ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 Daniel Negreanu's Small Ball(1)

Small Ballの哲学

 この章を読むことで、読者の皆さんがノーリミットホールデムのトーナメントにおいて大きなリスクを冒すことなく、テレビに出ているプロの何人かと同じように着実にチップを増やす方法を習得してもらえれば幸いです。ここで紹介するポーカーのスタイルは、世界で最も成功しているトーナメントプレイヤーの多くが採用しているもので、その中には、私Daniel Negreanuのほかにも、Phil Ivey, Alan Goering, Erick Lindgren, Ted Forrest, Phil Hellmuth, Michael “The Grinder” Mizrachiなど無数のプレイヤーが含まれます。


 Small Ballの章を読破することで、この戦略が機能する理由、自分でどのようにプレイしたらよいか、同じ戦略を採用しているプレイヤーとどう対抗すればよいかについてより深い理解が得られることでしょう。


 まずは、初歩中の初歩、アンティからリバーまでのベット額の決定の仕方、リバーで中途半端なハンド(marginal hand)でチェックすべきかどうかなどから始めましょう。これによって、small ballがどのように機能するかについてより詳しい例を紹介できると思います。small ballを使っているプレイヤーが同じテーブルにいたら、そのプレイヤーは、テーブルを支配しており、同時に無謀なほど大胆にプレイしており、そのプレイヤーの初手の強さの推測に若干の調整を加えるべきだと認識しなければなりません。


 このような狂気とも思える方法論もすぐに習得できます。事実、この自由な戦略は、確固とした数学と論理に基づいて作り上げられたものなのです。最終的に、この章を読めば、ノーリミットホールデムで成功する鍵は、自分自身のハンドの強さに注目するというよりは、相手のハンドと勝負するということだと分るでしょう。

ブラインドとアンティ

 トーナメントポーカーというゲームの核心は、ブラインドとアンティとの勝負だということです。ブラインドとアンティの大きさによってどのくらい勝負に参加すべきか、1ハンドにどのくらいのチップを賭けるべきかが決まるのです。極端な例を見てみましょう。


 ブラインドもアンティもないトーナメントに参加しているとします。この状況では、AAでない限り決して勝負に参加しないでしょう。ただただAAが来るのを待ち、誰かが勝負してくれるのを期待するばかりです。しかしながら、他のプレイヤーがポーカーを完全に熟知していて、まったく同じことをしたとします。このような場合、二人ともAAが来たときでなければ決してフロップは開かないでしょう。


 もうひとつ極端な例を挙げると、1テーブル10人のトーナメントで各人2000のチップを持っているときに、ブラインドが500-1000でアンティが1000だとします。この状況ではどのようなハンドでもフォールドする理由がありません。自分のチップの半分が既にアンティとして取られており、次のハンドでアンティオールインになるわけですから。あなたがフォールドしたら他の皆は多分勝負に参加するでしょう。ヘッズアップになってもあなたは1000のチップで相手は19000持っていることになります。


 どちらの場合も、特殊なブラインドとアンティのストラクチャーのせいで興味深いポーカーゲームとなります。典型的なテレビのトーナメントでは、1万ドルのチップで25-50のブラインド、アンティなしからスタートします。そこからトーナメントディレクターによって設定されるストラクチャーに沿ってブラインドアンティは上昇していきます。


 ブラインドとアンティは、一人がすべてのチップを独占するまで上昇し続けます。どのレベルも1時間から2時間ほどは続きますが、トーナメントのバイイン額にもよります。


 100〜300ドルの小さなバイインのトーナメントでは、20〜30分でレベルが上がることが一般的で、大きなバイインのトーナメントよりも早く終わることになります。大きなトーナメントには、2日から4日ほども続くものもあり、WSOPのメインイベントなどは、チャンピオンが決まるまで2週間近くも続きます。


 スタートチップを維持するためには、1周ごとに少なくとも1回のブラインドとアンティを勝ち取る必要があります。ブラインドとアンティは、トーナメント中上昇し続けるので、それだけではもちろん生き残ることはできません。最終的には、10,000ドルのチップでも危うくなるので、トントンよりも良くなるようプレイしなければならなくなるのです。ブラインドとアンティ以上の成果を得られるよう戦わなければならないのです。


