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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 Daniel Negreanu's Small Ball(4)

ポーカー戦略

ターンプレイ

 ターンで行わなければならない決断こそ、ホールデムにおいて最も難しく重要なものだということで間違いないでしょう。ターンとは、その時点までに処理したすべての情報を集め、勝負の結末に至るまでどうすればよいかを決定しなければならないときなのです。
 より厳密にいうと、ターンとは、small ballにおいてもっとも重要な部分であり、プリフロップとフロップでのアクションのあとで、ビッグポットに徐々に近づいているのです。

ポジションのあるときにポットを取ること

 ポジションがあるときに勝負に参加する場合にチップを獲得するというのが、トーナメントではほとんどでしょう。ポジションのないときは、勝利ハンドの価値を最大化することは、本当に強いハンドを持っているときでなければ極めて困難です。さらに、ブラフを成功させるのも難しくなります。

 small ballの本当の美しさは、ポジションがあるときのターンでのプレイで表されます。ベットによってポットを小さいままにしておくことができ、相手がアグレッシブにプレイしようとしている場合には、大きなリスクを取らざるを得ないように仕向けることができます。例を見てみましょう。

ハンドの例

 この例では、あなたが何を持っているかは先に言いません。ブラインドは50-100で、レイトから300ドルのレイズがありました。あなたはボタンでコール、ヘッズアップになりました。
 フロップは、As8d4sです。相手は600ドルベットしてきてあなたはコールします。
 ターンは、5sです。
 相手が何を持っていようが、このカードはいいカードであるはずはありません。相手がナッツを持っているのでなければ。5sは、23、67をストレートにしますし、フラッシュも完成させます。相手がAhKhのようなハンドを持っていた場合、どれだけこのターンを愛しても足りないでしょう。あなたがAKを持っていたとしても、この状況で大きなポットをプレイしていたとして、これほどいい状況がこれまであったでしょうか。
 多くのプレイヤーは、この時点でAKでチェックするでしょうが、あなたがsmall ballプレイヤーなら、あなたもチェックすべきです。ターンでベットした場合、相手はAdQsなどで簡単にセミブラフレイズできることになります。AKでレイズにコールするのは難しいので、チェックが慎重なプレイです。
 さて、まだ何を持っているか教えてませんでしたが、まだ言いません。ポットには1950ドルあって、どんなハンドでも1200ドルくらいはベットすべきです。フラッシュを持っていれば、その価値に見合ったベットですし、8c9cを持っている場合には、ブラフベットになります。Aを持っている場合は、ハンドを守るためと相手のハンドを測るためにベットすることになります。
 ここが美しいところです。たとえ相手があなたが弱いハンドでもしばしばベットすると知っていたとしても、相手にはポジションがなく武器も限られているため、レイズすることが最適な選択肢となりえないのです。実際、チェックやコール以外はリスキーなプレイとなります。フォールドは、1200ドルのベットに対してあまりにも弱すぎるプレイですし、チェックレイズは、負けた場合に非常にコストのかかるプレイになってしまいます。
 実際には相手がチェックレイズしてくるよりチェックコールしてくる方が、ポットサイズをコントロールできるので好ましいといえます。また、相手がチェックレイズしてきたとしても、長期的には、small ballプレイヤーであるあなたにとっては、利益になるはずです。
 相手がAKでチェックレイズしてきた場合、相手は多分4200〜6000ドルベットしてくることが考えられ、オールインしてくる可能性もあります。このプレイによって相手は不安定な状況に陥りますし、あなたにとっては大きなポットを自分の都合のいいようにプレイするチャンスとなります。あなたがブラフしていた場合は、1200ドルの損だけで済みます。世界の終りというわけではありませんし、大した損害が生じる訳でもありません。しかしながら、実際に強いハンドを持っていた場合には、相手はすでに大きなベットをしており、あなたに資金を供給することになります。実際、チェックレイズによって、相手はポットコミットする羽目になり、多くの場合、完全にドローイングデッドになっていることでしょう。
 さて、もう一つの例を見てみましょう。今回は何を持っているか先に教えます。

ハンドの例

 100−200のブラインドでレイトポジションからJhThで500にレイズしました。若干保守的なプレイヤーでプレミアムハンドでなければリレイズしないBBが1500にリレイズしてきました。あなたも相手も30000くらいチップを持っています。あなたはコールしました。
 フロップは、6c7h8cであなたはガットショットストレートドローとバックドアフラッシュドローです。相手は、2000ベットしてきました。
 ガットショットドローしかありませんが、これは、相手がAA、KK、QQかAKしか持っていないということが分かり切っているので、最高のフロップです。相手からポットを奪い取るのに役立つカードがターンで落ちる可能性は、極めて高いのです。4、5、8、Tやクラブが落ちれば、相手はあなたのハンドが自分のハンドより強いのではないかと不安になるでしょう。これらのドローに加え、あなたがフロップでセットを作ったことも容易に想定されるなか、このボードは、勝負をするのに最高のボードです。また、幸運にも9が来てストレートができたら、相手を騙して勝負空降りないように注意深くスロープレイすることもできます。

さて、ターンは、5sでした。
相手は、ターンでチェックするでしょう。相手がベットしてきた場合は、レイズするかどうか真剣に考えなければなりません。レイズするとしても大きくレイズしてはなりません。相手が4000ドルベットしてきた場合、9000ドルくらいがせいぜいでしょう。どのようなレイズであっても必要な情報は入手できますし、小さなレイズをすることで、あなたがコールしてもらいたがっていると相手に思わせることもできます。

相手がチェックしたら、多分その可能性が高いですが、2つの方法でこの状況に対応することができます。

1 ターンでももう一回小さくベットします。相手がフロップでAKなどで単にCBを打ってきていただけであれば、ターンで小さくベットしただけでもフォールドするでしょう。しかしながら、相手がAAやKKを持っていた場合には、ターンでの小さなベットにコールしてリバーの様子を見ようとすると思われます。ターンで小さなベットをすることは、実際は、リバーでもブラフをしなければならない「欲深い」プレイ方法となります。小さなベットをすることで、相手がコールする可能性も増しますが、同時に、多くのチップをリバーでスチールすることもできるからです。相手がターンでコールしたら、リバーではかなり大きなベットをすることが必要となるでしょう。
2 もう一つのオプションは、実際には、勝負がその場で終わって何もおかしなことが起こらないので、より安全です。相手がチェックしたら、50〜65%のポットをベットしましょう。そうすれば相手はAAを持っていたとしてもフォールドするでしょう。

 これらのタイプのプレイをするときは、あなたが相手と反対のプレイスタイルを採用していることを確認しなければなりません。相手が保守的でこの状況であなたがどんなハンドを持っていてもおかしくないことを知っているということを確かめておく必要があります。奇妙なことですが、small ballは、相手があなたがゴミ手でレイズしかねないということを知っているときによりうまく機能するのです。ハイカードでも、ミドルカードでもどのようなフロップでもヒットする可能性があるので、ブラフのチャンスも増えます。相手にとってはどんなフロップでも危険に思えるのです。
 ディープスタックの高額トーナメントにおける最も悪いイメージは、ポケットペアかAXでしかレイズしないプレイヤーだと思われることです。相手はあなたがアーリーポジションからレイズした場合これらのハンドを持っていると知られた場合、相手はあまりにも多くの情報を得ていることになり、小さなカードがフロップに出た場合に相手にうまく利用されることになります。フロップに567が来た場合、そのようなイメージは、あなたがAKやKKを持っているかに関係なく、マイナスに働くでしょう。

Johnny Chanプレイ

 このプレイについては、他にいい呼び方が見つかりません。Johnny Chanは、チェックコールとターンでのリードプレイの名手で、この手法に彼の名を冠することが最も適当だと思っています。
 ターンでポジションがないときに、使える戦略は限られてきます。Chanは、相手のポジション上の優位性を最小限のリスクで無力化するプレイを何年も前に編み出しました。奇妙なことですが、このプレイは、リミットホールデムでは全く使えませんが、ノーリミットホールデムでは、small ball pokerをやっていても勝負をコントロールする非常に有効な手段として機能します。例を見てみましょう。

