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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

Daniel Negreanu's Small Ball(5)

ポーカー戦略

リバープレイ

リバープレイ序

 スモールボールブランドのポーカーをプレイするときには、多くの中途半端なハンドをプレイし、スタックのそれほど多くを投資することなくリバーまでたどり着くことが目的となります。もちろん、モンスターハンドが実際にできて、そのハンドの期待値を最大化するためにポットを大きくしたいような場合は別ですが。
 テーブルイメージは、いつもブラフしているんじゃないかと周りに疑われるようなものとなるため、リバーはブラフをすべきときではありません。スモールボールアプローチを取っている場合には、ブラフの頻度は、伝統的なスタイルをプレイしているときよりも低くすべきです。その主要な理由は、単に通常よりも多くのハンドをプレイしているので、相手がよりコールしやすい傾向にあるからというものです。世界的なノーリミットホールデムトーナメントのプレイヤーを見てみると、リバーでは、思ったほどブラフしていないことに気付くと思います。相手がリバーまでプレイした場合には、その相手はどのようなハンドを持っていても、最後まで見たいと思うようになるということを彼らは理解しているのです。
 ガスハンセンは、ワイルドでクレイジーなイメージを持つ典型的なプレイヤーです。しかしながら、彼のプレイを注意深く見てみると、92やT4でレイズするかもしれませんが、リバーではピュアブラフで多くのチップを無駄にするようなことはめったにないということに気付きます。テーブルイメージによって、ガスがリバーでベットする場合には、実際にいいハンドを持っていなければならなくなるということを理解しているのです。すなわち、彼は、より多くのアクションをできるイメージを作り出しているのです。ガスが最も成功しているトーナメントプレイヤーの1人であることは偶然ではありません。彼のアプローチは、非常に多くのメリットを持っているのです。
 これらのリバーの考え方を心に秘めながら、完璧な状況ではたまにブラフはできるでしょうが、基本的にはリバーとはワイルドで洗練されたブラフをするときではないということを理解すべきです。また、リバーは、強いハンドを持っているときは、最大限の価値を引き出し、必要以上のチップを減らすことを避け、自分のことを弱いと思っている相手からブラフを引き出すべきときなのです。

最大限の価値を得る

 スモールボールをプレイするときに避けなければならない重要な事項の一つに、ベット額によってパターンを読まれることがあります。例えば、ポットの60%をベットするときはブラフで80%をベットするときはバリューベットなどです。理論的には、誰もあなたに注意を払っていなければ非常にうまく機能しますが、実際には、老獪な相手はパターンを読んであなたからチップを奪い取ることでしょう。小さいベットのときにはブラフリレイズをし、あなたの大きなベットには強いハンドであってもフォールドしてしまうでしょう。
 利益を最大化したいようなハンドによってリバーでバリューベットを行う際の最善策は、ブラフをするときと全く同じ額をベットすることです。要するに、ブラフのベット額とバリューベットのベット額は、ほとんど同じ額であるべきだということです。
スモールボールの変形をやっていて、純粋にベットの額で強いハンドを持っていてより多くのチップを欲しいということがすぐにわかるという若いプレイヤーは多いです。

ハンドの例

 例えば、レイトポジションから250ドルにレイズして、ブラインドが50-100でBBがコール。フロップTcTs8cです。BBがチェックしたらORが350ベットしました。BBはコール。
 ターンは6dでBBはまたチェック。ORは900ドルベットしてBBはコール。
 リバーは2cでした。
 ポットは3050でORは6500のベットをしてきました。
 この章の前半で紹介したとおり、この少年は、2回ブラフをキャッチされていて、その場合のベットは、ポットの50%〜60%だということに気付いていました。彼は小さなポットをプレイしようとしていると分っていたので、このとき彼がモンスターハンドを持っていると確信していました。BBはAAを見せてマックしました。少年が1700〜2200ドルくらいベットすれば、BBは即コールしたでしょう。この少年は、大きな額を打ち過ぎて2000ドルくらいの余分な利益を失ってしまったのです。
 前にスモールボールについてブラックジャックの類似点を指摘しましたが、もう一度復習しましょう。ブラックジャックのカードカウンティングを知っていると思いますが、適切にカードカウンティングをした場合には、ブラックジャックプレイヤーはハウスに対して優位に立ちます。
 次のように要約されます。残っているカードにハイカードが多い場合は、プレイヤーに有利です。小さいカードしか残っていない場合は、ハウスに有利です。カードカウンターは、ベットサイズをカウントと残りのカードの高低のバランスによって変えていきます。残りカードがプレイヤーに有利であれば、ベット額を上げて、ハウスに有利であれば額を下げるのです。
 世界中でほとんどすべてのカードカウンターがつかまっており、そのうちの多くのカウンターが強欲すぎるために、すぐにつかまってしまいます。先ほどの例の大きな役(多分フルハウス)を完成させた少年も同じで、下手なカードカウンターは自分が有利な状況にあることをベット額を大きく変えることですぐにハウスに教えてしまいます。あなたがピットボスだったとして、最初10ドルで賭けていたプレイヤーが6ハンド後に500ドルで駈け出した場合、カウンティングをやっていると思うでしょう?
 気付かれないようにするためにベット額を小さく変えることがポイントなのです。したがって、10ドルからいきなり500ドルに代えるのではなく、20ドルに変え、勝ったら更に倍の40ドルと変えていくべきなのです。

正しいバリューベットの額

 トーナメントにおいては、small ballアプローチは、ナッツを持っているときでなければ、すべてのコストを投じて大きなポットを勝負することを避けることを主眼においているものです。通常は、ポットはリバーに近づくにつれて大きくなるので、リバーは危険地帯となります。実際にも、small ballは、ほとんどのハンドがリバーにまでたどり着かないときに、最もうまく機能しますが、リバーに行ったときでも、小さくベットしてもう一人がコールして終わるということが多いです。このアプローチの価値は、大きなバリューベットを危険な状況で行わず、微妙な状況で相手からちょっとずつチップを絞りとることにあります。また、めったにないナッツを引いたときには、大きなベットで相手を釣り上げることもできます。

実際には、small ballは、ほとんどのハンドがリバーにたどり着かない場合に最もうまく機能する。

 しかしながら、ナッツを持っているときや、確実にベストハンドを持っていると思っているときであっても、トーナメントを通して行っているsmall ballのベッティングパターンを変えてはなりません。ポット額より多くベットすることは避けるべきです。めったにないケースですが、ポットより大きくベットしたいようなケースもあるかもしれませんが、ほとんどの場合、バリューベットでもポットの額を超えるべきではありません。

 バリューベットの適正額を計算するポイントは、相手のハンドの強さを計算することにあります。相手のハンドが強いと思えば思うほど、より多くの額をベットすべきです。反対に、相手のハンドがNothingに近いと思えば思うほど、相手がバッドコールを正当化しやすいような額のベットをすべきです。極端な例では、たとえポットの10%であっても最小のベットをすべきときもあるでしょう。

 トーナメントにおいては、バリューベットの額は、あなたのベットが相手に与えるプレッシャーの強さを考慮に入れなければなりません。例えば、相手をオールインさせるようなポットサイズのベットした場合、相手は充てもなくトーナメントに残っていたいがために、コールすることができなくなるでしょう。このような場合、相手のチップの100%を賭けてトーナメントライフを瀬戸際に立たせるのではなく、相手のチップの75%位を賭けるのがよいかもしれません。このようにすれば、相手は、「自分がベストハンドを持っていると思う。間違っていても、まだ戦えるチップはある。」と思って、あなたは相手のチップの幾分かをもらうことができます。

 さて、3つの例を見て、どのようなサイズのバリューベットが最も有効か検証してみましょう。

ハンドの例1

ブラインドが100-200でUTGが600のレイズ、あなたはレイトポジションからAAで2100にリレイズしたところUTGはコールでヘッズ。
フロップは、2d2s6cです。相手はチェックしてきたので2500ドルベットしたところ、相手はコールしてきました。
ターンは8hでした。相手は4000ドルのベットにチェックコール。リバーは2cです。
相手はリバーでもチェックしてきました。あなたも相手も16000の残りチップがあります。ポットは17500です。
いくらベットすべきでしょう?
A:$4000
B:$10000
C:オールイン