 ちょうどプレミアハンドが来たときに大きなポットがかかっているといったことは、めったにないかまずありません。トーナメントに勝つためには、各所でアグレッシブに小さなポットを多く勝ち取らなければならないのです。もちろん、無謀にならないようにチップを獲得する方法を学ぶことが必要です。この章全体を読むとトーナメントの勝者へまた一歩進むことになるでしょう。

Starting Hands

 この本と他の本の違いの一つに初手の要件についてほとんど言及しないということがあります。Small ballの理論では、自分が現に持っているハンドの強さよりも、相手が何を持っていないかをより重要視すべきということになるのです。


 ここで、勝負に参加する前に考えるべき基本的な初手のガイドラインについて見てみましょう。

Big Pairs

AA、KK、QQ、JJ

 明らかなことですが、これらのハンドはどのポジションからでも参加できます。AAとKKは、オールインしてもいいくらいいいハンドです。KKであってもフォールドすることが妥当だと思った状況もあるかもしれませんが、いい習慣ではありません。KKを持っているときに他のプレイヤーがAAを持っているといった状況は、めったにありません。たとえそのような不運な状況下で罠にかけられたとしても、KKにはまだ20%くらいは勝率があるのですから。


 決してプリフロップでKKで飛んでしまうことを恥ずかしいと思ってはなりません。誰もAAを持っていない状況でプリフロップでKKを降りてしまうのは、統計的な悪夢です。私は今までプリフロップでKKを降りたことは一度しかありません。そのときは完全に相手はAAを持っているに間違いない状況でした。KKを見せてダウンしたところ、相手が見せたのはQQでした!!!ワオ!!!こんなことは2度とやりません。この章の終りで分かるように、アグレッシブスタイルのポーカーをプレイするときは、相手はあなたがタイトにプレイしているときよりも、アクションを多くする傾向があります。


 AAやKKでは儲かる可能性が高いというのはいいニュースでしょう。悪いニュースは、QQやJJのようなハンドでプレイするのは難しいということです。なぜでしょうか。相手はあなたの自由なスタイルのせいでより頻繁にベットをしてくるようになるので、相手がレイズしてきた場合、QQやJJのようなハンドでフォールドするのが簡単ではなくなるのです。率直に言って、QQやJJでは、不利な状況にあるか若干有利な状況にあるだけのことが多いので、大きな勝負を何度もプレイしたいとは思わないでしょう。
 

 実際、これらのハンドをプリフロップでは若干慎重にプレイするというのは悪くないアイデアです。特にアーリーポジションのレイズについては、リレイズする必要はありません。こうすることで、他のプレイヤーはあなたが単にリレイズしなかったからと言って弱いハンドを持っているとは限らないと思うので、また別の「ダマシ」を行うことができます。56sのようなハンドでレイズにコールし始めるとより役に立つようになるでしょう。

Middle Pairs

TT、99、88、77

 ミドルペアはプレイするのが最も難しいハンドだというのをよく耳にします。しかしながら、それは、ミドルペアを過大評価しているか、プレミアムハンドではないのにプレミアムハンドのようにプレイしているかどちらかでしょう。ミドルペアは、確かにいいハンドですが、それは、プリフロップでの強さというよりは、暗黙の価値(implied value)に起因するものです(Implied Oddsにも負うところは多いです。)。


 このようなハンドで自分が最初に参加するプレイヤーだった場合には、通常の「small ballレイズ」(詳しくは「ベッティング」節を参照)をしましょう。これらのハンドの目標は、フロップでセットを作ることで大きなポットを獲得することです。これらのハンドで大きなポットに参加してフロップでセットができなかった場合、大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。


 フロップでセットができなければフォールドしなければならないというのではありませんが、アクションがホットでヘビーになりすぎた場合には、即マックする必要があります。

Small Pairs

66〜22

 スモールペアは、ミドルペアと同じようにプレイしなければなりません。繰り返しますが、ゴールはフロップでセットを作ることです。プリフロップでリレイズするようなことをしてはなりません。


 TVのコメンテイターが「これはレイズするかフォールドするかの状況ですね」と間違った解説をするのをよく聞きます。長期的には、ミドルペアやスモールペアでリレイズしても単にトラブルに巻き込まれるだけでしょう。相手がより大きなペアを持っていれば、トラブルに巻き込まれ、そうでなければ、AKのようなハンドでじゃんけん対決をするような状況になるだけです。有利になりたいでしょうが、プリフロップでリレイズするのは、我々がトーナメントポーカーでチップを集めたいと思う方法ではありません。