ハンドの例

 9人テーブルでブラインドは200-400、アンティ50、MPから1200ドルのレイズが入ってあなたは、BBからTTでコールしてヘッズアップです。両方とも30000ドルのチップを持っています。フロップはQh4d4sです。
 最高のフロップではないですが、それほどひどいフロップでもありません。
 チェックすると相手はCBを2000ドル打ってきました。あなたにはここで3つのオプションがあります。いずれも相手の性質によって使い分けなければなりません。
 1 相手が決してブラフをしないプレイヤーなら、フロップでフォールドすることも考えられます。
 2 相手がかなりアグレッシブなプレイヤーなら、5500ドルくらいのチェックレイズをすることも考えられます。
 3 そのほかに、Johnny Chanがやるように単にコールすることもできます。

 さて、ここでコールしたところ、ターンはラグの7cでした。

 もう一度チェックして相手がベットするのを諦めるのを期待することもできますが、Chanのようにここで自分からベットして勝負をコントロールすることもできます。ターンで3000ドルベットした場合、相手は、あなたが何を持っているのか推測せざるを得なくなります。4を持っているのか?BBなので持っている可能性は十分あります。Qでしょうか?持っていないなんてことあるのでしょうか?
 相手がベストハンドを持っているなら、レイズしない可能性もあります。QやKKやAAを持っているなら、あなたが4を持っていることを恐れてターンではコールに留めるでしょう。コールしたなら、あなたのTTはよいハンドではないことが分かります。リバーでTが落ちなければ、相手が最後にベットしてきたら安全にマックできます。TTがベストハンドであれば、ターンのベットで相手から大きなベットをされることが避けられますし、TTが良いハンドか相手がブラフしているだけなのか推測することができます。
 ここでのベットは多くの意味でハンドをプロテクトすることになります。ベストハンドを持っていた場合に相手のオーバーカードにキャッチされることからプロテクトできますし、リバーでの大きなブラフからプロテクトすることもできます。相手は、ターンでブラフレイズをすることもできますが、なかなかできることではありませんし、そのようなプレイができるプレイヤーは限られています。
 このようなプレイスタイルを取ることで他にもいいボーナスがあります。ベストハンドに対してブラフをすることもできるのです。TTではなく66を持っていた場合、同じプレイをすることで、相手が77〜JJを持っているときにポットをとれる可能性があります。ターンでコールされるかもしれませんが、その場合リバーでもチェックチェックで終わって、ターンのベット以上に追加コストを払う必要はありません。

Johnny Chanプレイに対する更なる考察

 相手の先を行っていたいなら、ときにはとても強いハンドのときであってもこのようなプレイをする必要があります。このプレイは、フロップでチェックレイズよりうまく機能するときもあるのです。事実上同じ額を投資することになりますが、得られる情報は、同じではありません。フロップでチェックレイズの方にコールするときの方が、フロップでチェックコールしてターンでベットしたときにコールする場合より、より広い範囲のハンドでされがちだからです。
 相手がフロップでベットにコールする可能性が高いので、ターンでもう一つ問題が発生します。ポットがもう十分に大きくなっているので、スタンダードなベット額は10,000ドルにも上ります。相手はフロップでもコールしているので、非常にリスクの高いベットになります。しばしば、ターンではチェックせざるをえなくなり、リバーで相手にべっとされたときに熟考せざるを得なくなるのです。
 明らかなことですが、このプレイには賛否両論あり、常に使えるわけではありません。支持する見解をこれまで述べてきましたが、非常に強い反対論もあります。相手にフリーカードを与えるということです。相手にターンを見させることで、相手がAJのようなハンドを持っていた場合、まくられてしまうこともありえます。いいニュースは、相手のハンドが隠れていないということです。Aがターンで当たったら、あなたは撤退せざるを得なく、すぐに作戦を中止することができます。さらに、相手に2枚フリーカードを与えることはないので、ターンにラグが出たら、即座にベットしてポットを取ることもできるでしょう。
 リミットホールデムでは、このプレイは意味がありません。リミットでは、ターンでベットするつもりなら、フロップでチェックレイズをしなければなりません。フロップでは1ベットで済むのでチェックレイズはそれほどリスクの高いものではなく、ターンのベットサイズにも影響を与えません。しかしながら、ノーリミットホールデムでのチェックレイズは、ポットを大きくしますし、その結果、あなたと相手の双方がより大きなベットを強いられることになります。この時点ではせいぜい微妙な状況なので、大きなベットは、特にポジションのないときは、一番したくないことでしょう。
 Chanプレイを利用することで、相手にベット額をコントロールさせることなく、ターンでのポットサイズをコントロールできます。もちろん相手がレイズしてくれば別ですが。
 このプレイを利用する場合にはいつでも、適切な相手を選ばなければなりません。多くのトッププロがこのプレイを知っていますし、弱いベットでブラフだと思うでしょう。このタイプのプレイヤーは、あまり多くはありません。ほとんどの平均的なプレイヤーは、このポットを即座に諦めることでしょう。

ターンでのチェックレイズ

 ターンであなたの手にある強力な武器の一つがチェックレイズです。しかしながら、リミットホールデムでは頻繁に使うべきですが、ノーリミットの場合は、本当にたまにしかチェックレイズはしない方がよいでしょう。あなたがsmall ball playerならなおさらです。これには、3つの大きな理由があります。
1 最も明白な理由は、チェックレイズはポットを大きくするので、このプレイをするまえに、ポットを大きくしたいのかどうか確信しておく必要があること。
2 ポジションがないときに相手にコールされた場合、リバーで難しい判断を迫られること。
3 チェックレイズによって、勝てていたはずのポットを失う可能性もあること。これには2つのパターンがあります。
 ア)ドローハンドでチェックレイズして相手にリレイズされた場合、フォールドせざるを得ない。
 イ)相手があなたが何も持っていないと思って、ブラフでリレイズされる可能性もある。

 ターンでのチェックレイズは、強力な武器ですが、他の強力な武器と同様に、非常に慎重に扱わなければなりません。チェックレイズは、リバーでより大きなベットをせざるを得なくなるような多くのチップをポットにつぎ込むことになるため、Small ballの考え方の多くと相反するものです。ナッツやナッツに近いハンドを持っているときはポットを大きくしてもよいでしょう。これがターンでチェックレイズするときには、モンスターハンドを持っているべきと私が主張する理由なのです。

ドローハンドでのチェックレイズ

 よく見かける最も悪いプレイの一つに、フラッシュドローやストレートドローでターンでチェックレイズをするというのがあります。このプレイが非常にダメなのは、ターンでベットしているプレイヤーはほとんどの場合本当に強いハンドを持っているということを示しているからです。
 この場合、相手はかなりの頻度でチェックレイズにコールするでしょうし、最悪の場合、オールインしてくるかもしれません。相手にオールインされたら、トーナメントライフを賭けてドローでギャンブルをするか、リバーを見る機会を失ってベット分のチップを無駄にすることになります。一方、ジャストコールした場合は、リバーでドローを引いた場合には、非常に多くのチップを奪い取れる可能性もあります。
 これらのプレイがメリットを持つ唯一の場合は、超ディープスタックのときですが、その場合でも、ターンでドローハンドでチェックレイズするのは、カミカゼ的なギャンブルで、Small ball戦略とは相容れません。この種のプレイを継続した場合、トーナメントにおいてコンスタントに結果を出すのは難しいでしょう。本当に稀な状況で、奇跡を起こすかもしれませんが、通常は、この種のプレイは、早期に自らの枠を狭める結果になると思われます。

ナッツでのチェックレイズ

 あなたがポジションのないときによくチェックコールしてくることに相手が気付いたら、ターンでベットすることをより頻繁にしてくることでしょう。これには2つの意図があります。
 1 ハンドを守ること
 2 何も持っていないときにスチールすること
 こういうタイプのプレイヤーには、セット、フラッシュ、ストレートによるターンでのチェックレイズが、より機能することになります。