ハンドの例2

 ブラインド50-100でボタンからAs8sでレイズしたところBBがコール。フロップは、Ks8d4cです。両方ともチェック。
ターンは5s。相手がチェックしたので400ベットしたところ相手はコール。リバーはKhです。
相手もあなたも10000以上チップがあってポットには1350あります。いくらベットすべきでしょう。
A:$1350
B:$550
C:$1000

ハンドの例3

 400-800アンティ100でアーリーが2400のレイズ、あなたはボタンから8c7cでコール。フロップはKd5c6d です。
相手は3000ベットしてきたところ、あなたはコールしました。ターンはAhで両方ともチェック。リバーは4cでした。
 4cによってナッツストレートができています。相手もあなたも50000チップを持っていてポットには12900あります。
 相手がチェックしてきたところいくらベットすべきでしょうか。
A:$12900
B:$8500
C:$4000

ハンド例1の解答

 Aは不正解です。この状況では相手が強いハンドを持っていてベット額を減らしてほしいと思っていることは明らかでしょう。ハンドのプレイの方法によって、相手が小さなポケットペアを持っていそうな様子なのでこの状況では4000ドルのベットでは小さすぎます。
 Bは正解です。10000ドルのベットは、ポットに比べて最適です。相手にプレッシャーを与えるほど大きくはないし、相手がコールして負けていてあなたの利益が増える可能性が増します。
 Cは不正解です。恐ろしいプレイではありませんが、相手がここでどのようなハンドを持っていそうか想像してみましょう。相手は多分KKのようなハンドは持っていません。相手が最も持っていそうなハンドは99~QQでしょう。オールインコールは、相手のトーナメントライフを奪うかなりリスキーなプレイで、相手にそのようなプレイを強いるのは、相手が負けていると教えることにもなりかねません。それは望んでいる結果ではないはずです。相手がフォールドしたら、間違ったベット額によって、相手がコールしてくれて得られたはずのバリューベットを失ったということになります。

ハンドの例2の解答

 Aは不正解です。中途半端なハンドでなぜそんなにベットするのでしょうか?相手がKを持っていてスロープレイをしていたら、不必要に多くのチップを失ってしまいます。また、ポット額のベットをすることで、相手がボトムペアやAハイでルースコールする可能性を消してしまうことになります。
 Bが正解です。一連の流れであなたも相手もそれほど強いハンドを持っていなさそうなので、ここで行うセカンドペア+Aキッカーでバリューベットは、非常に小さいバリューベットであるべきです。あなたのハンドがベストハンドである保証はないので、小さいベットをすることで二つの効果があります。

  1. 相手が勝っているときに損失を小さくできる。
  2. 相手がボトムペアやAハイなどの弱いハンドでコールする確率を上げる。

 Cは不正解です。この状況でポットベットするのと同じ理由で1000ドルもベットすべきではありません。負けている場合は、1000ドルのベットでは相手はフォールドしないでしょう。そうしたところで、TTやK3を見せられて多くのチップを失うだけです。微妙なハンドで小さなバリューベットをすべきで、オーバーベットして相手を釣り針から逃げさせて読みを台無しにしたくはないでしょう。あなたのハンドはベストハンドの可能性が高いので、そこから幾分かの利益を上げたいはずです。

ハンドの例3の解答

 Aは不正解です。相手はポットサイズのベットにコールできるほど強いハンドを持っているのであれば、ターンとリバーでチェックすると思いますか?相手はAやKを嫌っていてQQのようなハンドを持っているのでチェックしたのでしょう。そうでないとしても、KQのようなハンドを持っていて単にAを警戒しただけなのかもしれません。どちらの場合も、相手は、AKやAA、KKを持っていないと思われるので、リバーでのポットサイズのベットにコールするとは思えません。
 Bも不正解です。これまでの流れからして、相手がターンやリバーでベットできるような強いハンドを持っていないと思われます。このような大きなベットでは、相手がKQやQQを持っていた場合、自分のハンドが弱いということに気付いて針から逃がしてしまいます。
 Cが正解です。ポットの額に関わらずこのような小さいベットをすることで、相手がブラフをしているかどうか確認しようと思わせる適切な額を与えることになります。また相手がKQを持っていた場合、あなたがKのペア+小さいキッカーでベットしてきたと思わせることもできます。このベット額を選ぶにあたっての非常に重要な要素はただ一つ、めったにないケースですが、相手がAA、KK、AKでトラップを賭けてきている場合、相手がリバーの4000ドルのベットでは満足しないだろうということです。相手は12000ドルにレイズしてくるでしょうし、その場合、もう一度リレイズすることで相手のチップの大半を奪うことができるのです。

ベットするよりチェックが適切な場合

 リバーで利益を最大化することが、必ずしも、いくらベットすべきかということに係っているとは限りません。ある状況では、次のようになることもあります。:相手がベットにコールしそうか、それともチェックした場合はベットしそうか。基本的な状況としては、微妙なハンドか強いハンドを持っていて、相手がものすごく強いハンドを持っているかドローを失敗したと思うときがあります。このような状況では、リバーでベットしたとしても何もいいことはありません。相手が勝っている場合は、レイズしてくるでしょうし、相手がドローを引けなかった場合は、フォールドするだけなので。

ハンドの例

 強いハンドを持っていてベットをしたときよりも、チェックをした場合により多くの利益が得られるような例を見てみましょう。

10-20のノーリミットのキャッシュゲームをしていて、SBからAh3hでリンプしました。BBが60ドルにレイズしてあなたはコール。フロップは、AsTs4hです。チェックすると相手は予想通り80ドルのCBを打ってきました。あなたはコールです。
 ターンは4cで両方ともチェック。
 リバーは8dです。
 ベットかチェックがどちらがよいかは微妙です。どのようにすべきかは、相手がどのようなプレイヤーと読んでいるかによります。相手がブラフをしないプレイヤーで、JJ〜KKでバリューベットをしないと思っているのなら、相手がコールしてくれることを祈って120ドルベットすべきでしょう。
 しかしながら、ほとんどのプレイヤーはこのようなタイプではなく、QQのようなハンドでもバリューベットしないでしょうが、QJのようなハンドでブラフすることはあるでしょう。このようなプレイヤーに対しては、チェックがより利益を生むプレイになります。相手がベットにコールしない一方で、あなたがチェックした場合、弱さの表れとみて、フロップでやったようなブラフをもう一回やろうと思うでしょう。
 最終的には相手は、あなたがリバーで強いハンドでもブラフをしてもらうためにリバーでチェックをするということに気づくでしょうが、それはまた別の方法で利益をもたらします。相手があなたが良いハンドでチェックをすると気付いたら、バリューベットをすることに二の足を踏むようになるでしょう。この躊躇によって、ベットされた場合にはコールしようと思っている状況において、コストをかけることなくショーダウンまで行きつくことができることになります。

ハンドの例

 例えば、10-20のキャッシュゲームで、ミドルから相手が60にレイズ、あなたはAs4sでBBをプロテクト。フロップは、QsTh4hです。相手の80ドルのベットにチェックコール。ターンはTdで2人ともチェック。リバーは3c。
 この状況は、ベットすることが何の利益も生まない状況です。あなたがベストハンドを持っているように思えますが、相手にもチェックしてもらいたいでしょう。相手がJJを持っていたとします。ターンでTがペアになったので、T持ちにもQ持ちにも負けます。相手が150ベットしてきたらフラッシュやストレートを逃したAハイでベットしてきたと思ってコールできるかもしれません。相手が思慮深くあなたが勝てるハンドでもリバーでチェックするということに気付いていたら、あなたがコールした場合勝てるとは思えないので、バリューベットはしないでしょう。
これは実際にそうなってほしい状況です。相手がバリューベットをすることに躊躇してもらいたいでしょう。スモールボールをプレイすることは、ポットを小さく保つことに尽き、特に微妙な状況でポジションのないときはそうです。これらの状況はリバーでモンスターハンドを持っていてポットを大きくしたいときよりも頻繁に起こる状況なので、相手にリバーで慎重にプレイしてもらうのは、最も望むべき状況でしょう。
明らかなことですが、相手がバリューベットせずにリバーでチェックするようになったら、今度はあなたがバリューベットするようにすべきです。悲しいことに、相手はあなたに対してはバリューベットできないでしょう。PokerStars.comの実際のプレイにおいて、数々の例を見ることができます。

