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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 Daniel Negreanu's Small Ball(2)

ポーカー戦略

ベッティング

 Small ballプレイの秘訣は、プレイするハンドを選ぶことにあるのではなく、むしろ、プレイする様々なハンドにおいてどれだけの額をベットするかを決めることにあります。この章では、より少ないベットでより多く勝つ方法を教えます。チップを減らすことなくプリフロップでより多くのハンドをプレイしないで済む方法が分かるでしょう。

 異なるシナリオでどれくらいのベットをプリフロップですればいいかも紹介します。どのような場合にコールし、リレイズし、リンプし、ときにはフォールドすべきか紹介します。

プリフロップレイズ

 標準サイズのプリフロップのレイズは3BBだというのが一般的な意見です。例えば、ブラインドが400-800でアンティが100のとき、9人テーブルであれば$2100を獲得するために、$2400のリスクを負うことになります。誰もレイズにコールしない場合は、投資に対する適切な利益になります。2つのハンドで連続してレイズして、1回は全員フォールドして、1回は2人にオールインされてフォールドせざるを得なくなった場合、トータルの損失は、たった$300です。

 これはそんなにひどい結果ではありませんが、レイズの額を2.5BBに減らした場合はどうなるでしょうか。$2100のポットをとるのに$2000のリスクを負うことになります。

 トーナメントの間ずっと2.5BBのレイズをし続けて、誰かにコールされたらフォールドするというのを続けた場合、相手がプリフロップで50%以上フォールドした場合、チップの山を築くことができます。検証してみましょう。1つ目のハンドで$2000のレイズをしてみんなフォールドしたら$2100のポットが手に入ります。次のハンドでもスチールを試みたところ、$10000のリレイズが入ったとします。ゴミハンドでレイズしていてフォールドした場合には、$2000の損失となります。

 明らかなことですが、プリフロップでアグレッシブになればなるほど、プリフロップでみんながフォールドする確率は低くなります。相手があなたをルースプレイヤーだと思ったら、タイトプレイヤーとプレイするときより若干中途半端なハンドでもブラインドを守ろうとするでしょう。これはあなたにとって悪いことではありません。しばしば、相手よりいいポジションにいてフロップの後でポットを獲得する機会を得ることもあるでしょう。このことについては次の章で解説します。

タフプレイヤーに対するレイズ

大きなレイズより2.5BBのレイズの方がコールしやすくなるので、レイズ額に基づいてある特定の相手をフォールドさせたい場合には額を変えることになります。レイズの大きさを自分のハンドの強さで変えることは全くお勧めしませんが、相手のレベルに応じて額を変えることは重要です。

 例えば、若干タイトでレベルの低いテーブルですが、一人だけ強いプレイヤーがいるテーブルでプレイしていたとします。彼がBBのときにレイズした場合には、かなりの確率でブラインドを守るため、フロップのあとも勝負をしなければならなくなるでしょう。そのようなテーブル唯一のタフなプレイヤーと勝負したいと思いますか?勝負を避けるために、彼がブラインドのときには、4BBやときには5BBのレイズをしましょう。テーブルの他のプレイヤーはこのベットに戸惑うでしょうが、特定の勝負でなぜ多くレイズするかを説明する必要などどこにもありません。


このようなプレイは、タフな相手のハンドを推測するのにも役に立ちます。というのも、大きなレイズに対してプレイできるハンドは限られているので、相手のハンドの範囲が狭まるからです。タフなプレイヤーに対してたった2.5BBのレイズをしたとしても、相手のハンドの強さを測ることは極めて困難です。弱いプレイヤーに対してはより小さなレイズをしても問題ありません。フロップ後に彼らがするかもしれないミスは、相手のハンドを特定することをあきらめることにより失われる利益よりも大きくなりがちだからです。

より少ないチップでより多くのアクションを

 アグレッシブですがベッティング額の少ないプレイスタイルを取る最大の利点は、強いハンドが来たときに、より小さいリスクを取ってより多くのアクションを取ることができるということです。たとえば、AAのようなプレミアムハンドが来たときを例にとってみましょう。過去4回の勝負で3回レイズしていた場合、相手はあなたがごみ手でブラインドスチールしようとしているのではないかと疑うことでしょう。自分の後ろのプレイヤーが77を持っていた場合、自分がベストハンドを持っていると思い、あなたをフォールドさせようとするためプリフロップでリレイズをしようとするかもしれません。

 プリフロップでもう一度リレイズをした場合、相手は、「ワイルドなイメージ」に驚いてコールすることでしょう。相手はあなたのことをすべてのハンドでレイズするプレイヤーだと思っているので、プリフロップのレイズとリレイズの差を区別することはできないはずです。レイズの後のリレイズスチールは、あなたのイメージがワイルドな場合は、必ずしもうまくいくプレイではありません。ほとんどの場合、リレイズにレイズするときは、いいハンドを持っていなければなりません。このプレイはスモールボールポーカーとフィットしません。


しかしながら、全くやめてしまうべきプレイではありません。特に相手があなたがリレイズしてきたときには、あなたが本当に強いハンドを持っていると知っている場合にはそうです。


何年も前にノーリミットホールデムトーナメントでO'Neil Longstonがプレイするのを見て、この狂気の方法がうまく機能するということに初めて気が付きました。ブラインドが50-100のとき、O'Neilは、ほぼすべてのハンドでレイズしていました。しかし、レイズのどれもがミニマムレイズでした。200にレイズして、誰かがリレイズしたらほとんどすべてのハンドでフォールドしていました。


200にレイズして若いプレイヤーが99で1200にリレイズしました。O'Neilのアクションになって、彼は「オールイン!」をして上に8000レイズしました。相手は、すぐにコールしましたが、O'Neilは、KKを持っていました。


部屋を出るときに若いプレイヤーは「信じられない!なんてアンラッキーなんだ。毎回レイズしてたのに、俺のときだけKKを持っているなんて。」とコメントしていきました。しかしながら、このプレイヤーが見落としていた点は、O'Neilは毎回レイズしていましたが、リレイズを実際にしたのは今回が初めてだということです。最初のプレイヤーとしてポットに参加するのと、リレイズオールインするのとでは大きな差があるのです。

リレイズよりコール

 テレビでコメンテーターが「ここはレイズするかフォールドするかどちらかの状況ですね。」とコメントするのを本当によく聞きます。実際には、そのような状況ではコールすべきなのです。自分がテーブルで上手い方のプレイヤーである場合は、プリフロップではなく、フロップ後に難しい判断を行う機会を最大限活用したいはずです。チップを守るのは安全な方法ですが、相手よりもフロップ後に正しい判断ができることでしょう。


 私はどんなハンドを持っていたとしても、めったにプリフロップでリレイズしません。リレイズしないことで、自分のハンドの強さをプリフロップで隠すことができますし、疑うことを知らない相手のプレイヤーに自分のスムースコールをハンドの弱さの表れと勘違いさせて罠にかけることもできるのです。AAを持っているときにプリフロップでリレイズしないことによって、私は多くのプレイヤーを飛ばしてきました。もちろん、フロップで捲くられるリスクはありますが、得られる報酬はそのリスクをはるかに上回ります。


 例えば、アーリーポジションからレイズが入って、相手がAK、AQか大きなペア(JJ〜AA)を持っていると予想します。あなたはボタンで77を持っています。多くのコメンテーターがこれはレイズするかフォールドするかの状況だといいますが、フォールドすることはたまには正しいでしょうが、ここでリレイズするのはめったに正しい選択ではありません。相手は大きなペアを持っているときかAKのようなジャンケンハンドを持っているときにしかコールしないのですから。


 チップ量が十分に多い場合には、ここでのベストプレイはコールです。そうすることで、フロップ後にポジションのある状況でプレイできますし、幸運にもフロップでセットを引けた場合には、相手のチップのすべてを奪える可能性もあります。また、フロップが、942や843のようなラグだった場合には、あなたがベストハンドを持っている可能性もあります。フロップ後に相手のベッティングに基づいていつまで付いていくかを決めることができるはずです。