 ナッツを持っているときに、ターンで考えなければならない重要な事項があります。チェックレイズをする場合には、相手が、リスチールやベストハンドを持っていると思ってリレイズをしようと思っているときにフォールドしないようにしなければなりません。例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインドは25-50であなたも相手も10000のチップを持っています。あなたはアーリーポジションから99で150にレイズしました。相手は、400ドルにリレイズ。あなたは相手が強いハンドを持っているのだろうと思いましたが、フロップでセットを引くためにコールしました。パーフェクトフロップが落ちて、9h4d2hでした。チェックすると相手は600ドルベットしてきました。この場合、いくつもの方法でプレイできますが、ドローを持っていると勘違いさせるため、ドローが引けないことを願って単にコールしました。
ターンもパーフェクトな7dでした。
 またチェックすると相手は1800ドルベットしてきました。たった10000ドルですが、ここでオールインすることもできます。しかしながら、相手はAAやKKのような非常にプリフロップで強いハンドを持っている可能性があるので相手を怖がらせたくありません。また、ドローハンドを持っていると演出し、相手がチェックレイズした後にオールインしてくることを祈りました。
 プリフロップとフロップのベットのあと、9000ドルに持ちチップは減ってますが、ここでわずか2200ドルの上乗せになる4000ドルまでのレイズをお勧めします。相手がオーバーペアを持っている場合、自分のハンドをベストハンドだと思い、そのハンドをプロテクトするために、オールインしてくるでしょう。やった!自分からオールインしても相手はコールするかもしれませんが、オールインだと相手が恐れてフォールドしてしまうかもしれません。

 この例では、相手が強いハンドを持っていると思うときにナッツでどのようにチェックレイズをすればよいか説明しました。しかし、相手が単にブラフしてきている場合はどうでしょうか?次に見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインドは100-200であなたは18000のチップを持っています。44で500ドルにレイズしたところ、ボタンがコール。フロップはQhQs4hで、フルハウスになりました。フロップでチェックすると相手もチェックしてきました。ターンはTsです。
 相手はターンも続けてチェックするとは思えないアグレッシブな相手なので、もう一度チェックしました。予想通り相手は1000ドルのベットをしてきました。相手はあと7000ドル持っているので、相手にオールインを要求してフォールドされたくないと思っています。
 それどころか、相手からオールインしてもらいたいでしょう。チェックレイズをする完璧なチャンスです。
 2000~2500ドルほどの額がレイズ額として適当です。そうすることで、相手はあなたがブラフしていると思って、Qを持っている振りをしようとATとかストレートドロー、フラッシュドローでオールインしてくるでしょう。


 2つの例は異なりますが、いずれも相手が自分の首を絞めるようプレイしている点で同じです。ここでの教訓は、ナッツを持っているときは、常に相手が自ら首を絞めるような機会を与えるようプレイするべきだということです。大きすぎるレイズは、相手をフォールドさせてしまうだけなのです。

ハンドの例

 ブラインドは100-200で、タイトプレイヤーが600にレイズしてきました。あなたはBBから9h7hでコール。あなたも相手も15000点のチップを持っています。
 フロップはJc3s4cで完全にフロップをミスしています。チェックすると相手もチェックしました。相手はフロップでJセットを持っているかAKを持っていると分かります。フロップで2枚クラブが出ているので、AKの可能性が高そうです。
 ターンは5dでした。
 ここですぐにベットしてもポットをとれるでしょうが、チェックしたらどうなるでしょう。チェックすると相手は1000ドルベットしてきました。相手がAKを持っているのであれば、自分のハンドはまだましだと思っていて、フリーカードは渡したくないということなのでしょう。ポットは2300ドルです。
 345のボードでは、A2、67、55、45などあなたが持っているとアピールできるハンドは無数にあります。またJTのようなハンドも持っていてもおかしくありません。このポットをスチールするためには、2400ドルに対して2500ドルくらいをベットするのが適切でしょう。同時に、このボードでは、あなたがヒットしている可能性は高そうに見えます。実際には9ハイで単なるガットショットストレートドローでしかありませんが、相手はAハイでチェックレイズにコールできないと分かっているのであれば、ハンドは無関係です。
 広く信じられているのとは逆に、ポーカーはブラフがすべてではなく、リスキーなオールインブラフはポーカートーナメントでコンスタントに勝利をあげるよい方法でもありません。勝負をするときは、モーツァルトのように振る舞い、愚か者のように終わらないようにしなければなりません。
 ブラフは芸術です。ある意味、必要なのは、ベットではなく、キャラクターに由来する話を信じ込ませるような話術なのです。実際、あなたがプレイスタイルにそぐわない突飛なベットをした場合、相手の頭の中の警報ベルがあなたがブラフをしているのではないかと告げるのです。ブラフが何気ないときこそ、見事にブラフをやっているということなのです。

自分の強さを確かめるためのチェックレイズ

 このプレイも私の好きなプレイではありませんが、適切な相手に対して、特定の状況下では有効に機能します。Johnny Chanの「チェックコール・ターンでベット」プレイの発展版といえます。相手のハンドを特定するためにチェックレイズすることで、ブラフすることもできますし、リバーで大きなベットをされることを避けることができます。例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインド25-50でミドルポジションから150ドルのレイズが入りました。あなたはSBから99でコールでヘッズ。
フロップは、Qs7d2s。チェックすると相手は300ドルのベットをしてきました。レイズした後のフロップでは自動的にベットしてくるアグレッシブプレイヤーに対して自分のハンドで勝っているかどうかは分かりませんが、コールしてターンを見ることにしました。
ターンは7cです。
 Chanプレイをここで使うこともできますが、この相手が、Chanプレイに感づいてブラフレイズしてくることも心配です。そこであなたがチェックすると、相手はベット600ドルしてきました。あなたのハンドが勝っているかどうかまだよく分からないので、またコールしてリバーのベットが小さくなることを期待するか、ターンで相手のハンドを確かめるためチェックレイズすることもできます。
 ターンの7は、相手が7を持っていない場合には少し怖いカードです。あなたが78のようなハンドを持っていることは容易に想定されます。フラッシュドローが出ているので相手は44のようなハンドでも、フラッシュドローを疑ってベットしてくるでしょう。しかし、もっとも大きな懸念は、あなたが600ドルをコールして、スーパーアグレッシブな相手が、リバーでも更に大きなベットをして来て非常に難しい状況に追い込まれることです。
 ここで採用できる防御策の一つは、ターンで最低額のチェックレイズをすることです。1200〜1500ドルのレイズで相手は恐れおののき、ブラフでレイズすることはもうないでしょう。このプレイをした後で相手がリレイズしてきた場合には、99では間違いなく負けていると思った方が安全です。
 また、相手がJJやTTだった場合、レイズによってフォールドするかもしれないといった追加的なボーナスもあります。しかしながら、相手がターンのレイズにコールした場合、リバーでは、9が落ちない限りチェックすべきです。相手はあなたがリバーでもチェックレイズしてくるのではないかと若干不安になっているので、自分が勝っていると思っている場合には、喜んでチェックするでしょう。ターン(600ドル)とリバー(600〜900ドル)でチップを相手に渡すことになるかもしれませんが、あなたによって額が決められることになります。いくらリバーでベットされるかは、ターンでのチェックレイズで決めることができるのです。
もちろん、相手がターンでコールして、リバーであなたがチェックしたらベットされて負ける可能性があります。単純な話です。相手がリバーでブラフをしてくるハンドは、フラッシュドローくらいしかありえません。そのときでさえ、ターンでチェックレイズをされた状況でリバーでブラフベットをしてくるプレイヤーはほとんどいないでしょう。
 