相手がバリューベットしない場合にバリューベットすること

 相手がアグレッシブで上手いということ以外何も知らないプレイヤーとヘッズアップしていました。最初の30分で、パターンが決まって行きました。リバーでトップペアやミドルペアでチェックすれば、相手は悪いハンドでバリューベットしてくるというものです。例えば次のような感じです。

ハンドの例

 J94のフロップでJTでチェックコールしました。ターンは2でチェックチェック。リバーは3です。相手がブラフすることを期待して、もう一回チェックしたところ、相手はブラフをせずにQ9でバリューベットしてきました。
 相手のプレイは全然間違ってはいません。リバーで彼がやったバリューベットは極めて普通のものです。しかしながら、お分かりのとおり、JTでチェックしていたことによっても、何もコストはかかりません。リバーでベットしていても相手はコールしたでしょうから。チップを賭けたとしても、私のプレイによって相手は何も明確なメッセージを読み取ることはできません。リバーでチェックしたからと言って私が何も持っていないとは限らないのですから。
 ポジションのないときにこのようなプレイスタイルを続けていたので、相手は最終的にはスタイルを変えてきました。それこそ私が望んでいたものです。私がリバーで慎重にプレイしてチェックコールする傾向を相手が掴んだことで、相手は戦略を変えて、普段ならするであろうバリューベットをしなくすることを余儀なくさせられました。この変更によって多くのリバーベットを避けることができ、ベットにコールする必要がなくなります。その後プレイしたハンドは次のようなものです。

ハンドの例2

 相手はプリフロップでレイズしてT8でコール。フロップはJT6。チェックしたら相手は小さなベットをしてきました。ターンは7でチェックチェック。リバーは6が落ちました。リバーでもチェックチェック。Tペアを見せると相手はKTでTペアKキッカーでした。本来ならバリューベットしている状況です。
 しかしながら、この戦略は、微妙な調整がなければ完全なものとはなりません。相手がリバーでチェックするよう誘導したことを知っているので、私は、今度は自分がリバーでバリューベットを若干頻繁にしなければなりません。スモールボールコンセプトに固執することで、あなたは、特にポジションのないときは、相手がポットを小さくするよう仕向けたいと思っているかもしれません。この結果、通常はポジションのないときには慎重に弱くプレイするということになりますがが、それはそれでOKです。目的は、ポジションのないときは損失を最小化して、ポジションのあるときは、利益を最大化することにあるのですから。

ディフェンシブベットについて

 ディフェンシブベットの目的は、本質的には、自分が勝っているかどうか分らないが、リバーでベットされたらコールせざるをえないような微妙な状況における損失を最小化することにあります。この考え方は、相手がベットしそうな額より小さい額をベットすることで、このようにすれば、相手が更に利益を得ようと思った場合にはリバーでレイズすることになります。しかしながら、たいていの場合は、相手はそれほど強いハンドを持っていないと思われます。たとえ相手があなたがディフェンシブベットをしているだろうと疑っていても、リバーでは、ナッツかそれに近いハンドを持っていなければコールするに留めるはずです。ディフェンシブベットを効果的に利用した例をいくつか見てみましょう。

ハンドの例

 50-100のブラインドで、あなたがBBのときに300にレイズされました。ハンドはAs8sだったのでコール。フロップは、Kd8d3cです。チェックすると相手もチェックしました。ターンは、6h。相手がKを持っていて罠をしかけているかもしれないので、チェックすると、相手は450ベットでコール。リバーは5dで3枚目のダイヤが落ちました。
 相手がリバーで大きなブラフベットをするようなアグレッシブなプレイヤーであったり、AKのようなハンドでバリューベットしてくるようなプレイヤーなら、フラッシュを持っていると見せかけてディフェンシブベットをする絶好のチャンスです。あなたがリバーでベットをすれば、相手は、フラッシュを引いたときでなければレイズできないでしょう。たとえ、キングのセットを持っていても、レイズはできずコールにとどめると思われます。しかしながら、あなたがリバーでチェックすれば、相手は、セットでポットサイズに近いベットをしてくる可能性が高いです。
 勝っているか負けているか分からないので、ここで一番やられたくないのは、リバーで大きなベットをされることでしょう。これを避けるためには、ディフェンシブベットが有効です。ここでのリバーベットは、ブラフになると言う訳ではありませんが、次の2点の効果が得られます。

  1. 相手の大きなブラフチャンスを奪う。
  2. よりやすいコストで勝負の結果を見られる。

 相手は、小さなベットでは勝っているハンドでフォールドすることはないでしょうが、フォールドさせることは、このベットの目的ではありません。ベットの目的は、ダメージを最小化するとともに勝っているかどうか分からない状況でリバーで大きなベットに直面することを防ぐことにあります。このベットによって決断がより容易になります。
 相手がレイズしてくれば、相手がリバーでフラッシュを引いたのだということでフォールドすればよいでしょう。リバーのディフェンシブベットをブラフだと思うプレイヤーもたまにはいますが、それほど多くはいません。さらに、このような相手にも対応するプランはありますが、それは後にしてもう一つシナリオを見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインド200-400で、ミドルポジションからJToで1000にレイズ。ボタンからタフなプレイヤーがコールしました。フロップは、KdQh4cでチェックすると相手は1800のベット。ドローでコールするとターンは2c。チェックすると相手もチェック。リバーは9dでした。
 9によってナッツストレートができ、ディフェンシブベット的なベットをするチャンスです。相手はAQのようなハンドをあなたが持っていると思うでしょう。実際のディフェンシブベットのラインは、2000ドルくらいでしょうか。このベット額はナッツを持っているときにするベット額ではありません。このような状況では、利益を最大化するようにもっとベットするのが通常でしょう。しかしながら、ディフェンシブベットのスタイルを把握しているアグレッシブプレイヤーは、あなたが既に持っているナッツを自分が持っていると見せかける絶好のチャンスと考えるでしょう!
あなたがAQやAKのようなハンドを持っていると思ったら、相手がリバーでレイズをすることも十分考えられます。相手のプレイスタイルからすると相手がナッツストレートを持っている可能性も高いですし、実際に持っていれば、6000か7000くらいのレイズをしてくるでしょう。
 相手が66を持っていたとしましょう。相手は、即座にポットを取るためにフロップでベットしましたがコールされ、あなたが何か持っていると思っているのでターンではチェックしました。しかしリバーでは、相手はもう一度ポットをスチールするチャンスが来たと思っているはずです。あなたのリバーベットがもう少し大きければ、このようなプレイは出来ません。チェックをした場合も相手はコールされるリスクを考えてブラフをしようとは思わないでしょう。この状況で2000のベットは完璧なプレイです。相手はKかQを持っていればコールするでしょうし、何もなくてもレイズする可能性もあります。
 ポーカー戦略に事実上関係してきますが、成功の重要な鍵として、相手が自分と自分のプレイスタイルをどう思っているかによって、自分のプレイ方法をミックスして調整する方法を学ぶということがあります。特定のハンドにおいて利益を最大化するには、ハンドを基本的に正しくプレイするだけでなく、相手についてよく知らなければならないのです。
 これが、ポーカーに関し極限の状況においてトラブルを抱える理由の一つです。あるベットがどの状況においても他のベットよりもすぐれているということはめったにありません。大半が相手によって左右されるのです。例えば、最後のハンドについて、相手がタフでアグレッシブなプレイヤーから弱くてリバーでよくコールするようなプレイヤーに変わったとしたら、この種類のプレイヤーには、ディフェンシブベットは愚かなプレイになります。その代わりにリバーで6000くらいのベットをして相手がKやQを持っていてコールしてもらうのがベストでしょう。ディフェンシブベットは、リバーでナッツを持っていなければレイズしないようなプレイヤーにとってはほとんど価値がありません。
 ディフェンシブベットは特にトーナメントでは重要な武器です。相手のポジション的な優位性を無効化し、リバーでのリスクを最小限にコントロールすることができます。しかしながら、ディフェンシブベットは、慎重に使ったときに最も効果的となります。正しい状況に使えば適切に機能します。いつ使うかを知るということが、経験によってもたらされるスキルなのでしょう。

