなければならないことが多いです。レイズされた場合は、JJくらいの強さのハンドであれば、リレイズではなくコールすることを考えましょう。よく覚えておかなければならないことは、トーナメントの序盤において、あなたの目指すものは、大きなポットを勝ち取ることなのです。フロップでTやJの非常に嫌らしいセットを作ることが、良い方法となります。フロップでアンダーカードが3枚出た場合には、オーバーペアと言えどもAAのときと同じようにプレイしましょう。フロップでベットして相手が反抗してきたら、あとはスローダウンして、ポットは小さくしておくことが肝要です。

【Elkyの注釈】
 ここでの発言に100%同意する。スタックが非常に多い序盤においては、99や88のようなミディアムペアでリレイズしない方がよいでしょう。フラットコールしてセットを狙うのがより最適なプレイだと考えます。フロップでセットができた場合、特に相手も同様にフロップでヒットしたり、フォールドしにくいオーバーペアとなった場合には、相手のチップをすべて奪う絶好のチャンスとなります。また、ミディアムペアでリレイズした場合、簡単にポットコミットしてしまい、フロップに1枚か2枚オーバーカードが出た場合、難しい判断を迫られることとなります。

<3/25追記>

アドバイス7 弱いベットに関して過剰に考えすぎないこと

 ポットの大きさと比べて弱いベットは、一般的には、ハンドの弱さを表します。特にオンラインのトーナメントではそうなります。レイズについてはどうでしょうか。たとえば、ブラインドが25−50でプレイヤーがプリフロップで150のレイズをし、ポケット5でコールして、ヘッズアップになったとします。ポットは375でフロップはQc8h2sです。
 相手が100のベットをしてきました。これは相手がフロップをミスし、AKでチェックするなど弱みを見せたくないが「通常の」コンティニュエーションベットとして200も打つようなリスクは冒したくないのだと解釈できます。相手は100をベットしてあなたがフォールドしてくれるか安いコストでターンを見ることができ、AかKが落ちることを期待しているのです。フロップで300レイズした場合、トップペア以上のハンドを持っていなければ大抵のプレイヤーはコールできないでしょう。
 ときには(上記の例でいえばAQやQQや88のような)ビッグハンドにぶつかることもあるかもしれませんが、たいていはフロップでポットを取ることができるでしょう。相手は通常はあなたが少なくともQは持っていると読んでマックするでしょう。475のポットを取るのに400のリスクを冒しているので、2回に1階成功すればよいことになります。相手の弱さを察知したら、このようなアグレッシブなプレイをしましょう。

【Elkyの注釈】
 理論的には、小さなベットは弱さの表れとなります。アマチュアのプレイヤーは、強いハンドをドローからプロテクトするためにオーバーベットする傾向があります。したがって、弱いベットは、躊躇の表れであり、安くカードを見るためのブロックベットかブラフの可能性があります。特にボードでストレートドローやフラッシュドローがあるときにはそうなります。しかしながら、プロはこのような傾向には自覚的であり、モンスターを持っているときに小さくかけて罠にかけようとすることも覚えておいてください。
 より重要なのは、一度きりの弱いベットにそれほど注意を払うことよりも、トーナメントを通して相手のベットパターンに注目することです。ベットパターンを観察して、ハンドの範囲と組み合わせて分析することにより、相手の強さや弱さをより正確に推測できることとなるでしょう。さらにブラフをしたり罠から避けられたりもできます。

<3/29追記>

アドバイス8 状況が許せば、チップのすべてを序盤にかけることを恐れてはなりません。

 トーナメントの序盤であってもオールインするのがベストプレイとなる状況がトーナメントでは起こり得ます。プリフロップでレイズしてリレイズされたポットでポケットAを持っているときが明らかな例ですが、フロップ後においても、オールインした場合、自分が明らかに又はほとんど間違いなく優位に立っているが盤石な優位ではない状況が存在します。典型的な状況としては、フロップでセットを持っていて相手が2オーバーカードを持っているナッツフラッシュドローのときが挙げられます。
 例えば、プリフロップで99でレイズしたところ、1人にコールされて、不突飛はKs9s8dだったとします。標準的なポットの3分の2をベットしたところ、レイズされました。ストレートやトップセットを引かれている可能性もありますが、相手が持っていそうなハンドのほとんどより優位に立っているはずですAsQs、AsKs、AsTs、88のようなハンドはプリフロップでレイズしたプレイヤーの多くが持っているようなハンドです。このような場合には外見を取りつくろうことはしません。オールインするのです。相手がドローハンドを持っているのなら最大限のコストを支払わせるべきです。既にトップセットやストレートができているのであれば、いずれにしても私のチップはすべてなくなってしまうでしょう。相手がストレートを持っていても、私にはターンで7アウト、リバーで10アウトあります。
 覚えておかなければならないことは、相手がドローでコールしている場合、自分のハンドは盤石ではないということです。優位に立っていますが、相手にもアウツがあります。大きなイベントで勝とうとするのならこのような計算可能なリスクを進んで取りに行かなければなりません。
 また、序盤でオールインを行うことで、Fear equityを作り出すことができます。他の相手はあなたがアグレッシブでこの時点ですべてのチップを投げ出すことを厭わないプレイヤーだと認知します。これによって、相手はあなたに広いスペースを明け渡すようになります。Fear equity万歳!