ターンでハンドの強さを示すこと

 フロップでドローになった場合には、ドローを引けなかった場合にどうやったらポットをとれるかを考えてプレイしなければなりません。ドローを引けなかったときのブラフなしにフラッシュかストレートを引いたときにだけベットしているようでは、フロップ後ドローハンドで利益を上げることは難しいでしょう。例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインド400-800アンティ100で9人テーブル、ボタンから5h6hで2400のレイズにコールして4人プレイ。レイザーはUTGで、ミドルとBBが他のコーラーです。どのプレイヤーは100,000ドルのチップを持っています。
 フロップは、7c8h3sです。オリジナルレイザーが5000ドルのベット。このプレイヤーは、かなりの確率でCBを打ってくるので、AKの可能性もあります。ミドルがフォールドであなたがコールしたところBBがフォールドでヘッズ。
 ターンは、Jcでした。
 相手はチェックしました。これは最高のカードです。何の役にも立ってはいませんが、相手はあなたがフロップでセットを持っていると思っていなのであれば、9Tの可能性が極めて高く、他にはJ9、JTを持っていると考えているでしょう。その場合、A8、AK、K7ではコールできません。
 あなたはまだストレートドローを持っていますが、それほど良いドローではなく、大きなポットを取ることも考えにくいです。9が落ちれば、4カードストレートがボードにできます。相手はいいハンドを持っているかもしれませんが、ストレートを引いたのでなければベットにコールしてこないでしょう。さらに、9は、相手がTを一枚持っていればストレートを完成するので、いずれにしてもいいカードではありません。
 ポットには既に22900ドルあるので、ストレートを引いたと見せてポットを奪い取る絶好のタイミングです。10,000〜12,000のベットで十分です。たとえ相手がAAを持っていたとしてもターンでフォールドすることを考えるでしょう。フォールドしなくても、22900ドルのポットに12000ドルのリスクは、スチールを試みるのに十分な額です。また、たとえターンでコールされたとしても、リバーで更に大きなベットをすればポットをスチールすることもできます。一つ覚えておかなければならないのは、適切な相手に適切な状況下でなければ、リバーでブラフしてはならないということです。

ハンドの例

 簡単な例を見てみましょう。ブラインド50-100でアーリーポジションからTh9hでリンプしたところ、もう一人リンプインがあってボタンから500のレイズがありました。あなたとリンパーがコール。
 フロップは、7c8c4sで、オープンエンドストレートドローと2オーバーカードになりました。相手はQQ以上を持っているのではないかと思っています。
 チェックチェックでオリジナルレイザーが1500ドルのベットをしてきました。あなたは37000ドル持っていて、相手は24000ドル持っています。ビッグポットを取ることを期待してコールしたところ、リンパーはダウンしました。
 ターンは5cです。ここではベットしなければなりません。今の時点では何もありませんし、ドローイングデッドの可能性もありますが、このような危険に見えるカードを利用するチャンスを生かさなければなりません。ここまでのプレイの仕方からすると、5cは十分にヒットしたカードに見えますし、プリフロップでレイズしたプレイヤーがこのカードを望んでいたとは考えにくいです。ポットの60%くらいの4000ドルをベットすれば、相手がオーバーペアでダウンするのに十分でしょう。唯一のリスクは相手がオーバーペアだけでなくクラブを持っていてフラッシュドローになっているときです。また、AcKcの場合もありますが、そうでないことを祈りましょう。
 相手がクラブを持っていなければ、相手にとってターンでコールするのは非常にリスキーになります。結局T9のようなハンドにしか勝てないのですから。
 相手がコールすれば、リバーでジレンマに直面します。明らかなことですが、リバーがクラブだったときには、白旗を上げて諦めるべきです。ストレートができたときは、バリューベットもできます。ラグだった場合は、ブラフするかしないか難しい決断を迫られることになります。繰り返しになりますが、相手がどのようなプレイヤーかを本当に知っていなければ、リバーで更にベットをすることがいい選択にはなりません。相手がAAを持っているときにリバーでどのようにプレイするか知っていなければ、諦めて相手にポットを渡した方が賢明でしょう。
 最後に、もうひとつドローをミスした例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインドは300-600でアンティは75、タイトなプレイヤーがミドルポジションからレイズ1800ドル、ボタンにコールされました。あなたはBBでAd3dでコールするとフロップは、5d6s7dでした。
 オリジナルレイザーは、オーバーペアかAK、AQを持っていると思われます。相手のハンドを測るために2500ドルベットすると、6000ドルにリレイズされました。ボタンはフォールドであなたはコール。残りチップは54000ドルです。
 ターンは9hです。
 相手が8を持っているとは思えませんが、ここまでのプレイから判断するとあなたが8を持っていない理由はないので、9000〜12000のベットをすべきです。
 相手が88を持っていなければレイズすることはできないでしょう。そうすべきではないですが、相手がオールインしてきたら(まずありませんが)、フォールドせざるを得ません。もっとありそうなのは、ベットすることで相手がAAをフォールドすることです。コールされた場合でもあなたにはフラッシュドローのアウツもあります。相手がコールしたら、リバーでどうするかは、様々な要素に左右されます。リバーでのベットについては次の章で説明します。

<6/23追記>

ターンでドローハンドによるコール

 ターンにおけるドローハンドでのプレイはトリッキーになりがちですが、従わなければならない基本的なルールがいくつかあります。意思決定過程においてドローハンド自身に振り回されることもしばしばあります。正しい意思決定を行うために有用ないくつかのツールを紹介しましょう。
 まず最初に考えなければならないのは、ポットオッズです。例えば、3000ドルのポットに相手が1000ドルベットしてきた場合、ポットオッズは、1000ドルで4000ドルのリターン、すなわち4:1で、3000ドルのポット+あなたの相手のベット1000ドル対リバーを見るのにコールしなければならない額1000ドルとなります。
 ポットオッズを理解したら、次のステップとして、必要なカードをキャッチするオッズを決めなければなりません。

ハンドの例

 たとえば、4h5hを持っているときにボードがKh2h9sTdだとします。
 この場合、見えない46枚のカードの中から9枚のハートのカードを引かなければなりません。あなたのハンドに既に2枚カードがあって、ボードに4枚カードが出ているので、見えないカードは残り46枚です。もちろん、このカードのうち9枚がいいカードで37枚は悪いカードです。したがって、フラッシュを引くオッズは、9/37で4.111:1です(24.3%)。
 一見したところ、コールしてフラッシュドローを引きに行ってもいい額のように思えますが、他にも考慮しなければならない点があります。相手が上のフラッシュドローを持っている可能性はないでしょうか。その場合、リバーで大きな代償を払わされる可能性もあります。相手がセットを持っている場合は、アウツのうち9h、Thの2つは使えません。

 ポットオッズを理解して、ハンドを完成させるオッズを理解したうえで、自分自身にドローを完成させたときに勝てるかそれとも二番目に強いハンドとなるかと問いかけなければなりません。さらに考えなければならないことがあります。インプライドオッズがどうなるかを計算しなければなりません。インプライドオッズの計算は、相手がリバーで何をしてくるか確信は持てないので、正確には科学的なものではありません。
 しかしながら、チェスと同じように、考えを持って自分のリバープレイを方程式化することは重要です。
 よく分かるように若干複雑な例を見てみましょう。

ハンドの例

 4h6hを持っていてボードはKh7h3sQdです。あなたも相手も12000ドルのチップを持っていて、800のポットに相手は600ベットしてきました。
 ルーティンに進むと

 ポットオッズ:600ドルで1400ドルの勝利なので2.333:1(42.9%)
 ハンドがよくなるオッズ:ハート9枚+5が3枚=12枚/46枚で2.833:1(26.1%)

 もしリバーでベットラウンドがないのであれば、フォールドすべきです。ポットオッズが、ハンドがよくなるオッズよりも低くなっています。したがって、例えば、相手が600ドルのオールインをして来ている場合にはマックすべきです。しかしながら、5やハートをキャッチするインプライドオッズを考慮すると、この状況は、大きな利益を上げる可能性を秘めており、特に5を引いた場合には、うまく偽装できるハンドを手にしたことになります。
 ここには併せて考慮すべき危険性もあります。負けるフラッシュを完成させる可能性もありますが、ガットショットストレートができる可能性もあります。この状況では、相手がベストハンドを持っていることが明らかに分かっていても、相手がどのようなハンドを持っているのかを突き止めることが重要です。ターンで探らなければなりません。相手のハンドの強さが、リバーであなたが勝ち取ることができるチップ量はいくらかという数学的な問題を解く手がかりになるからです。
 たとえば、相手がKQやKKのような非常に強いハンドを持っていたとします。この場合、より大きなベットをリバーでして相手から大量のチップを奪うことができます。特に5をヒットしたときは、オールインもできるかもしれません。しかし、相手が中途半端なハンドを持っているときは、QTのようなハンドで大きなベットにコールする可能性は少ないので、インプライドオッズは小さくなります。
 したがって、ターンでコールする前に、リバーでハンドを完成させたときにどの程度の額をリバーでベットするかを決める必要があります。リバーでベットする額は、相手が何を持っているかによって変わります。実践として、8つのシナリオに沿って、考えられるすべての結果のトータルがどのようになるか見てみましょう。