 77でリレイズした場合、相手にリリレイズしてあなたを追い出すチャンスを与えることになります。77のような「飛びハンド」では、目標はフロップをできるだけ安く見ることです。プリフロップでリレイズしてしまうと、相手がまたあなたに優位に立つ可能性があり、勝っているハンドでフォールドさせるよう仕向けるかもしれません。これは極端に悪い結果ですが、相手がAAを持っているときに相手を飛ばすチャンスを失うかAKのようなハンドを持っているときにセミブラフをするチャンスを与えてしまうことになります。


 私自身このゲームのプレイの仕方を学んでいく過程で、左にいるプレイヤーが私のレイズのすべてにスムースコールをしてイラつかされた経験も多いです。相手がリレイズした場合には、決断は簡単になりますが、ノーリミットテーブルで一緒になりたくないプレイヤーは、プリフロップでポジションのある場合にコールしてくるプレイヤーです。自分もそういうプレイヤーになりましょうよ。


 ここでこのやっかいで小さな戦略が生まれました。ほとんどのプレイヤーはフロップ後のプレイで最も大きな弱点を示します。多くのプレイヤーは、本を読んで様々なプリフロップのシナリオでのプレイ方法を学んでいますが、フロップ後は、あまりにも多くのバリエーションがあって、マスターするのは至難の業です。


 そこで、フロップ後よりプリフロップで強いプレイヤーとプレイする時には、リレイズするのではなく、単にスムースコールすることでより多くのフロップで戦うことが合理的となります。この戦略は、プリフロップでオーバープレイをするプレイヤーに対して特に重要です。たとえば、99、AK、AQのようなハンドでリレイズするのが好きなプレイヤーに対しては、ベストハンドであってもプリフロップでリレイズすることは避けなければなりません。JJ、QQ、AKのようなハンドでさえも、まずはフロップを見た方が良いことがしばしばです。うまいプレイヤーはレースをしたいと思いませんが、彼らは思います。プリフロップで中途半端なハンドでリレイズすると、あなたのフロップ後のスキルが無効化された状態で勝負をすることになってしまいます。

Dead Money Grabs

トーナメントポーカーでは、「Dead Money Grabs」というような若干リスキーなプレイが高い成功率を示したりします。Dead Money Grabsとは、フロップ後に全くハンドをプレイする意図を持たずに途中で勝つことのみを目的とするプレイ方法です。次のベッティングラウンドをプレイするつもりが全くないので、ハンドの価値は、基本的に意味のないものになります。実際、中途半端なハンドを持っていた場合は、全くDead Money Grabsを試みないほうがいい状態になり、安くフロップを見た方がよいです。

一つのルールに執着してほかのものを全くやらない場合、完璧なプレイヤーとは決して言えません。このようにして、ポーカーが成功したプレイヤーにはうまく働くというわけではありません。Dead Money Grabsは、フロップ後ではなくプリフロップでチップを勝ち取ろうとするという点でSmall Ballの考え方とは大きく異なります。

ノーリミットゲームで、Dead Moneyをつかむ方法をいくつかご紹介しましょう。

1 ポジションのあるリンパーを打つ

 リンパーのチップを奪おうと決めた場合、注目すべき最も重要なリンパーは、最初のリンパーです。基本的に、このプレイは次のように働きます。ブラインドが100−200でアンティが25のとき、最初のリンパーがUTGにいました。更に2人リンパーが入ってきて、ボタンもリンプしました。SBで自分のハンドを見ると93oでした。

 最初のリンパーのハンドが弱いと読んだなら、このポットを奪い取るチャンスです。ポットは1325ドルで、若干大きなレイズをすれば、次の場合にはかなりの確率でポットを取ることができます。

  1. BBが強いハンドでない場合
  2. 最初のリンパーが罠を仕掛けているのでない場合
  3. リンパーの全員がショートスタックでない場合
  4. テーブルが非常にルーズで弱いハンドでも大きなレイズにコールしてきたような場合

 
もし、このプレイをするのであれば、$1000以上のレイズをしなければなりません。$1000のレイズでは、すでにポットが大きくなっていることも合わせると、77や88のようなハンドでフロップセットを引きに行くことが可能になります。実際には$2000を超えるようなレイズをすべきでしょう。


$2600のレイズをしたとします。基本的に2:1の確率でプリフロップで皆フォールドするでしょう。全然悪いベット額ではありません。ほとんどのテーブルでは、このプレイによって66%以上勝つことができるでしょう。しかしながら、何回かこのプレイをする場合、最終的に相手に捕まるまでその効果は徐々に薄れていきます。チップが減るかもしれませんが、AAやKKのようなハンドが同じ状況で来た場合には、誰もあなたのレイズを信用しないのでかなり役に立つかもしれません。このプレイは多用したいと思うものではないでしょう。

また、このプレイによってチップの大部分を失うリスクを負うべきではないということを常に心にとめておかなければなりません。もし自分のチップの大半をかけてしまった場合、ゴミのようなハンドでポットコミッティッドになってしまうかもしれません。例えば、$5000持っているときにDead Money Grabsをやろうとして$2600賭けると、トラップを掛けられていて相手にレイズされた場合、96のようなハンドでもポットコミッティッドになってしまいます。決してひどいハンドでポットコミッティッドになるような状況に陥ってはいけません。

2 Coming over the top

 相手だけを正直者のままにしておいて、ポットのすべてが自分のところに来るようにするために、時には、プリフロップでリレイズして大量のチップを賭ける必要もあります。これはリンパーを叩くのと似ていますが、リレイズで大量のチップを賭ける前には、いくつか熟慮しなければならない事項があります。

a.自分がいくらチップを持っているか?

自分がショートスタックであったり、プリフロップのリレイズが自分のスタックの大部分を占めるものになってしまう場合には、あきらめましょう。

b. 相手がいくらチップを持っているか?

 例えば、相手がレイトポジションから$600にレイズしてきたとします。相手のチップは$1200しか残っていませんでした。この場合、$1800を賭けるのに相応しいハンドを持っている場合でなければ勝負してはなりません。一般的に、チップ量の25%以上をレイズした相手は、どれほどリレイズしてもコールするものです。

c. 相手は自分のことをどう見ているか?

 すでに何回も同じ相手にオーバーベットを仕掛けている場合、ビッグハンドを持っているのでなければ、もう一回同じことができると思ってはなりません。明らかに不満が溜まっていそうな場合には、その相手が落ち着きを取り戻して、あなたのテーブルイメージが回復するまで、同じ相手にオーバーベットをしかけるのはやめましょう。プリフロップで何度もリレイズされるのが好きな人間はいません。いつかは噛みつかれることになります。

d. いくらのリレイズする必要があるか?

 決して相手がポットに参加してくるような額のレイズをしてはなりません。たとえば、あるプレイヤーがレイトポジションから$600のレイズをしてきて、あなたがBBからQ2oで$1200にリレイズしたとします。これはとんでもないプレイです。相手はこの状況ではどんなハンドでもコールするでしょう。ポジションのない状況で単にポットを大きくするだけで、全くいいプレイではありません。


 どの相手も異なる考え方をし、様々なベットのサイズについて異なるリアクションをするものです。注意を払い相手がリレイズされたときにどのような反応をするか留意することこそがあなたのやるべきことです。たとえば、プレイヤーXが$300にレイズして他のプレイヤーが$900にリレイズしてきたときに、Xが即座にコールしたとします。ショーダウンの際、XがQTのようなかなり弱いハンドでリレイズにコールしていた場合には、あなたがXにオーバーベットをする場合には、このレイズよりもさらに大きなレイズをすることが必要になるという手がかりが得られます。この相手の$300のレイズをスチールしたいときには、多分$1200〜1600のリスクを負わなければならないでしょう。


 このような相手にオーバーベットをするのはそもそもよくないアイデアかもしれないというのは別にしても、相手がリレイズされたときの傾向について手がかりがない場合には、一般的には、相当大きなリレイズ、最初のレイズの4倍のリレイズくらいをしなければなりません。