【Elkyの注釈】
どのようなトーナメントであれ、私の唯一の目的は、最終的に勝利することです。したがって、長期的に正の期待値が得られる有利な状況である限りは、勝負の間どの時点であってもすべてのチップをコミットさせることを恐れてはいません。
例えば、序盤に自分が勝っていて大きなポットを取れるポットオッズがあるときには、オールインすることに何の躊躇もしません。分散を理解しておりそのようなハンドでもときには負けるということも知っていますが、自分の戦略が利益の出るもので、長期的にはトーナメントで勝てることとなることも知っています。
プレイヤーの中には、インマネすることが目的であるプレイヤーもいるでしょう。また、大きなトーナメントに参加してできるだけ長く貴重な経験をすることが目的のプレイヤーもいるでしょう。例えば、WSOPのメインイベントでは、まだまだインマネには遠いにも関わらず、Day1を突破したときにお互いを祝福しあうプレイヤーがいることも珍しくありません。このようなプレイヤーは、トーナメントの序盤で多くのチップを賭けることを厭うでしょう。このようなプレイヤーを見つけることで、ときにはこのプレイヤーから序盤は利益を得ることができます。
プレイヤーとして自分の究極のゴールはどこかを決めて自覚する必要があります。しかしながら、私のように、勝つためにプレイするのであれば、有利な場合にはオールインすることに躊躇せず、優位な状況や大きなポットを取ることがトーナメントで勝利するために優位な状況に置くことになる場合には、オールインすることに躊躇してはなりません!

<3/31追記>

アドバイス9 オンラインではプレイを調節しよう

 一般的に言えば、オンラインでのプレイは、ライブのトーナメントでのプレイよりもルースになります。特に序盤ではそうです。このため、若干調節することが必要になります。第一に、そして最も重要なことですが、強いハンドではオーバーベットしてブラフはあまりしないようにしなければなりません。オンラインプレイヤーは大きなベットにコールしますし、たとえ(おそらく特に)オールインであっても同じことで、オールインについてはスチールしようとしているのではないかと思われるからです。
オンラインプレイヤーが微妙なハンドでコールしているのをよく見ます。すなわち、強いハンドで強くベットする方が、ライブのときよりも利益が出る可能性が高いということになります。同じくブラフがつかまる可能性も高いということです。

キーポイント:オンラインのMTTにおいては、ライブのときよりも、ビッグハンドは(プリフロップでもフロップでも)オーバーベットし、ブラフは少なくすべき。

プリフロップではオンラインプレイヤーは、様々なハンドでレイズしたり、レイズにコールしたり、リレイズしたりします。ライブイベントでは、レイズにリレイズがあった場合には、上手くできるプレイヤーでなければ、JJではフォールドし、QQではコールにとどめるでしょう。
 オンラインではそうではありません。リレイズがあった場合には、JJでコールして、QQではオールインします。2人にコールされて2人が77とAQsであっても驚くことではありません。
 興味深いことに、インターネットプレイヤーがライブでプレイするときは、しばしばライブイベントとの出場権をサテライトで勝ち取っているので、タイトになる傾向があります。
これには多くの理由があります。ライブトーナメントには多大な投資をしなければなりません。ライブイベントでは通常より多くのバイインを要するだけでなく、プレイヤーは、時間・お金の面からもかなりの投資をしなければなりません。テレビ放映される有名トーナメントは、世界中に広がって、プレイヤーは世界中から何時間もかけて集まってきます。一旦プレイすれば、ノックアウトされたくないのでタイトになる傾向にあります。ライブイベントは特にテレビ放映される場合には、楽しいものです。周りは見ていますし、カメラが回っています。誰もやめたいとは思わないでしょう。
 さらに、特にテレビで何百万人もの目に留まる中でドンキープレイをして目立ちたいとは誰も思わないでしょう。これを「困惑要素」と呼びます。インターネットの匿名性は恥ずかしい意思決定の土壌となります。コールボタンを押したり、オールインのところまでメーターを上げるのは簡単ですし、誰とも知られず居心地のいいベッドルームで裸でプレイすることもできます。飛んでしまうような無茶なプレイをしてもカードルームを退出する(恥の道)居心地の悪さを味わうことはありませんし、テーブルで憐れみと嫌悪の混じった目で見られることもありません。単純にいうと、オンラインでは、ライブイベントにある社会的圧力がないため、ひどいプレイをするのは非常に簡単だと言うことです。