  1. 5をヒットして相手がチェックした。
  2. 5をヒットして相手が1500ドルベットしてきた。
  3. Ahをヒットして相手がチェックした。
  4. Ahをヒットして相手が1000ドルベットしてきた。
  5. Qhをヒットして相手がチェックしてきた。
  6. Qhをヒットして相手が2000ドルベットしてきた。
  7. 2hをヒットして相手がチェックしてきた。
  8. 2hをヒットして相手が600ドルベットしてきた。

 他にも考えられるシナリオはありますが、ここから始めてみましょう。

1 5をヒットして相手がチェックした。

相手が5のような何でもないカードが出てチェックをしたのであれば、相手が強いハンドを持っている可能性は低いです。この場合、大きなベットをしても相手がコールする可能性は低いでしょう。ポットに2000ドルあるので、900ドルくらいのベットがちょうどいいと思われます。インプライドオッズによって、2.833:1とオッズが良くなって事情が変わるかもしれませんが、600ドルだと、ポットオッズは3.833:1になります。仮に相手がリバーでフォールドした場合、ターンで2.833:1のオッズで2.333:1のコールをしたところで、ターンではほんの小さなミスをしたにすぎなくなります。

2 5をヒットして相手が$1500ベットしてきた場合

 これは理想的な状況で、待望していたホームランボールです。相手がリバーでもベットしてきた場合、大きなリレイズにコールしたり、KKのようなハンドを持っていた場合オールインしてくる可能性もあります。相手のハンドの強さがどれくらいと想定するかによりますが、2000〜4000ドルくらいリレイズできます。例えば、リバーで3500ドルレイズするとしましょう。ターンの状況はどのように変わるでしょうか。ドローの時点では、2.833:1のオッズでポットオッズは2.333:1です。相手がリバーの別途にもコールしてくれるとすると、この数字は、9.667:1と劇的に変化します。これは非常においしい状況で、相手がオールインする場合、さらにおいしい状況になります。もちろん、相手が3500ドルのレイズでフォールドしてもそれほど悪くはありません。投資は600ドルにすぎませんが、勝つのは2900ドルで、4.833:1のオッズがあることになります。

3.Ahをヒットして相手がチェックしてきた場合

 相手がリバーでチェックしてきた場合、このカードはそれほどいいカードではありません。大きくベットしたとしても相手がKJやQTなどのハンドを持っている場合、コールする可能性は低いからです。実際、このような恐ろしいカードがリバーで出てきた場合、いくらの額のベットでもコールすることはできないでしょう。2000ドルのポットですが、相手が自分がブラフをしていると思わせられないのであれば、ハーフポット以上ベットしない方がよいでしょう。この相手に対するこれまでのベッティングがどの程度のベットをすべきかについて、非常に大きな役割を占めますが、この例では800ドルくらいが一般的な額でしょう。相手は多分フォールドするでしょうが、コールされたいときにベッティングパターンを分かりやすく変えることは長期的にはマイナスなので、この額より小さい額にすべきではないでしょう。
 相手は25%くらいの確率で800ドルのベットにコールしてくるでしょう。もちろんプレイヤーによりますが。この額であれば、2.833:1で2.333:1のターンのコールも若干不利になりますが、4回に1回は3.667:1のオッズが得られることになります。1600ドル勝つのに600ドルの投資(2.667:1)なので、ほんの少しだけ悪いベットということになります。

4.Ahをヒットして相手が$1000ベットしてきた場合

 これは非常にトリッキーな状況になりえますし、相手のベットにどう対応すべきかは、相手のベットの洞察に大きく依存します。相手がアグレッシブでリバーでフラッシュがなくてもベットしてくることが分かっているなど、相手を完全に読めているのでなければ、単にコールに留めた方が無難です。このような小さなフラッシュでリバーでレイズするのは、貴重なチップの浪費になる可能性があるだけでなく、相手にポットをスチールさせるチャンスを与えることにもなるため、非常に危険です。例えば、相手がQhTsを持っていた時、リバーであなたがレイズした場合、相手はキーとなるQhを持っていて、あなたがナッツではないと知っているため、リレイズしてくる可能性もあります。そのとき何ができるでしょうか?リバーでのレイズは推奨しませんが、小さなフラッシュでレイズする場合、相手が何ができるかについてよく知っておく必要があります。アグレッシブに行くことに決めたとしても、1000~2000ドル程度のレイズにしておくべきでしょう。

5.Qhをヒットして相手がチェックしてきた場合

 相手はQhが出てチェックをしてきたのなら、相手にとってこのカードはよくなかったということです。あなたがトリップスやフラッシュを作ったと思っているか、フルハウスでチェックレイズを狙っているかどちらかです。この状況でも大きなベットをする意味はありません。相手がチェックレイズをしてきたらフォールドせざるを得ないでしょう。あなたのベットが大きすぎた場合は、相手はKTのようなハンドでもリレイズしてくるかもしれません。ここでも800ドル位のベットを推奨します。

6.Qhをヒットして相手が2000ドルベットしてきた場合

 フォールドしましょう。相手はQhが出てもポットベットしてきたのなら、あなたが勝っているようなハンドでバリューベットしてきている可能性は低いです。相手のベットの額はあなたが強いハンドを持っていてコールせざるをえない額を計算したもののように思えます。そうでなければどうでしょう。あなたは相手の傾向を知らないなら、相手がトリップスを持っていてくれたり、ブラフをしようとしていてくれるのなら2:1のオッズがあります。今日のゲームでは、奇妙な状況で幾分乱暴なブラフをする若いプレイヤーがたくさんいるので、フラッシュのような強いハンドを持っている場合でも、相手から多くの情報が得られるまでは、彼らを正直にしておく必要があるのです。

7.2hをヒットして相手がチェックしてきた場合

 相手はAKのような強いハンドでチェックしてきたと思われます。あなたがフラッシュを完成させたと警戒していて、リバーでレイズされて難しい判断を迫られるよりチェックコールした方がマシだと考えたのでしょう。この場合、あなたのハンドの価値を計算すると、1200〜1600ドルくらいのベットが妥当だと思われます。リバーで1500ドルのベットをして相手がコールしてきた場合、ターンの600ドルのコールによって、2900ドル得られたことになります(4.833:1)。2.833:1の不利でしかないので、リバーでの1500ドルのベットは、相手がコールした場合、利益の得られるプレイとなります。

8.2hをヒットして相手が600ドルのベットをしてきた場合

 2000ドルのポットに600ドルのベットは、普通は若干弱いハンドを持っているときに行われます。リバーでより多くのベットをされないようにする守備的なベットです。ベストプレイをするためには、いつもどおり、相手がこのような状況でどのように振る舞うかを本当に理解しておく必要があります。ほんの少しのリスクしか取る必要がないので、フォールドすることはあり得ません。コールが一番安全なプレイですが、このハンドでレイズをすることでより利益を上げるようにすべきでしょう。相手が恐れるほど大きくないレイズをすべきです。同時に、ハンドが負けている場合に備えて、それほど大きな額のレイズもすべきではありません。1500〜1600ドルのレイズが妥当でしょう。

ターンの考察

 ターンでコールをする際には、その時点でのポットオッズを単純に計算するだけは足りません。想定しうるインプライドオッズによって、適切な状況においては、望みの薄いドローが非常に利益の出るプレイとなり得る場合もあります。
 ターンこそが、時間をかけて決断を下さなければならない場所です。ターンで直面しているベットについて考えるだけでなく、リバーで何をするかを計画した上でもう一歩進んで考えなければならないのです。