 $500のレイズをされて、このポットをスチールしたいと思う場合には、$2500位のリレイズをするのがベストでしょう。このサイズ以上のリレイズをすることによって、相手のハンドの強さについて明確な推測がある場合には、かなりの確率でポットを取ることができます。相手がコールしてきたり、ベットにリレイズしてきた場合には、相手は本物のハンドを持っている確率が極めて高いです。要は、損失をカットしミッションを切り上げるいい潮時だということです。


 有効なdead-money grabのバリエーションはいくらでもあります。ハンドが全く来ないトーナメントで長期間の勝負が避けられない場合は特にそうです。単にいいハンドが来るのを待っているだけでは、大きなトーナメントで勝利することは期待できません。焦点を絞って、自分のテーブルイメージを常に意識して、誰も参加しそうにない場合にはプリフロップでポットを奪うよう常に努力することが必要なのです。

リレイズへの対処

スモールボールをプレイしていると、ほとんどの場合について、多くの勝負に参加することになり、そのうちの大半について2.5BBのレイズで参加していることになります。そうした場合、明らかなことですが、プレミアムハンドを持っているプレイヤーや、時にはブラインドをレイズされることにうんざりしたというだけのプレイヤーからリレイズされるような様々な状況に直面するでしょう。

一般的に言って、リレイズされた場合には、状況が本当に適切なときでなければ、ハンドを捨ててしまうべきです。フロップを見に行くことが適切な状況か否かを決めるに当たっては、次のとおりいくつかの要素があります。

1 ハンドの強さ

これは本当に重要な要素です。AAやKKのようなプレミアムハンドを持っている場合には、レイズに対してプレイできるだけでなく、通常はプリフロップでリレイズもすべきです。

2 リレイズがミニマムだった場合

ブラインドが100-200であなたが500にレイズした場合、相手が800にリレイズしたとします。この場合、たとえ相手がAAを持っていることを確信していても、フォールドするのは正しくありません。実際相手がAAを持っていることを知っていても、フロップで相手を逆転するために追加で300のコールをする価値は十分にあるのです。ミニマムレイズは、ポットに少しのチップを加える以外には何ら効果を示すことができないという点で、最近では「意味のない」レイズと呼ばれるようになってきています。最初のレイザーがプリフロップでミニマムリレイズに対して、フォールドすることはめったにありません。

3 ポジションがいい場合

 ポジションは力です。したがって、リレイザーのポジションがいい場合には、よほど強いハンドを持っているのでなければレイズにコールすべきではありません。しかしながら、リレイズしたプレイヤーのポジションが悪い場合には、中途半端なハンドでもコールしてもよいかもしれません。たとえば、T8sでセミスチールを仕掛けた場合、ブラインドが100-200で500にレイズしたとします。BBが1500にリレイズした場合、ポジションもあるので、フロップをキャッチするいいチャンスかもしれません。ポジションがない場合には、レイズへのコールが妥当というのは難しいでしょう。

4 チップ量

 ハンドの強さのほかに、チップ量も間違いなくレイズにコールするかどうかを決める際に最も重要になる要素です。66や78sのような飛びハンドは、チップ量が少ない場合よりもチップ量が多いときにうまく活用できるハンドです。たとえば、トーナメントの序盤でボタンから78sで150レイズして、残り9850のチップがあるとします。SBが500のリレイズをしてきた場合、あなたはポジションがあるだけでなく、フロップが当たればホームランになるようなハンドを持っています。したがって、この場合はコールすべきで、
a. ボードが当たるか
b. ボードのカードを使ってブラフをする
ことでポットを取ることが期待できます。

 ボタンが78sを持ってブラインドが1500−3000だった場合はどうでしょうか。88000のチップを持っていて、SBが112000を持っていた場合、ボタンから8000でレイズしたとします。SBが30000のリレイズをしてきた場合、やるべきことは何もありません。ホームランを打つこともできません。ここでコールするのは、あまりにも大部分のチップをコミットすることになります。一般的に10%以上のチップを飛びハンドに賭けることは正当化できません。

 スモールボールスタイルのポーカーを真剣にプレイするのであれば、多くの勝負に参加して、リレイズされることにも慣れなければなりません。予想以上にリレイズされたとしても平静を保つことが重要です。不用意なコールをして戦略から外れてはなりません。QJ、KT、KQのようなハンドにリレイズされてダウンするのが難しくなってきたら散歩でもしましょう!このようなハンドはどれもプリフロップのリレイズに対処できるようなハンドではありません。伝染病には罹らないようにしましょう。

オールインにコール

 トーナメントの終盤では、多くのプレイヤーがショートスタックになっていき、その結果、リレイズオールインやオールインベットと何度も対決することになるでしょう。オールインをされた場合にコールするか否かを決めるときは、次のような思考プロセスを採用することができます。

1 相手はどの程度のハンドを持っていそうか?

 相手のハンドを推測するに当たっては、相手の自暴自棄度を含めたすべての要素を勘案すべきです。たとえば、ブラインド1500-3000でUTGから8000のオールインをしたプレイヤーがいた場合、相手が持っていそうなハンドは、Aが1枚あるだけといったハンドも含め相当広い範囲に及びます。あなたにチップがあって77のようなハンドを持っている場合には、このような自暴自棄オールインにコールすることも可能でしょう。
 また、タイトなプレイヤーがオールインしてきた場合には、相手の傾向や彼の前のプレイヤーのアクションに基づいて、持っていそうなハンドの予測を相当限定することができます。タイトなプレイヤーが後ろにまだ数人のプレイヤーが残っているのにオールインしてきた場合には、相当強いハンドを持っている可能性が高まります。

2 どの程度の額を賭けないといけないか?

 ベットに直面した時に、最初にしなければならないことは、すでにポットに入っているチップ量とベットされた額との比較、いわゆるポットオッズの計算です。この習慣は、ノーリミットホールデムのトーナメントを普通にプレイするのであれば、常識的なものとすべきで、いずれそうなるでしょう。

 例えば、ブラインド2000-4000でアンティ500の9人テーブルで、10000のレイズをしたとします。ボタンのプレイヤーが計34000のオールインをしてきてあなたに順番が回ってきました。すでにポットには、54500が入っています。あと24000のベットで54500を取るチャンスがあるということです。(2.27:1のオッズです。)計算機を持ってくる必要はなく、それほど難しい計算でもないでしょう。

3 相手が持っていそうな範囲のハンドほど自分のハンドは強いか?

 ポットオッズを計算したら、相手の持っていそうな範囲のハンドと自分のハンドを比較しましょう。若干トリッキーになるかもしれず、正確な計算ではないかもしれませんが、機能させるためには若干時間を割く必要があります。

 例えば、自分がA9を持っていて、現時点では最悪のハンドだと確信しているとします。相手がAAを持っている場合には、完全に死んでいますが、他のどんなハンドでも2:1のオッズより若干悪い程度になります。実際、77や88を持っている場合は、じゃんけん勝負になりますし、たとえ相手がAKを持っている場合でも、最悪の状況(AAを持たれているとき)より若干悪くなるだけです。したがって、(2.27:1のオッズがある場合には)コールします。

 オールインベットにコールする場合に、自分がベストハンドを持っていると思っていたとしても、それだけでコールすることができない人もいます。オッズが良ければいい投資になるので、ただそれだけの理由でコールすればいいのです。

 極端な例をあげると、1、2又は3の数字を引いてどの数字を引いたか当てるゲームで、正解するとあなたの勝ちで不正解なら私の勝ちというゲームです。長期的には、勝率は33%になります。さて、お互いに$100ずつ賭ける場合、あなたにとって愚かなベットになります。$100賭けて勝てば私が$400払う場合はどうでしょうか?実際に勝てる可能性は低いという事態にも関わらず、このベットは素晴らしい価値を持つことになります。トントンになるためには、4分の1の確率があればよいことになるので、実際いい勝率のゲームになります。