リバーで強いハンドでフォールドすること

 ときには、リバーでベストハンドをフォールドするようでなければ、立派なポーカープレイヤーにはなり得ません。しかしながら、そのようなフォールドをできるということを他人に知られると、必要以上にブラフをされることになるので、長期的には困難な状況が増えることになって好ましくありません。反対に、コーリングステーションだというイメージを持たれた方がよいでしょう。誰かにコーリングステーションだと言われたら恥ずかしいことですが、そのイメージによって得られる利益は自意識よりもずっと大きなものです。コーリングステーションだと思っている相手は、リバーで芸術的なブラフをしようとはあまり思わないでしょう。このテーブルイメージは、コーリングステーションにブラフをしない相手だと知っている場合には、リバーでフォールドするのもずっと簡単になるでしょう。
 リバーで適切にフォールドするのが難しい本当の理由は、ポットがコールするのに十分な額に達しているということにあります。その額が思考プロセスにあまりにも強く影響してしまうと、絶対的に判断が曇り、しょうもないリバーコールをしてしまういい訳を並べ始める羽目になります。

数学的プレイヤー

 リバーでのバッドコールを正当化する典型的なプレイヤーのいい訳は、ポットオッズに合っていたというものです。そういうプレイヤーは、そのような状況では、自分が思っている以上に負けていることが多いので、ポットオッズが合っていないということに気づいていないことが多いです。「数学的プレイヤー」がポットオッズにリバーでの思考があまりにも強く影響されてしまったために、バッドコールをする例を見てみましょう。

ハンドの例

 数学くんが100−200アンティ25のときAc7dで600にレイズ。BBだけがコールしてヘッズ。フロップはKc4d4sでした。BBがチェックしたので数学くんは900のCB。BBはコール。ターンは9dで2人ともチェック。リバーは、6sです。BBが400ベットしてきました。これは以上に小さなベットで、もし相手がブラフしているのであれば、数学くんは3700のポットを取るのに400しかコストを要しません。これは、9回に1回ブラフであれば、コールすることが利益になります。驚異的なポットオッズですが、問題はここにあります。相手はA7ハイに負けるどのようなハンドでこのようにプレイするというのでしょうか。ドローはありませんし、数学くんが400のコールを正当化できる唯一の方法は、BBが純粋なブラフで強いハンドを持っていると装うためにリバーで非常に弱いベットをしたというものです。そのほかの可能性は、BBがAハイでディフェンシブベットをやったというものですが、その場合は、スプリットになるでしょう。
 価格が適正に見えても、実際は、A7ハイがベストハンドである可能性は、非常に小さいものです。非常に小さいので、9回に1回の割合でも、狂闘士的なブラフか引き分けしか望みがない以上適正な額とは言えません。これはめったにない極端な例ですが、コールが適切か否かを判断する際に、ポットオッズに不適切に影響されバカなコールをしないための要点を示してくれます。ポットオッズは常に重要な考慮要素ですが、繰り返しになりますが、コールするかフォールドするか最終的な判断をする際の唯一の判断要素としてはなりません。似たような状況を見てみましょう。

ポットオッズが状況を見誤らせるとき

 ブラインドが50-100でJJで250にレイズしました。ボタンがコールしてBBもコール。フロップは、Qh7s2sです。BBがチェックで800のポットに450ベットしました。ボタンがコールでBBがダウン。
 ターンは9dです。第2弾を撃ってポットを取ることにしました。1700のポットに900のベットをしたところ、またボタンはコールです。リバーはKsで非常によくないカードです。負けてる可能性が高いのでチェックすると、相手は1100ベットしてきました。ポットには既に3500あって4600を取るために1100のリスクを冒すことになります。JJがベストハンドであるべきオッズは4:1。
 「20%の確率で相手がブラフしていれば、このコールは正当化される。」と「最初に」考えるのはやめましょう。最終的にはそう考えなければなりませんが、まず第一に間違った理由からコールに向かうような考えを持つ習慣は断つことを強くお勧めします。
 そうではなくて、最初から勝負を検証しましょう。相手がボタンから単にコールするだけだった。どのようなカードを持っているでしょう。KQ、AQ、88、JsTs。明らかなことですが、どのようなハンドを持っているかは相手がどのようなプレイヤーかに依存します。次にフロップを検証してみましょう。相手はJのオーバーカードのある調っていないボードで3人プレイなのにコールしました。この時点で、相手のハンドはより絞られます。フラッシュドローを持っているかもしれませんし、ペアクイーンかもしれません。セットを持っているかもしれませんし、88のようなハンドで単にあなたより勝ってると思ったからコールしたにすぎないかもしれません。7c8cのようなハンドでミドルペアを持っているのかもしれません。これらすべてについて可能性があります。
 ターンでは、フラッシュドローや78のようなハンドからプロテクトするためにあなたはベットしました。相手がまたコールしたとき、相手がトップペアを持っていてあなたに勝っているかフラッシュドローを持っていると思わなければならないでしょう。ターンの9は、ストレートドローのようなアウトを増やしたかもしれません。
 リバーは悪夢のようなカードです。もう一枚のオーバーカードにスペードです。この時点で相手が最も持っていそうなハンドを1)ペアクイーンか2)フラッシュにより絞れます。
 フラッシュカードが出て相手がベットしてきた場合、その額も確かな考慮要素ではありますが、JJでは勝てないと90%は思った方がよいでしょう。リバーのコールで10:1のオッズがなければ、ポットオッズが合うように思えたとしても、フォールドすべきです。
 相手のベット額は、コールしてもらいたいバリューベットのように思えます。相手はフラッシュかKQのようなハンドを持っていてあなたがペアを持っていてコールしてもらいたいのでしょう。いずれにしてもここでコールするのはミスです。確かにリバーでこのようなブラフをできるプレイヤーは少なからずいますが、ここはヒーローになることに挑戦するよい状況では到底なさそうです。むしろ相手がブラフをしていたら、リバーのベットは、ずっと大きくなって、ポットオッズに合わない額になるでしょう。相手はあなたがJJを持っているとは知らず、AQのようなハンドで下ろそうとしているのであれば、もっと大きなベットが必要だと考えるはずです。
 常識を働かせてリバーでフォールドすることはできますが、大抵の場合、相手の傾向を把握していない微妙な状況では、賭ける側を間違えることがほとんどです。リバーでフォールドするポイントは、相手のリーディングにあります。知識がなければ、魅力的なモンスターレイダウンをしたつもりが、全然知らない相手に対して愚かな行為になってしまうことになるでしょう。

リーディングに基づいて素晴らしいフォールドをすること

 最近PokerStarsの25-50でこのようなフォールドをしましたが、疑問視する人が多かったです。

ハンドの例

 よく知っているタイトプレイヤーがUTGからリンプしてきました。ボタンもリンプしてSBから私はQc8hでコール。BBはチェックで4人プレイ。フロップは、QhQd4c。チェックするとボタンまでチェックで回り、誰でもするようにボタンが150ベットしてきました。私は自分がベストハンドを持っていることは明らかだと思っていましたが、この状況を夢のような状況とは思っていませんでした。他のプレイヤーがQを持っていれば自分よりキッカーがいい可能性が高いので。そこで、コールすることによって、他のプレイヤーのアクションから情報を得ることにしました。BBはフォールドしてUTGからリンプしたプレイヤーがコールしてきたので不安になりました。
ターンTsでチェックすると皆チェックしました。リバーはJdです。
ベットしたとしても私より弱いハンドを持っているプレイヤーがコールするわけないので、チェックして他のプレイヤーの状況を見ることにしました。さらに、Jは、89でもAKでもJJでも負けてしまうので、私にとっていいカードではありません。UTGが650のポットに400ベットして、ボタンがフォールドしました。さて私の番です。レイズするなどということは全く頭をよぎりませんでした。ポットオッズは2.6:1であまり重要な考慮要素にはなりません。注意したのは状況とフロップでのオーバーコールとリバーでのベット額です。そのプレイヤーをよく知っているので、彼がフロップでオーバーコールをしたので彼は強いハンドを持っているということは確信しています。また、彼がこのような状況でブラフをすることはほとんどないということも知っています。
たとえ私がトリップスを持っていても、このような小さいポットでは強いハンドのように思えますし、負けるハンドの範囲は非常に限られています。スプリットの可能性もなかなか考えにくいです。この特定のプレイヤーは、QTより悪いハンドでは決してリンプしてきません。
考えられるのはAAかKKです。プリフロップでこれらのハンドでリンプすることは大いに考えられますが、私は相手の傾向を知っているので、このようなハンドでリバーでベットすることはないということも分かっています。ベットしてくるとしても250か300程度のベットでしょう。フォールドすると、相手はAQを見せました。
 状況と相手の持っているハンドの範囲がとても狭いという事実に基づいてフォールドする状況とはどのようなものかこの勝負によってよく分かります。ポーカーのゴールは、相手の持っているハンドを広大な範囲のハンドからで特定のハンドに推測できるような地点に到達することです。ハンドの範囲をより狭く絞れれば絞れるほど、ポットオッズに基づいていいフォールドをすることが容易になります。例えば、相手が100ドルの程度のベットをしてきたら、たとえ負けていることを確信していたとしても、自分の確信が間違っているとして、このベットにコールしていたと思います。