 プリフロップでスモールペアでリレイズする人もいますが、それで成功するのは、その人のプレイスタイルに合っているからでしょう。しかしながらそれはsmall ballプレイヤーがとるスタイルではありません。

AKとAQ

 これらのハンドは、ディープスタックのトーナメントでオールインするほどにはいいハンドではありません。バイインが小さく、ペースの速いトーナメントでは見目も麗しいかもしれませんが、テレビ放映されるようなエリートトーナメントでは、大きなトラブルを招くことになります。


 AKは、明らかにAQよりずっといいハンドですが、AKでプリフロップでオールインするのはよくないです。しばしば、AAやKKを相手が持っていない場合であってもコイントスの悪い方が出ることがあります。


 AKは、確かにプリフロップでレイズしたくなるようなハンドでしょうが、フロップの後は、あまりうまく機能しないタイプのハンドです。フロップでA96が来てAKでベットした場合、コールさえしてほしくないでしょう?フロップのあとアクションを取るようなプレイヤーは、A9、A6、99、66といったあなたに死をもたらすようなハンドを持っているに違いないのですから。AKoは、小さなポットを取れるハンドですが、何か大きなアクションを取られた場合には、概してダメなハンドです。


 AQは、いかなる意味においてもAKよりずっと悪いハンドです。プリフロップで大きなポットになった場合には確実に負けているだけでなく、フロップの後もより心配しなければならないのです。AQでフロップがA96だった場合、AKのときと同じ心配をしなければならないだけでなく、相手がAKを持っていることも心配しなければならないのですから。

AJ、AT、KQ、KJ、KT、QJJT

 ここに驚くべき事実があります。ディープスタックトーナメントでは、これらのハンドはスーティッドだった場合、非常にいいハンドとなります。その結果、コールするかフォールドするか大きな差が出ることになります。


 KToのようなハンドは、ストレートやフラッシュを作ることはなくせいぜいトップペアで終わるようなハンドです。我々のゲームプランとも合わないので、このような事態は、ディープスタックトーナメントでいいことではありません。ワンペアでは、めったに大きなポットは取れませんし、間違ってプレイした場合には、大きなコストを支払う羽目になりがちです。


 このような継子ハンドのもう一つの問題は、すべてのプレミアムハンドに対してナンバー2ハンドとしてプレイしなければならないということで、プレミアハンドとぶつかった場合、大きなコストを払わなければならないということです。典型的な例は、ルーキーハンドと言われるもので、魅力的なように見えて実はトラブルしか招かないようなハンドを指します。KJは、多分ほかのどのハンドよりも多くのホームタウンヒーローを薙ぎ倒してきたことでしょう。


 K54のようなフロップが出た場合、ルーキーは、決してフォールドしません。リバーまで付いてきたプロがいた場合には、セットやKQ、AK、AAなどを見る羽目になるでしょう。それはさておき、自分が勝負に参加する最初のプレイヤーであれば、これらのハンドでレイズするのは全く問題ありません。実際、そうすべきであり、慎重にあとあとまでプレイすれば、小さなポットを勝ち取ることができます。


 しかしながら、誰かが自分の前にレイズした場合には、KQやAJその他のハンドは、スーティッドでない限りフォールドするのがベストプレイだと思われます。ハンドの価値は、スーティッドであれば飛躍的に増すのです。スーティッドカードはアウツを増やすことでポットを勝ち取る方法をいくつか増やします。フラッシュができたり、フロップでフラッシュドローができてセミブラフをやっているときにリバーでペアを掴んで勝つ可能性もあります。


 KQsでレイズに対してプレイするときは、フロップでトップペアをキャッチするためにプレイするものではありません。トップペアができたらそれはそれでいいことですが、小さなポットをプレイすべきでしょう。本当のゴールはストレートやフラッシュを作ることで、そのときは大きなポットを取ることができます。

AXs

 AXsの唯一の価値は、フラッシュを引くかツーペアを作る可能性があるという点にあります。フロップでAペアになるのもいいことですが、このようなワンペアローキッカーでそれほど深入りしてはなりません。自分の前に誰も参加していなければ、ブラインドを攻撃するのに十分なハンドです。しかしながら、プリフロップでリレイズされるなどの抵抗を受けたりした場合、A6sのようなハンドでリレイズにコールするのは、自殺行為です。


 AXsは、特にレイトポジションでプレイするときはいいハンドになります。ポットサイズをコントロールできますし、フラッシュを完成させるために必要なフリーカードを得るチャンスもあるのですから。