 ポーカーのハンドで考えてみましょう。私がA9sを持っているときにあなたはKKを持っているとします。すでに$200ポットに入っていて、あなたは残り$100をオールインします。この場合、あなたの方が勝率はずっと高いでしょうが、このベットにコールできないほど私はバカではありません。$100のリスクで$300取れるので、3:1のオッズがあればよく、私のハンドは2:1で不利なだけですから。

ショートスタックでのプレイ

 スモールボール戦略は自由なまでにプリフロップで多くのハンドでレイズするので、不幸にも、チップが少なくなった場合には、スモールボールによってチップを窓から放り捨てているようになってしまうこともあり得ます。スモールボールを効果的にするためには、プリフロップのレイズは、スタック全体のごくごく小さいものである必要があります。スタックが20,000でブラインドが50-100のときの250のレイズは、スタック全体の1%にもなりません。しかしながら、20,000のスタックでブラインドが2000-4000のときは、通常のスモールボールレイズは10,000になるので、スタックの半分を使うことになります。この場合、スモールボールは意味がありません。

 しかし、ショートスタックになったとしも、フロップ後にスキルを活用する方法もまだあります。若干クリエイティブになって、リンプすることもレパートリに加えればよいのです。
 例えば、KJsを持っていて、スタックは100,000でブラインドが3000-6000、アンティ1000のときは、通常のスモールボールレイズは、15,000となり、スタックの15%を占めることになります。この場合、このようなハンドはレイズされたらフォールドしなければならないため、投資すべき額を超えていることになります。KJは、プリフロップでオールインできるハンドではありませんが、フロップ後では強いハンドになりうるハンドです。
 ここでリンプすることにより、フロップをキャッチする可能性が増します。ショートスタックになった場合のゴールは、できるだけ多くのフロップを見ることです。相手は、あなたのリンプを罠と誤解してAAやKKを持っていると恐れるかもしれません。また、とにかくレイズするプレイヤーもいるかもしれませんが、そのようなプレイヤーに15,000の通常のスモールボールレイズをしたとしても、リレイズされていたことでしょう。レイズされたら、小動物の用にプレイしなければならず、そのハンドをあきらめて、9000節約することで94,000のチップを残すべきです。

 いよいよ状況が寒々しくなってきたなら、リンプをポートフォリオから外す必要が出てきます。スタックが10BB以下になったら、自分が待っていたハンドが来たらオールインするしか選択肢はありません。

 スモールボールはスタックがアベレージ以上ある場合に最も効果を発揮します。スモールボールは、大きなリスクを負うことなくチップを増やし続けることに役立つスタイルです。いったん、ディープスタックポーカーをプレイする能力がなくなったなら、慎重にプレイして、いいハンドと状況を待って、最善の結果を期待するといった伝統的なアプローチに戻る必要があるのです。

フロッププレイ

 スモールボールのコンセプト全体のポイントは、フロップ後に相手を負かすことができるというものです。最初の3枚がボードに出た後にいい判断ができるプレイヤーが世界で最も上手いプレイヤーなのです。偉大なプレイヤーになるのがゴールであれば、向上させなければならないもっとも重要なスキルは、フロップ後のプレイです。プリフロップのプレイは、幾分システマティックです。フロップ後は、本当に多くのバリエーションのプレイが取り得、より難しい判断が必要となります。

 この章では、小さなプリフロップレイズによってフロップ後どれくらい簡単にかつリスクをすくなくしつつポットをスチールできるかを紹介します。また、ポジション、相手の傾向、自分ハンドの文脈に基づいてどのようにプレイすべきかについても言及します。この議論によって、プロのプレイの判断の理由を理解しやすくなるでしょう。いったん理解できれば、いくつかのシンプルなルールに従うことで、これらのタイプの決断を自分自身でも下すことができるようになります。

スモールボールレイズによってフロップ後より多くのチップを獲得することができる。

 前の章で、プリフロップのレイズを相手がゴミ手をフォールドするが中途半端なハンドではコールせざるをえないような額として十分な2.5BBにまで抑えるべきだと言及しました。

 通常のプリフロップレイズは、3〜4BBくらいでしょうが、多くのポットに参加して頻繁にレイズをするつもりなら、長期的に見てレイズの額を低くした方がよいでしょう。そうすることで、レイズするたびに誰かにリレイズされた場合に失うチップの額を少なくできますし、BBのプレイヤーを(1)守りたかったハンドでもフォールドさせたり、(2)中途半端なハンドでポジションもないのに勝負させたりするよう追い込むことができます。

 典型的な勝負を見てみましょう。ブラインド100-200でアンティ25でKToで500のレイズをしたとします。すべてのプレイヤーがフォールドしましたが、BBのハンドは97oだったとします。コールするためには、BBはさらに300賭けなければなりません。9人テーブルとしてこのとき、大体3:1のオッズ(300:1025)ですが、KTが97に対する勝率は64%で2:1に近くなります。

 BBがフォールドしたら、とてもいい結果です。相手を誤解させることに成功したことになります。2:1のオッズなのに3.4:1のオッズだと思わせたわけなのですから。明らかなことですが、フロップ後のベットと相手の不利なポジションがこの結果に影響しています。これぞスモールボールが真の力を発揮したと言えるのです。

 フロップがQ64レインボーだったとします。この場合あなたはいまだKハイですが、相手も9ハイです。BBは完全にフロップをミスしたのでチェックしてくるでしょう。この時点でポットには1325あります。

 いくらベットすべきでしょう?

 必要以上にベットする理由はありません。相手が1325のベットでフォールドするのであれば、多分1300のポットでもフォールドするでしょう。明らかなことですが、この例では、97はどんなベットでもフォールドするでしょうが、一般的に行って、ポットの50〜80%のベットで望ましい結果が得られると考えられます。この場合は、750か800くらい打てば十分でしょう。

 同時に、相手がたまたまハンドを持っていた場合、ブラフしたとしてもチップを節約することができます。相手がAQを持っていてチェックレイズしようとしてチェックしたとします。1325ではなく750ベットすることで、575節約することができます。このチップを使って次のブラインドを攻撃しましょう。

 また、相手がAQを持っていて自分がフロップでセットを引いた時のことを考えてみましょう。あなたはしっかりとベットするでしょうし、相手はチェックレイズしてくるでしょう。この状況では、750ではなく1325ベットして、もっとチップを取りたいと思うでしょうが、重要なのはこのような状況がどれくらい稀かということです。しばしば、相手も自分も完全にフロップをミスします。さらに、フロップより小さいベットをターンやリバーですることができます。相手のチップをすべて奪い取ることのできる可能性もあるのです。

 避けたいのはブラフする時に750ベットすることです。本当に強いハンドを持っているときは1325ベットしましょう。そうすれば、相手があなたのベッティングパターンにはまりこむのにそれほど時間はかからないでしょう。

 それでは今度はあなたが97を持っていて相手がBBでKTを持っている場合を見てみましょう。

 97でレイズしたところ相手はKTでコールしてブラインドを守りに来ました。フロップはQ64レインボーです。相手は完全にフロップをミスしているのでチェックするでしょう。あなたは1325のポットを取るために750ベットしたら、相手はフォールドしました。

 さて、この例において自分がどのようなハンドを持っているかは重要でしょうか?つまり、72oでポジションがあるときであれば、このプレイをするにあたり、全く変わりはありません。あなたは自分のハンドでプレイするのではなく相手がフロップをミスしたことに賭けることでポットを取ることができるのです。

 しかしながら、プレイ可能な初手の範囲を大幅に広げる理由にはなりません。フロップ後に向上する可能性のあるハンドを持っているときの方が格段に状況はよくなるのです。たとえ、64のようなはんどでも、適切なフロップが来れば大きな成果を上げることができます。