癖に基づくフォールド

 癖や癖を見抜く能力を決して過小評価してはいけません。相手そのものや、相手の体、目、体がどう動いているかに少しだけ時間を費やすだけで驚くべき効果を上げることができるでしょう。すべてのプレイヤーについて癖を把握するのは簡単ではありませんが、ハンドの強さについて非常に分かりやすい情報を発信しているプレイヤーもいます。それを見つけたら、負けてるハンドで支出を増やすのではなく、ボトムペアでブラフをしてチップを獲得することができるようになります。
 しかしながら、癖に基づきフォールドすることは、プリフロップ、フロップ、ターンで何が起こったかなど勝負におけるその他すべての情報を吟味した後にすべきだと考えます。また、プレイヤーのベッティングパターン、状況、ポットオッズなどもチェックしなければなりません。このようなすべての情報を吟味した後で、身体上の癖を探しましょう。混乱するかもしれませんが、何をチェックすべきかの助けになると思われます。初めのうちは魔術のように何かが見えるようになるということはないでしょう。それでもある勝負の前に何か気付くこともあるかもしれません。
 癖はプレイヤーによって異なるため、口を覆っていたり、歯を食いしばっているプレイヤーをただ探しても、その前にその光景を見てその意味するところを知っているのでなければ、あまり意味はありません。極端な例としては、ガムを噛んでいるプレイヤーが急にガムを噛むのをやめたとします。彼がブラフをしていると思うかもしれませんが、何に基づいてそう判断できるのでしょう?その前に彼が同じことをしていましたか?ブラフをしているときにそうしていましたか?いつもそうするのですか?注意することが非常に重要なのはこのためです。癖を読むことは、個々人がその人特有の癖を持っているので、信頼性の高い科学ではありません。自分が探しているものが何か分かっていないのなら、目に見えるものは必ずしも意味のあるものにはならないでしょう。
 例えば、最近年配のフランス人の紳士とトーナメントでプレイしました。彼は、リバーでベットをし、私は彼をしばらくじっと見ていました。彼は非常に快適そうで、明らかに体が弛緩していたので、負けていそうではありましたが、相手を読むことができませんでした。しかしながら、私は次の2つの理由からコールしました。
1.情報を得るため、
2.相当強いハンドを持っていたため、
 それで、同じフランス人がその後の勝負でまたリバーでベットしました。しかし、今回は体は強張り、フロップをジッととみており、非常に落ち着かない様子でした。相手のプレイヤーはフォールドしてフランス人はブラフを見せました。1時間後、私はまた彼と勝負するチャンスを得ました。リバーまでチェックをして、リバーで彼はポットベットをしました。既に彼に関する情報はインプットされていたので、ハンドだけでなく、身体上の癖に基づいて決断を下しました。私はボトムペアでしたが、相手は私も押し出そうとしているように感じました。相手を見ると、見返してきません。体は強張っていてまるで石像のようです。コールすると相手はハンドをマックしました。
 このような勝負は、ポーカーの最も魅力的な側面の一つでオンラインポーカーとライブポーカーを明確に区別する点の一つです。明らかなことですが、このフランス人プレイヤーは、私にコールしてもらおうと癖を逆に使っている可能性もありました。それはそれで一つの技法です。癖を利用したゲームをプレイすることは初心者やオンラインプレイヤーには簡単なことではありませんが、何をすべきか明らかでない極限状況では、より効果的な情報をもたらし得ることも確かです。フランス人の友人は、非常に信頼できるプレイヤーでした。

ハンドの例

 20分後私はKKを持っていて、963のフロップでベットしました。フランス人はコール。ターンでAが落ちました。
 チェックすると相手はベット。相手を見ると微笑み返してきました。フォールドすると相手はA6のツーペアでした。
 最初の勝負では、相手の癖の信頼度が高くなかったので、誤ったコールをしてしまいましたが、一旦何かを掴んだら、相手に対してそれ以降は完璧なポーカーをすることができます。
 癖を見つけることが過大評価されているという人は、プレイヤーとしての潜在能力を限定してしまっています。確かにそういう人はいますが、もしあなたが癖に注目するなら、必ず驚くべき結果が得られることになるでしょう。

正しいリバーベットの計算

 リバーベットをどのくらいの額にすべきかを計算するか、チェックをするのが適当かどうか判断するためには、ハンドリーディングのスキルは不可欠です。相手が何を持っているのかあたりをつけることで、どのくらいのバリューベットならコールしそうか、また相手がドローを引けなかった場合にどのくらいのブラフベットが有効かなどを把握することができるのです。
 相手がドローを引けなかったと思うような状況において、ブラフをしようとする場合には、ベット額はより少なくするべきです。あなたが間違っていて相手がドローを引けなかったケースでなかった場合には、ブラフに必要な額以上の額のチップを失わないようにするためです。例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインド50-100のときに、レイトポジションから44で250にレイズしました。SBがコールしてヘッズアップ。フロップは、8h9s9hで、SBはチェックしたので400ベットしたらSBはコールしました。ターンはKcです。SBがまたチェックしたので、相手がドローを引きにきている可能性もあるので、もう一度ベットすることにしました。650ベットすると相手はコール。相手は、フラッシュドローかJTのようなドローを持っているように推測されます。ターンで相手はレイズしてこなかったので、9を持っている可能性は低いです。このシナリオでは、ターンでのベットが最後のベットになるでしょうが、リバーで4が落ちない場合には、もう一回バリューベットすることになるでしょう。
 しかし、リバーは8dでペアが消えてしまい、あなたのハンドはボードになってしまいました。相手がチェックしたので、相手のハンドもボードだと考えています。ここでベットすればポットの半分をスチールすることができます。2700のポットなので、相手が想定どおりのハンドを持っているのなら、大きなベットは必要ありません。相手のベストなシナリオはポットを分けることとなるので、ベットにコールすることは非常に難しいでしょう。あなたの読みが正しければ、事実上どのようなベットであってもこのポットを取ることができます。しかしながら、ターンでのベットより小さな額のベットであれば、相手があまりにもコールしたくなると思われますので不適当です。ターンより少しだけ大きいようなベットであれば、相手がAハイでもフォールドするでしょう。800くらいのベットがちょうどよいでしょう。2700のポットにこのようなサイズのベットは、妥当なバリューベットです。同時に、あなたの読みが間違っていた場合に、損失を最小限にするちょうどよい大きさのベットとなります。

異なる角度からシナリオを再検討

 さて、同じシナリオを少し違う角度から見るとどうなるでしょうか。詳細はすべて同じとします。あなたはまだ相手をドローだと思っていますが、今回は、あなたがA9を持っていてフルハウスを持っています。間抜けなベットに見える400くらいのベットをするのにちょうどいい機会です。400だと、相手はボードでもコールするには十分だと考えてコールするでしょう。このような間抜けなベットを弱さの表れだとして、ブラフでチェックレイズしてくれるかもしれません。
 前述のとおり、このような間抜けに見える適正なベット額を決めるときは、相手が持っていると想定するハンドの種類に大きく依存します。相手が8やKを持っていると思ったり、相手が自分のことをいつもブラフしていると考えているようなプレイヤーなら大きなバリューベットが適切でしょう。このシナリオでそのようなプレイヤーに対しては、1200〜1400くらいのベットがちょうどよいと思われます。