KXs・QXs

 これらのハンドは普通はポートフォリオには組み入れられません。実際、本当に特殊な状況でなければこのようなハンドでレイズしてはなりません。複数の参加者がいるポットでリンプするためのハンドで、レイズする種類のハンドではありません。


 これらのタイプのハンドは、セカンドベストハンドになることが多いです。フロップトップペアローキッカーであったり、より悪いのは、フラッシュができたのに、ナッツフラッシュに負けてしまって大きなポットを持っていかれることもあります。KXsは、特にプレイするのが難しいハンドで、Kハイフラッシュは、フォールドするのが極端に難しいハンドです。


 Small ballアプローチが最適なハンドの種類は、フォールドするのが簡単で、大きなポットで非常に強いがそれでもセカンドベストとなるようなハンドではないのです。

Suited Connector

小さなスーティッドコネクターは、small ballアプローチに絶対的に理想的なハンドです。Small ballのゴールが、ストレートやフラッシュをトップペアに対して作ることで、これらのハンドだとストレートとフラッシュの可能性があるだけでなく、ツーペアやスリーカードを作る可能性もあるわけですから。


 特に弱いプレイヤーに対しては、64で44Tのフロップのとき、相手がオーバーペアを持っていたら、大金を奪うことができます。Small ballで成功する秘訣は、相手が自分のハンドを読めず、実質的にドローイングデッドなのにオーバーペアでオーバープレイさせることにあります。いわゆるフィッシングです。小さな餌をまいて、大きな魚がかかるのを待っているのです。リスクを負うのは小さな餌だけですが、得られる可能性のあるものは、巨大です。


 この種のハンドでプレイすることのもう一つの利点は、逃げるのが簡単だということです。フロップで何も当たらなければ、ちょっとだけ試してみる、ただそれだけです。


 もうひとつありました。相手があなたがこのようなハンドでプレイしているプレイヤーだと思い始めたら、その印象を別の方法で使うことができます。

 例えば、JTsでタイトプレイヤーのレイズにコールして、567のフロップが来たとします。ポジションがある場合、2つの方法でポットを取ることができます。
(1)AKのようなハンドを相手が持っていた場合、スチールすることができます。
(2)オーバーペアでベットしてきた場合、ターンでもう1枚ストレートカードが来ることを期待してコールします。ターンで4が来たら、ベットします。特に相手は私が68のようなハンドでレイズにコールすると知っているわけですから、AAのようなハンドを持っていたらコールするのが本当に難しいはずです。


しかしながら、本当のホームランは、相手に対して隠れたストレートができることです。たとえば、KKでレイズしてきたタイトプレイヤーに5s7sでコールしてフロップがQs4s8だとします。タイトプレイヤーはベットして私はフラッシュドローとガットショットストレートドローでコールします。ターンで6が来た場合、相手は何が起こったか分かるはずがありません。相手のすべてのスタックを取ることができるでしょう。相手がQQのようなハンドを持っているときには、更に高い角度で相手のすべてのチップを奪うことができるはずです。

ゴミ手

 ゴミ手はそれ自身に全く価値はなく、カードそれ自体ではなくて状況によってプレイすべきときがあるという程度です。T2、J3、72、83、Q2 やT6がゴミ手の例として挙げられます。幸いなことにゴミ手では、プレイするときに改めてハンドを見返す必要がないという利点があります。我々は自分のハンドをプレイするのではなく、相手が何を持っていないかに基づいてプレイしているので、これらのゴミ手でプレイすることが意味を成す状況もあるのです。


 しかしながら、ゴミ手は、プリフロップでのリレイズでポットがとれるような状況でしかプレイすべきではありません。そうでなければ、かなりの頻度でプリフロップやフロップで小さなベットがあったらフォールドしているようなタイトプレイヤーがブラインドのときくらいです。


 ミドルペアでプリフロップでリレイズするのは、small ballerが行うものではありませんが、Q3、94、A6のようなハンドは状況によってはなりえます。これらのプレイをする場合には、プリフロップでの一撃のみにとどめ、フロップ後慎重になるよう己を律しなければなりません。


 もしレイトポジションからQ2oなどでリレイズした場合にフロップでQが出たとしても、深追いしてはなりません。スモールポットをプレイして負けた時の損失を最小限にしなければならないのです。


(2)につづく