 ときには、ブラフであなたからポットを奪おうとする相手とプレイしなければならないこともあるでしょうが、それでもOKです。KTを持っていてブラインドが97を持っているとき、アグレッシブなプレイヤーにチェックレイズされたとしても失うのはたった750です。ポットを与えましたが次の勝負があります。大したことではありません。自分を信じる心を鍛えるのです。こつこつ稼いでいれば血を流すことなく着実にスタックの山を築けると固く信じる必要があります。

 フロップが完全になにも当たらないときが続き、何度も何度もレイズされることもあるでしょう。しかし、それがポーカーです。平常心を保ち最後にフロップをキャッチすればいいのです。そうできなくても次のトーナメントがあります。

 何もハンドを持っていなくても相手が自分とプレイするようになればしめたものです。相手が何もないのにフロップでチェックレイズするようになれば、より多くのチップを手にすることができます。750ベットした後に、相手は少なくとも2250はレイズしなければなりませんし、4000打ってくることもあるでしょう。この時点でもあなたには選択肢があります。相手がブラフを続けると思えば、スロープレイを続けることもできますし、リレイズをしてその場でポットを取ることもできます。決断は、いくつかの要素に基づいてしなければなりません。フロップの文脈、相手の傾向、自分があとどれくらいチップを持っているかなどです。

 あなたのブラフは750しかコストがかかりませんが、相手がブラフして失敗したときには、ずっと多くのツケを支払うことになります。スモールボールはとてもアグレッシブなスタイルですが、適切に行えば、損失はコントロール可能です。トーナメントを賭けるような大きなブラフをする必要はありません。

 そうではなく、大きなハンドをフロップで完成させて相手が勝負を挑んでくるような適切な状況が来るまで、ダメージを最小限にして小さなポットを分け合えばよいのです。

 一般的に、小さなポットではブラフをして、大きなポットをプレイする時はいいハンドでプレイしたいものです。

ポジション:ブラックジャックとの比較

 ポジションは、スモールボールを最大限機能させるために極めて重要です。すべての勝負において、BBとのヘッズアップになるのが理想的だからです。相手が最初にアクションする場合は、ポットサイズをコントロールすることができますし、リスクも最小限に抑えられます。ポジションのないプレイヤーがポットサイズをコントロールする場合は、より多くのチップを失うリスクを取らなければならず、かなりの当て推量で行わなければなりません。

 ノーリミットホールデムのポジションプレイの力を紹介するに当たって、ブラックジャックでのポジションと比較してみましょう。ブラックジャックでは、ディーラーは、自分の行動を決める前に常にあなたの行動を確認することができます。たとえば、15で9をキャッチした場合には、ディーラーの勝ちです。ディーラーは何もする必要がありません。ハンドは全く関係ないのです。

 ブラックジャックのときは、実際に相手が何を持っているか、自分がアクションを決めるまで何も分かりません。16を持っていて、ディーラーのオープンカードがKだとします。教科書は、ディーラーが絵札を持っている場合は16でヒットしろと言っています。しかしながら、ディーラーのもう1枚のカードが6だと分かっている場合はどうでしょう。ルールによると、あなたは16でスタンドすることができますが、ディーラーはヒットしなければなりません。スタンドした場合、ディーラーが6〜Kまでを引けば負けなので、圧倒的に優位な状態にあります。負けるのは、ディーラーがA〜5までを引いたときだけです。8:5のオッズがあります。

 ポーカーの場合はどうでしょう?

 ボタンから67oで2.5BBのプリフロレイズをしたとします。BBも67oでコール。フロップは、AK9レインボーです。

 あなたはポジションがあってプリフロップでレイズしているので、BBはきっとチェックするでしょう。ここで、あなたがポットの60%をベットすると、相手はダウンするでしょう。たまには相手がワイルドプレイをしてくるかもしれませんが、長期的に見て大きく損失になるほど頻繁には起こらないと考えられます。また、たまにはあなたもちゃんとしたハンドを持っていることもあるのです。
 
 BBもフロップでチェックレイズすれば勝てるでしょうが、その場合、単純にフロップでオープンベットしても勝てたでしょう。後ほど、このスモールボールに対するディフェンスをいかにして利用できるかについても説明します。

 ノーリミットホールデムにおいてポジションがある場合、ブラックジャックの1対1のプレイとよく似ています。優位点は、相手は自分のハンドの強さを知ることができず、どういうアクションをあなたが取るか分からないのに、こちらは相手の情報を得ることができるということにあります。

ドローハンドのフロッププレイ

 フロップ後では、ポットの50%〜80%分のベットを行う戦略を変えることがたまにあると思います。フロップでドローができたときが例として挙げられます。もちろん、どのようなドローハンドを持っているかにもよりますし、相手の傾向にもよります。

 もし、相手がテーブルに前からいたプレイヤーなら、あなたがいつもプリフロップでレイズして、ポジションベットを毎回していることを知っているでしょう。したがって、相手がチェックレイズをしてくる可能性も高くなっています。

ノーリミットホールデムで一番悪いプレイの一つに、自分からベットしたせいでドローを完成することができなくなることがあります。たとえば、64sでレイズしたときにBBがコールしたとします。相手はコールしてきたので、何か強いハンドを持っていると推測することができます。フロップは、K73レインボーでした。このフロップでは、ガットショットストレートドローとバックドアフラッシュドロー*1ができています。相手がAKやKKを持っていた場合、あなたを罠にかけようとするでしょう。フロップであなたがベットした場合、相手がチェックレイズをしてくれば、あなたはフォールドせざるを得なくなり、ストレートを引くチャンスを逃す結果になります。

しかしながら、フロップでチェックしてフリーカードを手に入れたなら、ターンで5を引いてモンスターポットを手に入れる可能性もありますし、バックドアフラッシュドローを引く可能性もあります。

このフロップでチェックすることの危険性は、あなたの総体的なテーブルイメージに関係しています。自分のプレイの意図を相手に悟られたいとは思わないでしょう。フロップでドローができたときに毎回チェックするが、ごみ手かいいハンドのときはいつもベットしていると、相手はあなたが何を持っているか悟られるのも時間の問題です。

更なる検討

 フロッププレイに関して、絶対的な原理などほとんどありません。チップ量、ポジション、プレイヤーの傾向、フロップの文脈、テーブルイメージなどそれぞれの要素に応じてプレイし、いかなる状況においても同じようにアプローチしてはなりません。いくつかの要素を特に重視する必要もありません。スモールボールの戦略は、習得が簡単なものではないのです。フロップでのプレイをランダムにするにはいくつか方法はありますが、この点についてはまた別の章で検討します。現時点では、ドローのあるときには必ずフロップでチェックしたり、トップペアやゴミハンドを持っているときは必ずベットするといったことをしてはならないという点は理解してください。

 インサイドストレートやバックドアフラッシュドローのような弱いドローハンドについて検討しましたが、フロップで、フラッシュドローやオープンエンドストレートドローやオープンエンドストレートドローフラッシュドロー&オーバーカードのような強いドローハンドを持っているときは、どうしたらよいでしょうか。ドローハンドでベットすることについて迷う必要はありません。ポジションがないところからベットして後ろからリレイズされたとしても、コールすればよいのです。

 ドローでベットすることによって、ポットを大きくすることができ、もし相手がレイズしてくれば、更にポットが大きくなることになります。実際のところ相手のレイズが本当に大きい場合にはフォールドせざるを得なくなりますが。また、フロップで相手がベットにコールしてきて、ターンでドローをミスした場合、どうするか考えなければならなくなります。ターンでもブラフを続けるか、チェックか、コールか。難しい判断を迫られます。チェックコールは、ドローハンドのにおいをプンプンさせることになりますし、相手に自分が何を持っているか教えることになります。

 ポジションがいいかどうかにかかわらず、チップ量がドローでフロップベットするべきかを判断する一つの重要な要素となります。たとえば、自分が極端にショートスタックの場合は、セミブラフオールインをする絶好のチャンスです。相手がフォールドすれば結構なことですし、コールされても、大きなポットを取ってダブルアップするチャンスがあります。