状況を把握する

 世界レベルのぷれいやーは、リバーにおいてチェックするのかベットするのかどちらがよいか状況を把握するのが非常に得意です。ハンドリーディングのスキルを活かして相手が何を持っているかに基づいて最も成果を上げるベットを行うことにも長けています。この相手のハンドを特定するスキルは、リバーでいくらのベットをするか又はチェックがよいかを決定する際に最も重要な要素となります。ポーカーは、「さて、トップフルハウスを持っているから利益を最大化したいので、ポットと同額をベットするのがよいかな」というほど単純なものではありません。このように考えると、相手がもっと小さなベットであればコールしていた状況下で追加的な利益を失うことになります。
 例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインドは25-50でプリフロップでアーリーポジションのプレイヤーがリンプ、あなたはレイトポジションから88でリンプしました。ブラインドはコールで4人プレイ。フロップは、JhTs4hでした。全員チェックしたので150ベットすると、リンパーがコールでヘッズアップ。ターンはTdで相手はまたチェックです。あなたは相手が最も持っていそうなハンドはドローだと判断して、375ベットしました。相手はまたコール。リバーは6dで相手はチェック。
 この時点であなたは88がベストハンドだと思っています。リバーではどのようにするかは、相手の読みにかかっています。全く読めないのであれば、相手も何も持っていないことを祈ってチェックするのが最も安全で最も論理的なプレイです。しかしながら、相手について情報があるのであれば、状況が少し異なります。例えば、
・相手がトリッキーだと知っていれば、リバーはチェックすべきです。
・相手がおとなしくプレイする傾向にあるのであれば、相手がJを持っていてチェックしている可能性もあるので、リバーではチェックすべきです。
・相手が自分が頻繁にブラフをしてくるプレイヤーだと思っていて、フラッシュドローでベットしていると考えていそうであれば、88でバリューベットすべきです。500のベットであれば、この状況でAハイでもコールしてくれるでしょう。例えば、相手が6h7hであれば、リバーのベットにコールする可能性が高いです。
 このように、ベットすることが意味があるか否かは、完全に相手のハンドに対するリーディングで決まります。もうひとつ例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインド100-200でミドルポジションからAc7cで500にレイズしたところ、BBがコール。フロップは、Qh7h4cでBBが800ベット。相手が何を持っているかまだ分かりませんが、安全なアプローチを取ることにしてコールしました。ターンは2cで7ペア+バックドアフラッシュドローになりました。
 相手が1800ベットしてきたので相手がQJやKQを持っているのではないかと思っています。コールしたところリバーはAhです。
 引いたとは完全には言えませんが、ツーペアになったのでいいカードではあります。フラッシュの可能性も出てきましたが、相手にとっても怖いカードのはずです。ポットには6300あって相手は30000のチップを持っています。相手がチェックしたのでアクションはあなたの番です。

分かっていること
  1. 相手はQのペアを持っていることは明らかです。確信しているとまでは言えませんが、そう見えます。
考えなければならないこと
  1. 相手が勝っている可能性はあるでしょうか。それであればチェックしなければなりませんが、弱気に思えます。相手がセットを持っていたり、フラッシュを完成させたりリバーでツーペアを完成させたのに、チェックしたとは考えにくいです。
  2. このプレイヤーはビッグベットでもコールできる種類のプレイヤーでしょうかそれともビッグベットだと恐れてしまうプレイヤーでしょうか。大きすぎるベットは、ブラフではないかと疑っていてもほとんどのプレイヤーを怖気づかせます。
  3. このプレイヤーはあなたが何を持っていると思っているでしょうか。
  4. 相手がコールせざるを得ない最大の額はいくらでしょうか。
  5. 相手がフラッシュを作っていて、チェックレイズをした場合どうなるでしょうか。このような場合には、あまりベットしたくないはずです。

 2000〜2600くらい多分2200が適当な額でしょう。相手があなたがストレートドローで打ってきていると思ってくれれば、ポットを取ることができるでしょう。望みが薄いベットに思えるかもしれませんが、より大きなベットではほとんどのプレイヤーに対して長期的な利益は最小化されてしまいます。ポットの3分の1くらいをベットすることで、相手が負けているだろうなあと思っていても「オッズコール」をさせることが可能になります。ポットが大きな場合に、望みの薄いコールをすることを正当化するプレイヤーは驚くほど多いのです。

 要は、正しいリバーベットを計算することは、あなたのハンドと相手を読むスキルに大きく依存しているということです。この観点からゲームがうまくなればなるほど、より多くのトリッキーな状況でもプレイできるようになります。リバーで「簡単」な状況になった場合に、ベットの適正額を計算する能力を向上しなければ、ディープスタックのノーリミットゲームにおいて成功することはできません。

微妙な状況でチェックすること

 トーナメントでは、ノーリミットのキャッシュゲームのプレイとは少し違ったプレイをする必要があります。重要な調整のひとつにリバーにおける微妙な状況でバリューベットをして相手を締め出すのではなくチェックをした方がよいというものがあります。この法則は、ポジションがあるときでもないときでも当てはまります。いずれの状況も検討しますが、まずはポジションのないときから始めましょう。リバーで大きなポットを失いかねないようなプレイをしないために、幾分か価値を犠牲にした方がよい例について検討します。

ハンドの例

 ブラインドは50−100で最初のポジションのプレイヤーが300にレイズ、レイトがコールであなたもBBから4d5dでコールです。フロップは6c7dQcでオープンエンドストレートドロー&バックドアフラッシュドローになりました。チェックするとレイザーが550のベット、レイトがコールであなたもコール。この時点では誰もが15000のチップを持っています。
 ターンはKdです。あなたはフラッシュドローになりました。レイザーが強いハンドを持っているのではないかと思い、セミブラフをやるのはやめてチェックしました。レイザーは1800のベット、レイトがコールでオッズが非常に良くなったのであなたもコール。
リバーは8cでストレートができました。
8はいいカードですが、明らかなことですが、オフスートの方がずっと良いカードです。オリジナルレイザーがドローでベットしていたのでなければ、あなたが勝っている可能性が極めて高いです。しかしながら、本当に危険なのは、ずっとコールし続けていたもう一人のプレイヤーです。フラッシュドローやT9のインサイドストレートドローでついてきていて、ターンでダブルベリーバスタードロー(Jか8でストレート)になっている可能性もあります。
 ポットはこの時点で8000に達しており、50−100のブラインドでは非常に大きなポットになっています。あなたはポジションもなく、相手から情報を得る前にアクションをしなければなりません。
 既にディフェンシブベットという武器について学習しています。若干危険ではありますが、ここでその選択肢を採用するということもありえます。相手がどのようなプレイヤーかよく知っている必要があります。このような状況でリバーのブラフレイズをやるようなチャンスを与えてはなりません。最も安全なプレイは、特にトーナメントでは、リバーでストレートを引いたとしてもチェックです。相手もチェックしてくれることを祈りましょう。どちらかのプレイヤーにリバーでベットされた場合には、難しい状況での判断を迫られることになります。誰もベットしなければ、相手が自分より弱いハンドでコールするようなプレイヤーで幾分か余分に得られたチップをふいにしたとしても、そこで勝利ハンドを見せればよいのです。
 この状況では、あなたは2つの選択肢を持っています。ディフェンシブベットとチェックです。チェックして、最後のポジションのプレイヤーがベットした場合には、非常に難しい決断を迫られます。あなたはストレートを持っていて、相手がブラフをしているのかあなたより強いハンドでバリューベットをしているのか見極めなければなりません。この状況でリバーでバリューベットのできるハンドで、45のストレートで勝てるハンドはあまりありません。大きなストレートかフラッシュかブラフかあるいはセットくらいでしょう。しかしながら、セットについては、ターンでレイズがなかったので一番可能性が低いです。3人参加の勝負でドローが見えているボードで、セットを持っているプレイヤーの大半がセットをプロテクトしようと思いますので、実際のところあなたが勝っている可能性はブラフのときしかありません。
 問題は、どのようなハンドを持っているときに相手がフロップ・ターンでコールして、リバーでブラフしようと思うかという点です。QやKを持っているなら、チェックするでしょう。この状況でブラフをするには、89のようなストレートドローでリバーでペアをキャッチしたというようなものくらいでしょう。8dTdというのも考えられます。
 この勝負に深入りするには、リバーで臨む結果がチェックで回ることだということが明確でなければなりません。実際に、相手のハンドが読めるのであれば、相手がベットによって必要な情報は得られるので、この状況はディフェンシブベットをして無駄なコストをかける必要のない状況です。