ブラフアウツを考慮してドローでコールすること

 前章で検討したとおり、特定の場合においては、ドローハンドをヒットした場合、リバーでベットすれば相手が下りる可能性が極めて高い状況が存在します。これによって、時には望みの薄いドローであっても(1)ホームランをヒットする、(2)リバーで典型的なドローがヒットしたと見せかけて相手にブラフを行うことを意図してコールすることで、相手から利益を得ることが可能です。(2)については、相手がベストハンドをフォールドするよう恐れるようなリバーのカードのことを”ブラフアウツ”カードと呼んでいます。

 ターンにおいてブラフアウツを計算することためには、非常に優れた技能が要求されます。ポットオッズ、自分のハンドが良くなるオッズ、次善のハンドになるドローオッズとインプライドオッズを計算するだけでなく、相手にブラフをしてポットを奪うことができそうなカードがリバーで落ちる可能性についても検討しなければならないのです。相手を読んで、傾向を把握し、相手の持っていそうなハンドを特定することが、ブラフアウツの大部分を占めます。例を見てみましょう。

ハンドの例

 ブラインドが100-200でタイトな相手が600ドルにレイズしました。あなたはミドルから5c3cでコールでヘッズアップ。どちらも45000のチップを持ってます。
 フロップは5s6c7sでボトムペアとガットショット下ストドローができました。5のペアがベストハンドの可能性もありますが、フロップとターンで相手が激しくベットしてきたら、相手はオーバーペアを持っている可能性が高いでしょう。フロップでは、相手は1000ドルベットしてきました。3、4、5をキャッチするためにコールすると、ターンはJcでした。
 Jcでバックドアフラッシュドローになりました。3500ドルのポットで相手は、7000ドルのオーバーベットをしてきました。さて、ここでいつものルーティンワークです。

ポットオッズ:7000ドルで10500のポットなので、1.5:1
ハンドがよくなるオッズ:3×3枚、5×2枚、4×3枚+9枚のクラブで残り46枚中17アウツあります。1.705:1のオッズです。

たくさんのアウツはありますが、それでもまだベットにコールする適正価格には至っていません。インプライドオッズとブラフアウツを考慮しない限りは。完全に外れたカードがリバーで落ちる可能性は大ですが、ヒットしたように容易に見えるカードも多くあります。8ならオープンエンドストレートドローは完成です。9が落ちても8を持っていればストレートになります。フロップでフラッシュドローの可能性もあるので、リバーでスペードが落ちたら、容易にフラッシュを装うことができます。
ドローの種類によっては、リバーでヒットすると非常に大きなポットを取る可能性もあります。さらに、リバーでドローがヒットしたように見えるカードも非常に多く存在します。ストレートやフラッシュを作ることだけを望んでスーティッドコネクターをプレイすると、相手に読まれやすくなります。実際、相手は、あなたが間抜けなハンドのすべてをプレイすると知っていて、変なドローをキャッチして大きくベットするときは、ちゃんとハンドができていると知っていることでしょう。疑い深いプレイヤーは、あなたが計算されたブラフもしてハンドをミックスさせないなら、すぐにチップを振り込むのをやめてしまうと思われます。

7つのシナリオ

 7000ドルのベットにコールして、リバーで落ちるカードによって7つのシナリオを用意しました。

  1. クラブが落ちる
  2. ストレートができる
  3. トリップスができる
  4. ツーペアができる
  5. リバーで8が落ちる
  6. リバーで9が落ちる
  7. スペードが落ちる
1.クラブが落ちる

 明らかなことですが、クラブがヒットしてフラッシュが完成した場合、より多く稼げるようなバリューベットを行うべきです。17500ドルポットにありますので、諦めるほど多くはない9000〜12000ドルのベットで相手にプレッシャーを与えましょう。結局、フロップに1枚しかクラブがなかったので、相手はあなたがバックドアフラッシュを引いたと思うのは難しいと思われます。

2.ストレートを完成

 ストレートを完成させた場合、下のストレートではありますが、相手は保守的なプレイヤーなので、8を持っている可能性は低いと思われます。ベッティング額が上がっているのであなたには多くの選択肢がありますが、相手は、どんな額でもコールするのを躊躇するということを理解しておく必要があります。5000ドル程度でも相手からしぼりとれますが、7000ドル〜9000ドルのベットが妥当でしょう。ブラフするより幾分小さい額をベットすることでバリューベットを目立たせてはなりません。ブラフをする場合についても効果が薄くなるので小さい額のベットをしてはなりません。

3.トリップスを完成

 リバーで5が落ちることがおそらく最高の状況でしょう。相手は、AAを持っていた場合、5はグッドカードだと思うはずです。リバーでトリップスを引いて相手がオーバーペアを持っていると思うのなら、12000〜15000ドルほどリバーでベットすればかなり稼げるでしょう。

4.ツーペアをヒット

 相手は3をそれほど怖がっていないでしょうが、同時にそのカードでそれほどベットもしてこないでしょう。リバーであなたがベットしたとしても、相手は多分オーバーペアを持っていて勝っていると思うはずです。ここでも9000〜12000ドルくらいのベットをお勧めします。

5.8が落ちる

 リバーで8が落ちたら、ポットをスチールする絶好のチャンスです。本当にいいハンドを持っているときと異なるベットをしてはなりません。リバーで12000ドルベットしたら、相手は、コールするのが難しいでしょう。コールされるかもしれませんが、たとえ2回に1回コールされたとしても、リバーでのブラフは12000ドルのリスクで17500ドルのポットが取れる可能性があるので、利益の出る行為となります。

6.9が落ちる

 8が落ちたときと同様です。

7.スペードが落ちる

 フロップのベットでコールした場合、あなたが持っている可能性が最も高いドローがスペードのフラッシュドローで、相手も一番恐れているカードでしょう。相手から多くの額を引き出したいときと同じようにベットしなければならないので、12000〜15000ドルベットしましょう。すべてのシナリオと同様に、ベット額は、相手の傾向と相手が自分をどう思っているか、相手が見た過去の自分のハンドによります。


 したがって、17アウツしかないという事実にも関わらず、ブラフアウツを考慮することで、ポットをとれる可能性のあるカードが28枚に増えることになります。デックの半分以上になります。もちろんそれほど単純ではなく、時にはあなたがハンドをヒットした時にもトラブルに遭って負けてしまうこともあるかもしれません。しかし、全体としては、これらのプレイを組み込むことで、バリューベットとブラフの比率が上がるので、長期的には利益が上がることになるでしょう。

 ブラフは、あなたがベストハンドを持っているに違いないということが相手にとって明白なときに、散発的に行うのが最も効果的です。

ターンでのトップペアとオーバーペアのプレイ

 ディープスタックポーカーをプレイする際には、ワンペアだけではどんなに大きなワンペアであっても、フロップ後破産するリスクを冒すには十分ではないということを理解することが重要です。AAやKKでプリフロップでフォールドすることができないのは明白です。フロップでも、ターンにおいてポットをコントロール可能なサイズに維持する方が賢明です。しかしながら、ターンでは、ベットはより大きくなることが一般的です。ターンこそが、リバーまで勝負を続けた方がいいかどうか重要な決断を下さなければならなくなるポイントなのです。

ディープスタックポーカーをプレイする際には、ワンペアだけではどんなに大きなワンペアであっても、フロップ後破産するリスクを冒すには十分ではないということを理解することが重要。

 
オーバーペアやトップペアは、オーバープレイしてしまうことでトーナメントが終了してしまうプレイヤーも多い罠にかかりやすいハンドです。スモールボーラーとしては、ガットショットストレートを引いたときや、小さいトリップスを引いたときに、こういうタイプのプレイヤーをうまく仕留めたいものです。

 自分がオーバーペアを持っている側の人間だったとしたら、破産してしまいかねない罠を避けるということを熟考することが重要です。そのためには、ある程度の価値を犠牲にして、スタックを守るという名目でいくつかの勝負に負けることもあります。