 自分も相手もビッグスタックの場合はどうでしょう?この場合は、ドローでベットしても、まだ相手からのレイズにコールできるので安全です。フロップのドローハンドでチェックした方がよいときは、相手からフロップでレイズされた場合に、そのレイズが自分のスタックの大部分を占めることとなりフォールドせざるを得なくなるようなときです。

 まずフラッシュドローとストレートドローについて検討しました。モンスタードローを持っているときはどうすべきでしょう。ストレート&フラッシュドロー、ペア&フラッシュドローやフラッシュドロー&オーバーカードを持っている場合です。これらは非常に強いハンドです。フロップ後も通常は統計的に有利なハンドになります。たとえば、A♣A♠を相手が持っていて、こちらが6♥7♥を持っている場合にフロップが4♥5♥6♠だった場合、相手はこの時点では勝っていますが、あなたの方がいいハンドを持っていることになります。AAのときの2倍以上の大きさのポットを取ることも可能です。

フロップ後の優位性

 次のチャートを見てフロップ後のマッチアップがどのようになるかチェックしてみてください。

(ハンド)   フロップ 勝率
AsKs v. QcQd 9s4s2c   55%
JhTh v. Ac9s 9c8s4d   50%
7h8h v. KdKc 6h5h2c   56%
KhQs v. 8d8s ThJsJd    56%
JhTh v. 2c2s 8h8s9h   69%

 これを見て分かるように、モンスタードローハンドは、非常に強いハンドです。このようなドローでは、アグレッシブにプレイすることができます。一番悪いケースでも、ひどい状況にはなっていません。アグレッシブにプレイすることで、いくつかの方法でポットを取ることができます。
1 相手がフォールドする。
2 じゃんけんの状況でオールインする。

モンスタードローハンドでトラブルに巻き込まれる極端なシナリオも見てみましょう。

(ハンド)   フロップ 勝率
AsKs v. 9h9d 9s4s2c   25.5%
JdTh v. 9s9d 9c8s4d   25.5%
7h8h v. 6d6s 6h5h2c   42%
KhQs v. AdTh ThJsJd   45%
JhTh v. Ah3h 8h8s9h   45%

モンスタードローハンドの美しさは、たとえ強いもうできてしまったハンドに飛び込んでしまったときでも、まだまくり目があるというところです。もっとも極端なケースでも、まだ25%以上勝ち目があります。素晴らしいとは言い難いですが、ほぼ死んでいるということはありません。

トーナメントポーカーにおいて、ドローハンドでベットするかどうかは、トーナメントのどの段階に自分がいるかにも非常に依存します。これは、スタック量にもよりますが、一般的には、ドローハンドで勝負をするのは、トーナメントの序盤の方がブラインドが大きくなっている終盤より安全です。終盤では、勝負の途中でポットをとれるチャンスがあればすべてつかまなければなりません。(後述)

マージナルハンドでのフロップ後のプレイ

 ノーリミットホールデムでアグレッシブにプレイしたいと思うのであれば、マージナルな状況においてマージナルなハンドでパッシブにプレイすることがたまに正しくなります。特に相手がまくる可能性がそれほどないときにはそうなります。

QQでレイズしたところボタンがコールしてきました。フロップはA66です。
 このような状況は上記のマージナルな状況の一つに挙げられます。フロップでベストハンドを持っているのならポットを取る確率は極めて高いでしょうし、フロップの時点でベストハンドを持っていないのであれば、ポットを取る可能性は極めて低くなります。この状況で大きなポットをプレイする合理性は全くありません。ボードでドローが出ていないので、相手にフリーカードを与えてリスクを減らしましょう。相手がKJの様なハンドを持っていた場合は、3つしかアウトがありませんから。

情報を得る

 フロップのベットによって自分がどのような状況にあるかが分かるという者もいるかもしれません。でもそれは本当でしょうか。相手がレイズした場合、何を意味するのでしょうか。Aを持っているかもしれませんし、持っていないかもしれません。相手はあなたがAを持っていないと思ってスチールしようと思っているだけかもしれません。相手が単にコールした場合はどうでしょうか。相手がAか6を持っているということになるのでしょうか。繰り返しになりますが、それは相手の傾向によります。

 重要なのは、チェックをしても情報を得ることはできますし、その場合はよりコストが小さくなるという点です。決してブラフをしないプレイヤーにチェックをして相手がベットしてきた場合、QQであってもコストなしで安全にフォールドすることができ、フロップでのベット分のチップを節約できます。相手がルースプレイヤーやアグレッシブなプレイヤーの場合には、チェックしてフロップの小さなベットにコールして、相手がさらにベットし続けてくるかを見るのが賢明です。このプレイは一見弱いように思えますが、奇妙ですがだましの効果が得られます。チェックしてフロップでコールすれば、相手はあなたが何かしらのハンドを持っていると推測します。相手が何ももっていなければ、ターンでベットすればフォールドするでしょう。

 フロップでチェックコールすることで、相手は、あなたがAKやAA、または6を持っているのではないかと恐れることでしょう。相手がATの様なハンドを持っていた場合には、リバーのショーダウンまで相手はもう別途することはないでしょう。このようにプレイすることで、相手がブラフする可能性を減らせますし、リスクを負うチップ量も少なくすることができます。

状況をリプレイする

 フロップでベットした場合どうなるか見てみましょう。プリフロップで500ドルベットして一人にコールされたとします。ブラインドとアンティを足して、ポットには1525ドルあります。もしA66のフロップで800ドルベットして相手が2500ドルにリレイズした場合、どうしますか?相手がAを持っている可能性が極めて高いので、フォールドせざるをえないのではないでしょうか。
 相手があなたがAを持っていると思っている場合はどうでしょうか。彼の立場からは、あなたの800ドルのベットを見て、もしAを持っていたらチェックをするだろうと考え、レイズをすることであなたがAを持っているかどうかを確認していることも考えられます。フロップで相手が即座にコールした場合は、ターンでポットをスチールすることをか試みることもできます。また、あなたがAを持っていなくてレイズにコールできないと判断すれば、2325ドルのポットを取るために2500ドルのリスクを冒すことも考えられます。

 もしフロップでチェックした場合、相手がこのようなプレイをすることを不可能にできます。ベットしなければ相手はレイズできません。1000ドルのベットにチェックコールした場合、ターンで引き続きベットすべきか否か分からなず困惑した状態に相手を追い込むことができます。このプレイを有効にするためには、フロップでQQでもAKと同じようにプレイする必要があります。実際、レイズにコールされてフロップでA66が来た場合、どのようなハンドでもかなりの確率でチェックする必要があります。繰り返しになりますが、弱気を見せているように思えるかもしれませんが、長期的に見れば、これがベストハンドを持っているときにブラフされないようにするより慎重な方法なのです。

 このようにハンドをプレイするためには、相手をよく読まなければなりません。相手はAを持ってることを見せびらかしたがるプレイヤーでしょうか。一回ベットしたらターンではあきらめるプレイヤーでしょうか。Aの出たフロップでブラフレイズしようとするプレイヤーでしょうか。相手の傾向を知れば知るほど結果はよくなります。


 先程の例では、ポジションが悪いのでスモールボールのモットーどおりおとなしいプレイをしています。ポジションは力です。ポジションがあるときには、利用しなければなりませんが、ポジションがないときは、ポジションをリスペクトしなければなりません。