考察:リバーでポジションのあるときとないとき

 リバーでバリューベットをするのは問題がある場合でポジションのないときにプレイする際には、特にトーナメントでポットが大きい場合には、いつも注意深くプレイする必要があります。アグレッシブなプレイヤーの中には、リバーで薄いバリューベットをして利益を最大化しようとする者もいますが、長期的にはこのようなベットは、チップを浪費する結果になることが普通です。
 一つの考え方として、リバーで微妙なハンドを持っていてベットされてもコールするつもりなら、その額を先にベットして相手からブラフをされないようにするということも考えられます。また、もっと重要なことですが、微妙なハンドでリバーでポジションのないときにベットするときには、弱さを感じ取られたり騙してやろうとする相手からブラフされる危険を冒すことになります。small ballのゴールは、ゲームを幾分か単純化することで、クレイジーでワイルドなリバープレイをする代わりに、トラブルを減らすためにより受動的な線を選択するものです。
 ポジションがあって相手がチェックしてきた場合には、状況が変わります。この時点では、ベストハンドを持っている場合には、ハンドを見せてポットを取るということもできます。チェックすることで、ブラフされたり下ろされたりする可能性はなくなるのです。

リバーでの5つの重要な質問

 ポーカーテーブルで行われるいかなる決断についても、アクションを行う前にいくつかの重要な質問を自分に問いかけなければなりません。特定の状況においては、例えばポジションのある場合に微妙なハンドでバリューベットをすべきかどうかなど、アクションを起こす前はいつでも次の5つの質問について自分に問いかけることが重要です。

1.相手がコールするか否か。

 リバーでバリューベットをするか決定する前に、そのベットが価値のあるものか否か考えなければなりません。言い換えれば、相手がリバーでそのベットをコールするようなハンドを持っているかどうかということです。この質問に応えるためには、勝負の詳細を思い出し、相手がどのようなハンドを持っているか推測しなければなりません。
 次のステップは、相手の傾向を推測することです。相手はコーリングステーションでしょうか?それとも上手いいプレイヤーでしょうか?どのタイプのプレイヤーだと思いますか?アクションの前に、まずは大まかに何%くらいの確率で相手がリバーのベットに対して悪いハンドでコールするかを考えなければなりません。その確率が非常に低ければ、チェックがベストプレイになるでしょう。

2.相手はリバーでチェックレイズができるプレイヤーか否か。

 この質問に答えるためには、記憶を探って相手のこれまでのベットを思い返さなければなりません。チェックレイズをしたことがありましたか?トリッキーなプレイヤーですか?いったんこの2つの質問に答えたら、ノートを比較することができるようになります。例えば、悪いハンドでコールすることがないがチェックレイズはするプレイヤーであれば、ベットするのは誤りとなります。他方、相手がチェックレイズを決してしないようなコーリングステーションなら、ベットすることが非常に大きな価値を生むような状況であると言えます。

3.相手があなたを負かすようなハンドでチェックしているか否か。

 もう一度相手のタイプを思い返さなければなりません。相手がリバーでは弱気にプレイするプレイヤーかバリューベットをしないことはめったにないプレイヤーか。相手があなたをブラファーだと思っているか否か。もしそうなら、相手はトップペアでチェックしてあなたにブラフさせることでより大きな利益を引き出そうとしている可能性があります。相手が強いハンドを持っていてもしばしばチェックするようなパターンをこれまで見てきましたか。もしそうであれば、あなたが相手にとってのバリューしかないバリューベットをするのを待っている可能性が高いので、望みの薄いバリューベットをすることは控える必要があります。

4.リバーでチェックレイズブラフをするようなプレイヤーか否か。

 相手の弱さを探知したり、あなたが薄いバリューベットをしていることを探知できる強いトリッキーなプレイヤーに対しては、そのようなベットを行うことは極めて危険です。チェックしていたら取れていたポットを失う可能性があります。David Chiuがナイアガラの滝でのWPTのイベントで、このようなプレイを若い新人のインターネットプレイヤーに対して行っていたのを見たことがあります。Davidはその時点まではタイトにプレイしていてGenius28(そのインターネットプレイヤーのスクリーン名)はそのことを知っていました。

ハンドの例

 Genius28は、プリフロップでレイズしてDavidはSBからコール。フロップ4s5c7sでDavidチェックでGenius28はKQoでベット、Davidはコールしました。ターンはKdで2人ともチェック。Genius28は、セットを持たれているのではないかと警戒していました。
 リバーはQsでGenius28はトップ2ペアになりました。
 Davidがリバーでもう一度チェックしたのでGenius28は、ツーペアでバリューベットをしました。Davidは、少し彼を見て、相手がバリューベットをしていることを感じ取ったのだと見受けられました。しかしながら、チェックレイズされたら、若い相手はDavidのイメージとこれまでのプレイスタイルに基づくと、コールするのは非常に困難になると分っていたのでしょう。DavidはチェックレイズしてGenius28は少し考えた後2ペアを見せてフォールドしました。
 Davidは、若者を見て「あなたがいいプレイヤーだと知っていたからこのようなプレイができた」と言ってAsJcを見せました。その若者がリバーのベットをしたのは間違いだと思いませんが、明らかに知的で思慮深い洗練されたプレイをすることができるプレイヤーに対してバリューベットをすることは危険なボードです。小さなポットを得る代わりにGenius28は、リバーベットに使った余分なチップと合わせてポットを失うことになったのです。
 ここでの教訓は、トリッキーなプレイヤー、特に最悪なハンドではコールしないが弱さを探知した場合には、ポットをスチールできるような成功したプレイヤーには本当に警戒しなければならないということです。

5.ベットするに値するか。リスクを取る必要があるか。

 この質問は本質的に他の4つの質問を総合するものですが、テーブルの構成の観点からチップ量、その他のすべての重要な要素と合わせて導かれるものです。ここで言っていることは、微妙なプレイをする必要が本当にあるかどうかということを計測するということです。または、チップを投資するより良い確率の高いプレイを待てるだけのテーブルの支配権を持っているかどうかということです。
 例えば、テーブルが高速道路の強盗からうまく逃れられるし、ポットをスチールすることが簡単にできるような状況なら、より小さなリスクで相手を上手く負かすことができるので、微妙な状況において、リバーで薄いバリューベットをしなければならないと心配する必要はないでしょう。チップ量についても考えなければなりません。単純に自分も相手も十分なチップ量を持っているのであれば、相手に対して薄いバリューベットをして危険を冒す必要があるでしょうか。また反対に、薄いバリューベットが自分のチップの大半を占める場合であっても、そのようなチップを賭けることは避け、チェックすることがより重要になると思われます。すなわち、貴重なチップを守るだけでなく、弱いハンドでバリューベットせざるを得ないような状況でチェックレイズされることを避けるべきだということです。
 一般的に、バリューベットをするためのチップがより貴重になればなるほど、より安全な道を選んでチェックしなければならないということです。
 ノーリミットホールデムのトーナメントにおいては、ポジションがあるか否かにかかわらず、より安全な道を選ぶことが長期的な成功につながる秘訣です。Small ballの考え方は、チップの大半を賭ける難しいジレンマに陥らないよう、リバープレイにおけるより単純なアプローチを示しているのです。