ポジションのない場合のオーバーペア

 いくつか例を見てみましょう。

ハンドの例1

 50-100のブラインドで、プリフロップでAcAsで250のレイズをしました。ボタンとBBがコール。
 フロップはJd7d8sです。BBチェックで600ベットするとボタンがコールでBBはフォールド。
 ターンは6h。
 捨てるのが非常に難しい強いハンドを持っているため、この状況はかなり危険かもしれません。大きなトラブルに遭う可能性が容易に想定されます。このハンドでターンでベットした場合、レイズされて自分が勝っているか負けているか分らないのにポットがより大きくなるリスクがあります。
 ベットするかチェックするか決める前に、絶対的に考慮すべき重要な事項は、相手のプレイスタイルです。5つの項目をクリアーする必要があります。

  1. T9sのようなハンドでレイズにコールするようなプレイヤーか。
  2. フロップでKJのようなハンドでコールしたりレイズしたりするプレイヤーか。
  3. セットができている場合、フロップでスムースコールするプレイヤーか。
  4. ターンでベットしてレイズされた場合、ブラフでやるようなプレイヤーか。
  5. チェックした場合、ブラフをやったり悪いハンドでバリューベットするようなプレイヤーか。

 よく知らない相手に対しては、1200〜1400ドル位をベットすることをお勧めします。知らないプレイヤーにターンでレイズされたら、長考してどのようなハンドで負けているか考えるべきです。安全なのはフォールドして相手についてより多くの情報を得てその後のよりよい状況を待つことです。しかし、チェックすることもより安全なプレイでしょう。相手にベットされたら、コールしてリバーで何が起こるか確かめることもできます。このようにすることで、いくつかの利点があります。

  1. 危険な状況でポットを小さくすることができる。
  2. 負けたときの損失を最小化できる。
  3. 悪いハンドによるバリューベットを誘える。
  4. AJのようなハンドでブラフされることを避けることができる。相手がチェックすればそれはそれで結構でしょう。ターンで弱さを見せた場合、相手はリバーでベットした場合、通常よりも弱いハンドでもコールしてくれる可能性が高くなります。

 例えば、相手がTTを持っていた場合、フロップのベットにはコールするでしょう。ターンでは、チェックチェックになり、相手は自分がベストハンドを持っていると思うはずです。リバーが怖いカードでない場合には、ターンでベットした場合フォールドしていたであろう状況でもTTでリバーのベットにコールしてくれる可能性が高いです。ターンでのチェックで弱くみせることで、いくつかの利点がありますが、最も重要なのは、ポットを小さくしてスタックを守ることです。

ハンドの例2

 この考え方をよく表す例をもう一つ見てみましょう。
 ブラインドは600-1200でアンティが200のときに、SBの自分まで全員フォールドしてきました。ハンドを見るとKKで、3000にレイズしました。BBはコールでどちらも65000ドルのチップを持っています。
 フロップはTc4s4cです。4800ベットすると相手はコールしました。ターンは7d。
 どうすべきでしょうか。このようなフロップは、当たっているか外れているかどちらかのフロップです。すなわち、相手は既にあなたに勝っていて、2アウトしかない状態か、相手が2・3アウツしか持っていない状態のどちらかでしょう。灰色な部分などありません。このボードは守るべきドローもないので、チェックすることをお勧めします。

  1. 相手がターンでポットをスチールする意図でフロップでコールしたのであれば、そうさせてみればいいです。ターンで自分からベットすれば、相手はブラフをする気力を失うかもしれません。
  2. 相手がTを持っていた場合、きっとハンドをプロテクトしてくるでしょう。したがって、あなたがベットするかどうかとは関係なく、チップはポットに入ってくると思われます。
  3. 相手が4を持っていた場合、ベットしてくるでしょうが、相手はあなたに降りてほしくないはずです。したがって、相手は小さなベットをしてくるでしょうから、負けたとしても大きな損失にはならないと思われます。

 ターンでポジションのないときにアグレッシブとなることの問題は、熟考せざるを得ないような状況に自ら追い込んでしまうことになるということです。確かに、ターンでチェックして相手がベットしてきたときでも熟考するでしょうが、ベットのサイズが小さいので、その場合は簡単にコールできます。しかしながら、ターンで自分からベットして相手にリレイズされた場合は、かなり困難な状況に追い込まれます。相手が4を持っているのかTを持っているのか重大な決断を迫られることになります。どちらも可能性はありますが、たとえ捲くられている可能性が極めて小さなものであったとしても、このような状況に追い込まれることを避けるのがベストでしょう。

ポジションのあるときのオーバーペアでのプレイ

 上記の例は、ポジションのないときのものでした。今度はポジションのある場合のオーバーペアのプレイの仕方について検討してみましょう。

ハンドの例

 ブラインドが1000-2000のときにアーリーポジションからJJで5000にレイズ。BBがコールしてヘッズアップ。両方とも150,000ドル以上チップを持っています。
 フロップは、8s6d4cです。相手がチェックしたあと8000ドルベットするとコールされました。
 ターンは8cです。相手がチェックしてきました。この状況を読むと、相手は8を持っていないと思われますが、チェックした方がトーナメントでは無難なプレイでしょう。最も悪いシナリオは、フリーカードを与えてドローを引くチャンスを相手に与えることです。一方、ターンでチェックすることでいくつかの大きな利点があります。

  1. チェックすることでブラフされることを防ぐ。あなたがベットして相手がレイズしてきた場合、何ができるでしょうか。このような状況は避けたいものです。
  2. チェックすることでリバーでのブラフを誘えます。ターンでチェックしたら、相手は、リバーでハンドが良くなったか否かに関わらずベットしてくるでしょう。ターンでのチェックが弱さの表れなので、相手はドローをミスしたらブラフしてくるかもしれません。リバーが完全にラグだった場合、相手は、4や6を持っているだけで自分がベストハンドを持っていると思ってベットしてくるかもしれません。
  3. チェックすることでポットを小さいままにしておけます。JJはいいハンドですが、負けるハンドも非常に多くあります。

 多分ここまででお分かりのとおり、ターンでオーバーペアを持っているときの考え方は、興奮するよりも慎重にしなければならないというものです。ディープスタックトーナメントでは、ターンでオールインされた場合にオーバーペアだけで勝っていることはほとんどありません。トーナメントの終盤に近づけば近づくほどオーバーペアが勝っていることは多くなるでしょう。序盤では2367のボードでAAを持っているときにオールインされたとしてもうれしくなってはいけません。相手はセットを持っていなければストレートを持っているのです。どちらの場合も、残りツーアウトしかありません。

トーナメントにおける基本的な考え方

 近年の状況において成功するトーナメントプレイヤーになるための要素について、大きく誤解されていることがあります。よく耳にするのは、アグレッシブアグレッシブアグレッシブというものですが、中途半端な状況では慎重にプレイすることこそが、世界で最も成功しているプレイヤーとそれ以外のプレイヤーを分けるものなのです。

ディープスタックトーナメントでは、オーバーペアがターンでのオールインに対して勝っていることは稀である。

癖を見つける

 ターンで消費されるエネルギーの大半は、ハンドの詳細に費やされるべきですが、相手が見せている身体上の癖(Tell)も無視してはなりません。たとえ意識的には何も気づいていなくても、不思議と無意識のうちに気付いているものもあります。無意識が何か認識することでより良い決定ができるようになります。
 本能とか直感とか感覚とか呼ばれるものです。何千もの似たような状況に遭遇し、行動パターンを認識する大きなデータベースを盗聴するようなものです。このプロセスの特徴は、自分自身と調和して、無意識を盗聴する自分自身と会話するということです。決して科学的ではありません。「ヘイ、無意識君、彼はブラフしてるのかい?コールした方がいいかい、それともフォールドすべきかい?」とやってうまくいくようなものではありません。

 無意識のエキスパートになるべきだと言っているわけではありませんが、時には、他のプレイヤーを見て特に何も見当たらないと思っていても、何かが分ったような気になることがあるのではないかと言っているにすぎません。何を見たか言葉にできなくても、そこには何かあるのです。