ハンドの例

 ポジションのあるときにマージナルハンドをどうプレイすべきか例を見てみましょう。ATでレイトポジションからプリフロップでレイズをしてSBがコールしました。フロップがJT4でセカンドペアでキッカーもいいです。
 このハンドをプレイする方法はいくつかありますが、いつもどおり、いくつかの要素がどうプレイすべきかに影響してきます。あなたか相手がショートスタックの場合は、オールインすべきです。極めて簡単です。あなたがショートスタックのときは、リスクを取るべきで、この場合は、オールインすることが意味をなす種類の状況になります。しかしながら、スタックが大きい場合は、相手により注意を払って、相手がフロップをキャッチしたかどうか何か物理的な「テル」を示していないか探らなければなりません。
 相手がフロップでベットしてきたら、ベット額が異常に大きい場合でなければ、基本的にはコールしてターンを見に行くべきです。しかしながら、もっとありうる状況は、相手は何を持っていようがフロップではチェックしてくるでしょう。この時点で、あなたは自問自答する必要があります。このプレイヤーは、どのくらいのハンドでSBからあなたのレイズにコールしてきたのでしょうか。76sの様なハンドでコールするタイプのプレイヤーでしょうか。ビッグカードやペアのときしかプレイしないプレイヤーでしょうか。
 相手が76s、88、KJoからAQoまで持っていそうな場合には、チェックが適切なプレイでしょう。チェックすることで、あなたは幾分か弱さを装うことができます。相手がアグレッシブプレイヤーで、ターンがラグなら、相手はポットをスチールするチャンスと思うかもしれません。また88を持っている場合、自分がベストハンドを持ってると思うかもしれません。
 KJの場合は、若干トラブルになりますが、チェックすることでダメージを最小限に抑えることができます。AQやKQ、AKの様なハンドの場合は、フリーカードを与えることになりますが、それがそれほど悪いことでしょうか?これらのハンドはフロップがどのようなものでも降りることはありませんし、ポットがコミットする前にまずはターンで何が起こるか見た方がいいのではないでしょうか。ターンに9やKやQが来た場合、安く勝負から立ち去ることができるのです。
 Qが来ればストレートドローになりますが、これはターンで最も悪いカードでしょう。AQ、KQ、AKのようなハンドにとってもいいカードになるので。Aが来ればツーペアになりますが、これも注意しなければならないカードです。AJやKQを相手にしている場合ほぼ死亡ですが、相手がA9以下のハンドでコールしてきた場合にはいいカードになりえます。それでもこの場合、相手がAAやTTを持っている可能性もあるので、慎重にならなければいけません。何らかのアクションをする必要はありますが、過大にならないようにしましょう。

損失を最小限にする

 スモールボールを有効に機能させる本当のカギの一つに、危険な状況を避ける能力があります。多くのハンドをプレイしてアグレッシブにプレイすることによって、レイズされる回数が多くなるでしょう。それで若干いらいらしているとしたら、スモールボールを有効に機能させる主要なコンセプトから外れてしまう結果になりかねません。

 テーブルで本当にアグレッシブなプレイヤーになりたいのならば、相手に逆襲された場合には、ハンドが本当に強いときか相手がブラフをしているということを強く確信しているときでなければ、勝負を続けることについて極端に慎重になるべきです。

 プリフロップでリレイズされてフォールドする場合については既に検討しました。今回はフロップ後のレイズについて検討してみましょう。

ハンドの例

 88でプリフロップレイズしたところ、BBだけがコールしました。フロップはJ64レインボーです。

 相手がチェックしたのでポットの65%ベットしたら、相手がチェックレイズしてきました。トリッキーな状況です。思ったより判断が難しくなる理由は、あなたがあまりに多くのハンドをプレイしていて自動的にフロップでベットしているせいで、相手がより弱いハンドでレイズしてくる可能性が高くなっているからです。
 相手にもよりますが、この状況では次のようなハンドが考えられます。
 1 トップペア以上
 2 フラッシュかストレートドロー
 3 88より低いペア
 4 Aハイ
 5 完全なブラフ

 どう推測するかにもよりますが、この場合フォールドする方向で検討することを強くお勧めします。確かに相手があなたに対してよりトリッキーなプレイをする可能性は高いですが、中途半端な状況で多くのチップを賭ける心理ゲームなどしたくはないでしょう。

 また、88はフロップ後はそれほどうまく機能するハンドではありません。実際、この状況では、K6のようなハンドを相手が持っていない限り優位ではありません。88はこの時点では勝っていますが、相手はまだ5つもハンドを良くするアウトを持っています。(あなたは2つしかアウトがないのに。)

スモールボール的考え方

 スモールボールをプレイしていると、ときどきブラフされることになります。ブラフされないとしたら、それは単純にあまりうまくプレイできていないということです。スモールボールアプローチのゴールは、大きなポットを取る可能性の高いチャンスを追い求め、厄介な推測を要求されるような大きなポットをプレイすることは避けるということにあります。このアプローチは、簡単に追い求められるように見えますが、そうではありません。対抗策を取ろうとするプレイヤーがしばしば出てくるからです。対抗策とは、オーバーベットして大きなポットをプレイすることを余儀なくさせようとしてくることです。しかしながら、この戦略では、相手のプレイヤーは自分のチップの多くの量をブラフに賭けるリスクを冒しています。また、あなたが強いハンドを持っていた場合、相手は、オーバーベットに対してあなたが更にレイズするチャンスを与えることになります。

 スモールボールをプレイする際に冷静さを保ち続けることの重要性は、どれだけ強調してもしすぎることはありません。何回も何回もレイズされたとしても、流れに沿って行かなければなりません。決して弾けてはなりません。システムに忠誠を誓いましょう。いいチャンスは、いつかは出現するものです。多くのいい若いプレイヤーが、連続でリレイズされていじめられて破産していくのを目にしました。結局そのような若いプレイヤーは、うんざりして間違った勝負でオールインして、出口に向かって風のように流れて行くことになるのです。

 さて、いくつかの例を見てみましょう。

ハンドの例

 100−200のブラインドのときAJoで500のレイズをしました。SBが2000にリレイズしてきました。4ハンド連続でされたリレイズです。フラストレーションからあなたはコールをしました。

 これが一つ目のミスです。一般的に言って、3ハンド連続でリレイズされたあと、さらにリレイズしているのですから、強いハンドを持っている可能性が極めて高いです。少なくともあなたが考えるよりは強いハンドを持っているでしょう。AJでリレイズにコールするのは悪いプレイですが、このケースではさらに悪いです。

 フロップは、JQ4レインボーです。相手は躊躇しながら最終的にはチェックしました。ペアジャックで3000ベットしたら、10000ドルのチェックレイズオールインをされました。フォールドしなければならないのは明らかですが、自分で自分をだまして、相手がブラフしてるのだと思い込むための言い訳を見つけようとするかもしれません。それで、相手がQQのようなドローイングデッドハンドを開いて嘆くことになるのです。プリフロップかフロップで平静さを保ちさえすれば、このような事態は避けられたのに。

 ここで、ノーリミットホールデムのトーナメントにおける最善のアドバイスを披露しましょう。

あなたが思うほど相手はブラフをしない。プロは、ベストハンドで大きなポットを戦うから勝つのであって、非常にすぐれたブラフ戦略を用いるからではない。プロは、あなたが自分を信じていないだろうという事実に依ることによって勝つのである。

プロは「粗野な」イメージを装うために、多くのハンドをプレイすることを選び、乱暴なブラフを何度もしているような印象を与えようとします。もっとよく観察してください。確かにプロは、プリフロップで多くのハンドでレイズしますが、フロップ後多くのチップがかけられた場合はどうか留意する必要があります。すべて終わった後プロがショーダウンするハンドの種類を見てください。確かなことは、普通プロはプレミアムハンドを持っていて、改善する見込みのないようなランダムハンドを持っていることはそれほど多くないはずです。

 プロはドローハンドでブラフはしますが、AK4のフロップで89sのようなハンドでオールインするようなことはしません。この種のプレイをするのは、アマチュアです。プロがこの種のフロップでオールインをする場合は、最低でもAKは持っています。

 トッププロになるために、本当には教えることのできない不可欠な成功の鍵があります。規律です。規律は、スモールボールをプレイすることを選んだ場合には更に重要になります。スモールボールをプレイすることは諸刃の剣です。より多くのアクションをすることで、プレミアハンドでより頻繁に稼ぐことができるようになりますが、同時に相手にブラフを仕掛けられる回数も多くなります。プレイヤーとして成長したいなら、このような弱いブラフは、上手に探知できるようになったときには歓迎すべきです。ブラフを続けるようなら、大きいポットで罠にかけるチャンスもきっと訪れることでしょう。