ブラフ

 リバーでのブラフは、Small ballの武器の大きな部分ではありませんが、特に相手があなたがリバーでは慎重で素直にプレイすることを好むということを知っている場合には、ブラフが有効な状況もあります。実際には、相手が少なくともあなたのリバープレイのアプローチについて少しでも知識がある場合でなければ、完全なブラフをすることは避けなければならないでしょう。
 リバーでブラフをするのに適したターゲットは、あなたのことを完全に理解しているような知的なプレイヤーです。このようなプレイヤーは注意深くプレイし、あなたが大きなポットに参加するものの、リバーでチップを賭ける場合には、ベストハンドを持っていることが多いということに気づいています。若くて優秀なプレイヤーが増えれば増えるほど、高いレベルで物事を考え、リバーで強いハンドでも、フォールドするプレイヤーが増えてきています。特にすべての戦略が多くのハンドで参加し、ワイルドなイメージを作り出し、クレイジーなプレイヤーだと思わせることでリバーで相手からチップを引き出そうとすることで構成されているsmall ballのプレイヤーに対してはそうです。この利益の最大化は、リバーにおいて混乱したプレイヤーが中途半端な状況で大きなベットに対し、「コールしなければならない、彼は全ハンド参加しているのだから」と言ってコールしたときに起こります。
 個人的な話ですが、私Daniel Negreanuの戦略の微修正は、私の本を読んだり、TVやYoutubeで私のプレイを見た若いプレイヤーが私の罠に引っ掛からなくなって、幾分困惑せざるを得なくなったときに行われたものです。このようなプレイヤーは、私に対してはフロップでアグレッシブにすることで対処法を学んでいます。もし私がターンやリバーで大きなレイズやベットをしたときには、彼らが強いハンドを持っていても、その時点で私のようなプレイヤーが大きなポットをプレイすることを選択することを選んだことから、私の方がより強いハンドを持っていると正しく認識するのです。
 しかしながら、戦略の微修正については、これらの対抗手段となるものです。この戦略の微修正は、small ballの原則の大半と反するもので、決してブラフをしないという戦略に従いつつ「自分はワイルドなプレイヤーだ」というイメージを作るというSmall ballの標準的なゴールよりも、より多くの注意力とスキルを要します。
 私に対して大半のプレイヤーが行っている修正は、私に対してより大きなポットをスチールするチャンスを与えていることに気がつきました。このアプローチを成功させるトリックは二つの要素から成り立っています。まず、信憑性のあるブラフを行うということと、次に、それほど多くは行わないかドライに遂行するということです。
 相手のハンドを読む能力は、ブラフを成功させるための最も重要な要素です。相手のハンドの強さを測れないのであれば、ブラフがいつ機能するか分かりません。優秀なブラファーは、弱さを探知して相手が信じられるようなプレイを行えるプレイヤーです。リバーでブラフを成功させるもう一つの鍵は、ベット額です。リバーでのブラフは、バリューベットとほとんど同じ額でなければなりません。ベットが小さすぎれば相手は適正額だとしてルースコールするでしょう。ベットが大きければレイズを疑われることになります。ブラフの場合、相手にコールしてもらいたいと思っているときにしているプレイ方法を全く同じだと思われなければなりません。
 例を見てみましょう。この勝負は、18歳のAnnette Oberstadが優勝した2007年のWSOPEでありました。私はGus HansenやPatrick Antoniusのようなプレイヤーがいるアクションの多いタフなテーブルにいました。

ハンドの例

 ブラインドは1200−2400でGus HansenがUTGから6000にレイズ。Gusはすさまじいチップ量を持っていて、非常に多くのハンドで、すべてのポジションから多くのポットにレイズするイメージを作り上げていました。私はそこそこのスタックを持っていてボタンからJc9cでコールしました。
 フロップはKsTd5dでGusは8000のベット。私はGusが強いハンドを持っているとは思わなかったので強さを示せばGusがフォールドすると思いました。22000にレイズすると、Gusは少し考えていたので、いつもより強いAQやAJのようなハンドを持っていてポットオッズを計算しているのだろうと思いました。それかKより小さいペアを持っていたのでしょう。最終的に彼はコールしました。
 ターンは4dで、2人ともチェックしました。Gusは私がフロップのフラッシュドローでリレイズするようなプレイヤーではないと知っているので、ここでのベットは疑わしすぎると考えました。また、Kを持っていても私はチェックをしているでしょう。
リバーはラグの8cでした。Gusはまたチェックして、私はKQのようなハンドを持っていると思わせてGusからポットをスチールしようと考えました。彼はKに勝てるハンドを持っているとは思えませんでした。しかしながら、ブラフをする前でも、過去のハンドと彼が私に対して抱いているイメージはあまり判断の助けにはなりませんでした。Gusは、私がリバーでブラフをしないということを知っています(実際正しいのですが)し、薄いバリューベットをするときは、どのようなハンドを持っていてもおかしくないということも知っています。
最終的に、ルースコールをしてくれと叫んでいるような額をベットすることに決めました。フロップで22000のレイズをしているのに20000のベットをしたのです。Gusは少し考えて多分Aハイでフォールドしました。
Gusのチップ量やルースなプレイから私に対する彼の認識に至るまで、リバーに至るすべての出来事がこのストーリーの重要な部分を構成しているため、この勝負を初めから説明したいと思います。上手いブラフとはどのように機能するのかというものです。何も考えずに「チェックすると勝てないから」と言ってブラフを仕掛けてはなりません。ブラフを機能させるためには、すべての事実を並べて検討し、適切なベットをする必要があります。そうでなければつかまってしまうでしょう。
 Gusの例でいうと、私は非常に小さいリバーのベットをしましたが、ほとんどのケースではお勧めしません。このケースは、相手をよく知っていた相手がこのベット額をどのように受け取るかについてよく分っているという特殊なケースです。一般的に、ブラフは、バリューベットと同じだけの額であるべきです。よって、ポットの50%〜70%くらいが適切になります。そうでなければ、Gusの例でいうと、もっと小さなベットや大きすぎるベットでも機能したと思うでしょう。最終的に決めなければならないベット額は、単純に、相手があなたをどのように思っているか、どのようにプレイすれば相手に対して機能するかということにかかっています。

要旨

 この節では、リバーは非常に複雑な判断をしたくなく、簡単でストレスの少ないアプローチがベストとなる場所だということを学びました。これは、微妙な状況でチェックをすることからリバーベットで稼ぐことに至るまで、ほとんどすべての部分におけるテーマです。
 Small ballプレイヤーにとって、リバーは大きなポットを取りに行かなければならない場所です。そうでなければ、ルールに適切に従っていないということになります。リスクを最小限にして相手により大きなミスを冒させる場所です。結局、ポーカーの本質は、相手のミスから利益を得ることに尽きるのです。実際、すさまじいブラフやクレイジーなフォールドを美化することもいいですが、結局は、勝利するプレイヤーとは、何てことのないように見える勝負をプレイして、無秩序で予測不可能なポットやブラフの試合になるような状況を避けるプレイヤーなのです。
 Small ballプレイヤーにとって、リバーは、ベストハンドを持っていることを望み、ベストハンドを持っていることについて確信がなければ、ポットを小さくしておきたい場所です。ブラフはとてもまれですが、非常に成功率が高くなる地点でもあります。最も重要なのは、リバーは、ワイルドなイメージを作り上げてきたすべての苦労が本当に報われる可能性のある場所だということです。

結論
 この文章が、あなたがいいシステムを採用し、固い自律を維持し、もちろんすぐれたハンドリーディングのスキルを身につけているのなら、チップの山を築きトーナメントで生き残ることが比較的簡単であることを理解する一助になることができれば幸いです。
 Small ballアプローチは、大きなリスクを冒すことなく相手を混乱させるために作られました。このスタイルには、多くのハンドをプレイし、多くの意思決定をし、同時に、微妙な状況で大きな衝突を避けられるようポットサイズをコントロールすることが必要です。
 この文章では、正しいプリフロップのレイズサイズとSmall ballアプローチにおいて非常に効果的に機能する種類のハンドを習得しました。さらに、フロップがヒットしたか否かに関わらずポットを取るためのポジションの使い方も習得しました。微妙な状況、特にポジションのないときのフロップ後に注意深くプレイする方法や、不必要に飛んでしまうことを避ける助けとなるような勝負の例も習得しました。副産物として、Small ballアプローチによって相手があなたの慎重なプレイを弱さと誤解して愚かにもブラフすることによって更なる利益を得られることも習得しました。
 私が強調したいもう一つの重要なコンセプトは、フロップ後の平均的なベットサイズを小さくすることで、長期的にチップを節約することになるということです。そのチップによって、より多くのフロップを見られるようになり、待望しているホームランフロップを見られる可能性も高くなります。
 大がかりなブラフが過大評価されているという点も習得しました。ブラフは、ゲームの重要な要素ではありますが、適切な状況に絞ってブラフすることでより効果的になります。この文章で示したより安全で秩序だったSmall ballアプローチによって、トーナメントで繰り返し繰り返し、継続的にチップの山を築くことができるようになるでしょう。

(完)