<4/5追記>

 オンラインではプレイがルースになるもう一つの要素は、すぐに別のトーナメントに移ることができるという点です。複数のテーブルを開いて同時に複数のトーナメントに参加することもできます。一つのトーナメントで飛んでしまっても、大したことではありません。他のトーナメントでは残っているのですから。
 オンラインをプレイするときには、基準を緩くしましょう。例えば、PokerStarsのサンデーミリオンをプレイしているときに、ブラインド100-200A25で6000点持ちのときに、SBにいるとします。ミドルポジションから4000を持ったプレイヤーが600にレイズしてきました。次の3000点持ちのプレイヤーがオールインして皆ダウンで自分の順番です。
ライブのプレイであれば、JJの場合は、自分が優位に立っていると読めない限りはほとんどの場合マックします。QQの場合は、勝っているかもしれませんが、フォールドするかオールインするかはその時の状況によります。AAとKKではオールインして、AKならフォールドします。
 これがライブでの基準です。オンラインでは、微妙なポイントはQQではなくTTになります。レイズとリレイズのあとでもJJ以上ではコールしますし、TTとAKでも状況によってはコールすることを考えます。リリレイズがあった場合には、コールするかしないかの基準となるハンドはQQとなります。オンラインでは、3ベットがあれば、JJを降りることになります。
 オンラインでは、プレイヤーはどんなゴミ手でもレイズ・リレイズをします。JJを持っているとき、1人は下のペアを持っていて、もう一人はAKやAQときにはAJやATを持っているというときもあります。JJはこのマッチアップでも42%は勝てます。したがって、オンラインでは、非常に多くのハンドでコールすることが意味があることとなるのです。
オンラインではプレイヤーがよりルースにプレイするので、もちろんより自由にコールもできます。これによって、レイズがある場合にビッグペアでリレイズオールインすることが非常に魅力的になります。トーナメントの序盤にKKでレイズにリレイズした場合、AKと88にコールされたときは驚きました。彼らは自分がハイカード2枚でオールインしていると思ったのでしょう。どうしてでしょう?彼らがずっと見てきたことなのです。

<4/6追記>

 一方、ブラフはオンラインではあまり意味はあません。みなしごポットを取ろうとしないように言っている訳ではありませんが、ストレートやフラッシュを持っているかのようにプレイする際はより慎重でなければなりません。オンラインプレイヤーの多くは、トップペアと結婚していて、大量のダイナマイトの真っただ中にいても決して離すことができないのです。したがって、ターンで3枚目のフラッシュカードが出てオールインした場合には、コールされるだろうと思っていなければなりません。
 ストレートやフラッシュができたときには、強くベットすればそれだけ利益が得られますが、ブラフについては、命がけでやる必要があります。
 サンデーミリオンをプレイしている際、ときには自ら罠にかかるときもあります。最近のハンドですが、イベントの半分くらいを経過したとき、私はBBでテーブルチップリで15,000持っていました。ブラインドは、300-600A30で、アーリーポジションが1200にレイズ。彼の残りチップは8100です。20%のオッズがあればよいので、7c3cで600のコールをしました。フロップはTh7h2cでミドルペアとバックドアフラッシュドローです。チェックすると相手は3000のポットに900のベットしてきました。
 既に議論したとおり、たまにしか行われない弱いベットは本当に弱いハンドであることを意味しています。相手のプリフロップでのミニマムレイズはビッグペアの可能性もありますが、ストレートドローもフラッシュドローもあるフロップでの弱いベットは、この可能性を否定しています。相手は弱いハンドだと読んで、2700のレイズをすると相手はコールしました。相手のハンドは弱いと思っていたので、これには驚きました。ターンはQsで両方チェック。この一連の流れで私は相手が88や99のようなミドルペアと読みました。そこで、リバーでツーペアやトリップスができるか、ハートかストレートカードが落ちればオールインをすることに決めました。リバーはJhだったので、ストレートの可能性もフラッシュの可能性もあります。
 私は20秒考えてオールインしました。チップ量は相手をカバーしており、相手はコールすると飛ぶ可能性があります。相手は3秒考えた後コールしてKcJsを見せました!なぜ彼がフロップで自分のスタックの25%に及ぶチェックレイズにコールできたのか、謎です。これをコールできたのですから、リバーのコールは簡単だったでしょう!結局彼はペアができたのですから。このハンドの後、リバーでブラフすることを止めました。彼が私が読んだハンド(88-99)を持っていたとしても、彼はコールしたでしょう。
 ブラフを少なくして、ビッグハンドのときはオーバーベットしておけば、間違いありません。インマネまでは特にそうです。トーナメントが進行して相手の質が上がるに伴って、特定の状況で少しブラフすることが意味のある選択肢となってくるでしょう。
 上記の戦術によって、インマネまでチップを増やせるようになれれば幸いです。この幸せな状況を引き起こすために必要な新しい考え方をいくつか見て行きましょう。

(第1部完)

2 Endgame Strategy