 分りやすい例としては、私の友人で世界のトッププレイヤーの1人と評されるJennifer Harmanが挙げられます。Jenniferは、ブラフを嗅ぎ分ける驚異的な能力を持っており、相手の弱点も即座に見抜きます。彼女はしばしば、極限までにプレッシャーのかかった状況の中非常に素晴らしいリスキーなコールをしますが、なぜコールしたのかと聞いても多分「彼がブラフしていると分っただけなので、分からない。」と答えることでしょう。
 「でも、どうやってそれが分ったんだい、Jennifer?プレイの仕方?癖があったの?いったいどうやって?」と聞いても「分らないけど、何かが彼がブラフしてるって教えてくれたの。」と答えるだけでしょう。
 相手がブラフしていると彼女に「告げた」ものは、彼女の無意識です。非常に多くのハンドを見てきたので、癖をつかんだり、癖を意識させるのが得意になってきたのだと思われます。Jenniferは、このような「感覚」に耳を傾けることによって、大きく優位に立っているのです。

探すべき4つの癖

 しかしながら、意識的に癖を探す手がかりもいくつかあります。注意してみましょう。

1.先走り

 早々とチップに手を伸ばす傾向があるプレイヤーがいます。気をつけましょう。このようなプレイヤーに対してベットしようと思っている場合は、時間をかけて熟こうすべきです。何秒か余分に掛けることで、あなたが実際にベットする前に相手がその意識を表に出す場合があるのです。しかしながら、相手が役者であなたがベットしないようにチップに手を伸ばしている場合もあるので、気をつけましょう。

2.アクションのスピード

 相手がターンのベットにコールするまでにいくら時間をかけたかよくよく注意して、パターンを掴みましょう。例えば、ターンで素早くコールしたプレイヤーはドローを持っているか自分がベストハンドでないということを分っているということです。また、完全に違うこともあります。相手から素早くコールされた場合、相手はリバーでベットされたくないと思うあまり「コールするからリバーでベットしようなんて思うなよ。」と言っているのかもしれません。
 どのような癖にも複数の意味があります。相手がアクションで示しているものを正確につかみ取ることが重要な仕事です。

3.カードプロテクター

 これはめったにありませんが、これから言及するようなプレイヤーを見つけた時は、相手を比較的簡単に食い物にすることができます。基本的には、相手がハンドをどれくらいプロテクトするかに注意しなければなりません。通常はチップをカードに置く相手が置かなかった場合、相手はこのハンドに全く興味がないということを示しています。また、過剰にハンドを守っているように見えるならば、モンスターハンドを持っていて、何も起こってほしくないと思っていることを表わしている可能性もあります。

すばやいチェック

 常に注意を払うことが身体的な癖を見抜く最善の方法です。しばしば、ターンでチェックを非常に素早くするプレイヤーがいます。プレイヤーにもよりますが、チェックレイズをしようと思っているかドローかのどちらかの可能性があります。すべてのプレイヤーで異なりますが、そのアクションがどちらの意味か見分けなければなりません。どの例も異なっていますが、それを見分けることがあなたの仕事です。すべてを私が提示することなどできないのです。

フリーカードを与えること

 この章を通して、ポットを守るだけでなくスタックを守ることの重要性を強調してきました。この哲学の結果、相手にフリーカードを与えることも多々あるでしょう。しかしながら、フリーカードを与えたとしても、一般に思われているほどの大罪ではありません。リミットホールデムでは、フリーカードを相手に与えることは愚かだと言えますが、ノーリミットでは、生き残るために必要な選択肢であり、アグレッシブな相手なら破産してしまうような罠を避けることもできることになります。
 スモールボールをプレイすることで、ビッグベットポーカーをプレイするときよりも、ひどくやられて大きなポットを取られることもあることを理解することは重要です。これは悪い方のニュースです。いいニュースは、辛い状況でも耐えられるほど感情的に安定しているのなら、スモールボールをプレイすることで持ちチップのすべてを危険にさらすことなくトーナメントでより長く生き残ることができるということです。
 例を見てみましょう。

ハンドの例

 1500-3000のときにプリフロップで例とポジションからJJで8000にレイズしたところ、BBが20000にリレイズしてきました。あなたも相手も400,000のチップを持っているのでコールしました。
 フロップは、9c7d2hで相手が30000ベットしてきました。あなたはまだ自分がベストハンドを持っているか分らないのでコールです。ターンは2sです。
 相手はAKを持っていると思わせるためにチェックしてきました。基本的なプレイは50,000くらいのベットでしょう。しかし相手はトリッキーなプレイヤーでAAやKKを持っていて罠を仕掛けている可能性もあります。チェックレイズされたら、相手にブラフする機会を与えたことになり、フォールドせざるを得なくなるでしょう。その代わりにチェックしてフリーカードを与えた場合どうなるでしょう。相手がAKを持っていた場合、6アウツ(A×3、K×3)しかありません。14%しかAかKを引けません。同時に、相手がAAやKKで罠を仕掛けている場合は、2枚残っているジャックを引くチャンスを自分に与えることになります。
 リバーがブランクなら、相手はAAやKKならベットしてくるでしょうし、その場合、JJで十分かどうか判断しなければなりません。相手がチェックしてきたら、JJでバリューベットすることを考えるべきでしょう。この時点では、あなたはターンで弱さを見せているので、相手はAハイでもコールしてくると思われます。相手が66や88を持っている場合は、50000のバリューベットでもコールするでしょう。
 この状況は、ガスハンセンが以前私に語ってくれたプレイヤーを思いだします。ほとんど同じ状況でした。

ハンドの例2

 ガスはJJでレイズしたところBBにリレイズされました。ガスは相手がタイトプレイヤーだと知っていたので、多分AKかいいペアを持っていると思ったので、コールしてフロップをヒットするのを待つことにしました。
 フロップは、7c2s3dでBBはチェックしました。相手を知っているのでガスは相手が罠を仕掛けていると踏んで、チェックしました。ターンは2でした。
 相手がまたチェックしてきました。ガスは相手がAAやKKで2度チェックするはずはないのでAKを持っていると思いました。しかしながら、ガスは相手がオールインにAKでコールするわけはないとも思っており、また、リバーでAKハイではベットにコールできないとも思っていました。
 よって、ガスは14%しか負ける可能性がないので、チェックしてベストハンドを持っているかどうかを確かめることにしました。リバーでAやKがヒットしたら、ガスはトーナメントから敗退してしまう可能性もありますが、捲くられるリスクがないならリバーでも必ず勝っていてポットを取れると思っているので、チェックしても何も失うものはありません。
 これは明らかにリーディングが意味のない典型的な状況です。しかしながら、大きな教訓も与えてくれます。(ところで、ガスはリバーで4が落ちた時に、オールインしてAKの相手にコールしてもらってダブルアップしました。)すなわち、相手に小さなポットにおいてフリーカードを与えて捲くられる方が、バッドビートをくらって負けてしまった場合、トーナメントライフを失ってしまうような大きなポットをプレイするよりもずっとよいということです。

大きな考慮のもと弱気なプレイをすること

 ポーカーの理論家の多くは、プレイするハンドごとの期待値を最大化させることが最善策だと主張して上記の段落について強く反対するでしょう。しかしながら、もう少し考えなければならないことがあります。すなわち、仮に小さなポットを集めてトーナメントで上手くプレイしていて、その後もずっと続けられると思っている場合、14%の破産のリスクなど冒す必要があるでしょうか?5:1の確率で破産するのはそれほど悪いことではありませんが、スタックのすべてを失うリスクを避ける他の選択肢があるのなら、どのような観点からも「弱いプレイ」をすることを考えるべきです。
 この考え方は、多くの人々が首を傾げる難しいものです。トーナメントポーカーは、キャッシュゲームでのプレイとは異なります。キャッシュを賭けてプレイしているのであれば、重要なのは、最も高い期待値を追求することです。しかしながら、トーナメントにおける期待値は、破産してトーナメントから退出する確率と直接に結びついています。いつもプロが「じゃんけん」を避けたいと言っているのはこのためです。Phil Hellmuthのようなプレイヤーが、相手がAKを持っていて57%の確率で勝っていると思っていても、プリフロップでTTをフォールドする理由もそうです。このようなリスクを冒さずともスタックの山を築けると強く思っていて43%の確率でトーナメントから退出するリスクを冒したくないと思っているからです。
 私も同じ考えです。あなたが100万ドルイベントでコンスタントに勝ちたいと思うのであれば、このような考え方こそ受け入れるべきなのです。

((5)につづく)