ポットを小さいままにしておく

 前に、ドローハンドを持っているときは、フロップではチェックした方がベットしたときよりよいこと場合が多いと言及しました。明らかなことですが、ドローハンドを持っているときだけフロップでチェックしていれば、相手は、簡単にあなたの持っているハンドを特定することができます。幸運なことに、フロップでチェックした方がよい状況は他にもあります。たとえば、モンスターハンドをフロップでヒットして相手を罠にかけるときや、フロップの一部がヒットしたが、まだそれほど強くはないと思っているときなどです。例を見てみましょう。

ハンドの例(1)

 K♥9♥でレイズしてBBがコールしました。フロップはT♥9♠8♠でミドルペアがヒットしてます。これは極端に危険なフロップです。アグレッシブでないとダメで、大きくベットしてハンドを守らないといけないと思わせるようなフロップです。私はいい考えだとは思いません。このフロップでは簡単に負かされてしまいます。たとえば、現時点で勝っているとしても、ドローハンであれば大きなポットをプレイさせられるおそれがあります。相手がKJやJ9やフラッシュドローを持っていれば、少なくともフロップではコールしてくるでしょう。

 このフロップでチェックすることで、ポットを小さいままにしてターンでハンドを守るチャンスを維持しながら、不必要にチップを失うことを避けられます。例えばターンが2♦で相手がまたチェックしてきたとします。この場合、小さなベットをして相手に追加投資をさせるか、ドローハンドをあきらめさせることができます。

ハンドの例(2)

 ボードの文脈を理解することで、フロップ後中途半端な手でどのようにプレイすべきかよく分かります。たとえば、弱いプレイヤーがミドルポジションからリンプしてきたときにボタンからA8sでレイズしたとします。相手はコールしてフロップは、A66レインボーでした。
 もしリンパーがチェックしてきた場合、あなたはどうすべきでしょう?フロップでAのペアができているので一見良さそうですが、相手はこのようなドローのなさそうなフロップでどのようなハンドを持っているときにコールしてくるでしょう。
 相手が本当にどうしようもないプレイヤーであれば、ポケットペアを持っててコールしてくることもあるかもしれません。しかし、もっとありそうなのは、相手がコールしてきた場合、少なくともAは持っているということです。8キッカーではトラブルに巻き込まれそうです。もしそうでなくても、リバーでポットを分けることになる可能性も高いです。A、6、9、10、J、Q、Kのどれが落ちてもキッカーはなくなります。
 そこで、ここではチェックしてみてはどうでしょうか。チェックをするのが危険なのは、相手が33を持っていてターンで3が落ちるようなときです。フロップでベットしていれば勝てたポットを失うことになりますが、それほど起こりうることではないので心配する必要はありません。
 フロップでチェックしたら、相手がブラフをしてくる可能性もあります。ターンが9で相手が77を持っているような場合です。相手は、あなたがQQやKKを持っていると思ってターンでベットしてAを持っているふりをするかもしれません。その場合、ターンでレイズすればよいでしょう。相手が勝っているかもしれませんが、そうでなければ、相手にフリーカードを与えるリスクは本当に小さなものです。
 中途半端なハンドでフロップでチェックする主な理由は、ベットをしても誰が勝負に勝つかという結果が変わり可能性が低いからです。最初の例では、ドローハンドを持っている相手は、ベットをしてもとにかくコールしてきます。今回の例では、ターンやリバーであなたがまくられるハンドはほとんどありません。もうひとつ例を見てみましょう。

ハンドの例

 プリフロップでタイトプレイヤーがUTGからレイズしてきて、あなたはボタンからTTでコールしました。フロップは、843でハート2枚です。
 タイトプレイヤーはチェックしてきました。この状況ではいくつかの理由によりベットしなければなりません。

  1. ポジションがあるので、ベットすることで相手のハンドを限定することができる。
  2. 相手がAKのようなハンドを持っている場合、チェックをしたら相手に6アウトを引くチャンスを与えることになる。
  3. フラッシュドローもあり得ます。相手がAhQxを持っている場合、あなたがフロップでチェックした場合、相手はAかQをキャッチする可能性があるだけでなく、ターンでハートが落ちた場合、更にフラッシュドローになる可能性もあります。

タイトプレイヤーがフロップでチェックレイズしてきた場合、TTが全くよくないハンドだということに簡単に気づくことができます。たとえば相手がチェックコールしてきたとしても、注意しなければなりません。相手は、AAを持ってターンで罠にはめるのを待っているのかもしれません。TTならフロップで即座にポットを取りたいはずです。しかし、激しい抵抗がある場合には、即座にほうり捨ててしまう覚悟も必要です。相手が勇敢でAhKhでフロップでチェックレイズしてきたとしても、そうさせておけばよいのです。そのようなハンドでも、2枚のオーバーカードでフラッシュドローの場合は、TTに対して55%の勝率があり相手の方が少し有利なのです。

フロッププレイのミックスアップ(まぜこぜにすること)

 スモールボールアプローチを活用する際に、どのようにしてフロッププレイをミックスしなければならないか簡単なガイドラインを紹介します。

ベットすべきとき

(1)フロップを完全に外してしまったが、ポジションがあって、相手もフロップをミスったと思ったときは、ベットしなければなりません。 8以上のカードが2枚以上出ているフロップでは注意しなければなりません。J97、AQ9、JT4の様なフロップでは、相手がコールできるハンドがとても多くあります。

(2)守らないといけないようないいハンドを持っている場合もフロップでベットすべきです。
 J84のフロップでKJを持っているようなときは、かなりの頻度でベットすべきです。

(3)モンスタードローハンドを持っているときは、ベットしましょう。
 その場でポットをスチールできてもよいし、ハンドが完成したときのためにポットを大きくするのもよいです。

(4)相手の癖が読めたとき
 相手の癖が読めて相手がフォールドしそうだと感じたときは、中途半端なハンドを持っているときでもベットしましょう。例えば、J64のフロップで、45を持っているときに、相手がフロップに最早関心を抱いていないように思えるときはベットすべきです。

チェックすべきとき

(1)ドローハンドを持っていて安くカードを引きたいとき
 フロップでベットしたら相手がレイズしてドローハンドでフォールドせざるを得なくなり、ひょっとしたら大きなポットをとれていたかもしれない勝負を逃すことになります。

(2)相手にまくられる危険がほとんどないフロップではチェックした方がよいときが多々あります。
 AAを持っていてフロップが229のときは、相手にフリーカードを与えてもそれほど危険ではありません。相手がKQのようなハンドの場合には、ターンで相手がペアをキャッチすればより多くのチップを奪うことができます。この状況でチェックすることのリスクは非常に小さいものです。

(3)危険なボードで中途半端なハンドを持っているとき
 このような状況では、フロップをチェックして、多くのチップをポットに入れる前にターンで何が起こるか見極めたほうがよいです。強いハンドを持っているときでもこうすべきときもあります。たとえば、99を持っていて9hThJsが来た場合、チェックすることは決して悪いアイデアではありません。ターンが7、8、Q、Kかハートが来た場合、避けがたい損失を少なくすることができます。

(4)相手が大きなハンドをフロップでキャッチしたと思えるとき
 相手が大きなハンドをキャッチしたことが癖で分かって、自分に何もないときは、チェックが適切です。相手の行動に注意をよく払って、オートマティックにベットしてしまわないようにしなければなりません。

フロップでヒットしたとき、ミスしたとき

 KK4、A66、QQ2や223の様なフロップは、ヒットしていてもミスしたときもコールしたいフロップです。フロップの時点でベストハンドだった時は、フロップ後もかなり高い確率でベストハンドであることが多いです。相手は、フロップでビッグハンドを完成させているか完全にミスしているかのどちらかです。中途半端なハンドをこの種のフロップ後に慎重にプレイすることで、ポット全体を失う大きなリスクを冒すことなく損失を最小化することができます。

(3)に続く。

*1:ランナーランナーフラッシュドロー