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  ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 David Sklanskyのトーナメント戦略(5/26追記)

 ギャップコンセプトや破産を避けるということは、トーナメントでは極めて重要な考え方ですが、これらの要素だけが、トーナメントにおいてどのようなポーカー戦略が適切か、キャッシュゲームのときと違ってどのようにプレイすべきかに影響を与えるわけではありません。

 戦略をトーナメント用に調整せざるを得なくさせる要素は、他にはどのようなものがあるのでしょうか。賞金のストラクチャー、チップの価値がどのように変化するか、テーブルがブレイクしたときの影響、ブラインドの上昇、チップ量の差異、オールインしてるかどうか、賞金獲得にどの程度近づいているか、ファイナルテーブルでのプレイかどうかなどが含まれます。

 これらの要素は、通常のキャッシュゲームでのプレイではどれも全く重要ではありません。しかし、ポーカートーナメントでは話が異なります。ときには、よく知らない相手にとっては、ほとんど「狂っている」のではないかと思えるほどアグレッシブにプレイしなければなりませんし、ときにはいわゆる「ウィーク−タイト」と呼ばれるプレイスタイルをとらなければなりません。実際には、いずれの戦術も、「タフな」トーナメント戦略全体の一部を構成するものなのです。


<4/23 追記>

賞金ストラクチャーの考察

 昔は、トーナメントはプレイヤーの数が一定の人数になったらその時点で持っているチップが賞金となって終わることが通常でした。このようなトーナメントでは、チップが少ししか残っていない状態で生き残っても持ちチップの価値がほとんどないので、少しのチップで生き残る利点がほとんどありませんでした。カジノ側としては、プレイヤーが残り一人になるまで続くようなトーナメントの方が、展開がドラマティックになるため好ましくなります。しかし、カジノは1位以外にのプレイヤーにも賞金を与えるために、総参加費を特定の割合で分割した賞金を与えることにしました。この場合、賞金は、自分が終了した時点であと何人のプレイヤーが残っているかによることになります。最後の勝負までに自分がいくらチップを持っていたかは全く関係ありません。(同時に終了したプレイヤーがいない限り。)


 このような賞金ストラクチャー制を採用した結果、プレイヤーは、自分が参加しない勝負の結果についても関心を持つことなります。ほとんど例外なく、他のプレイヤーが終了すると自分の利益になります。このようにして、ラージスタックがスモールスタックと勝負しているときは、ラージスタックを応援することが一般的になります。

 
 上記は極めて一般的な共通認識です。しかし、ここでは、簡単な数学的な例を示して明確に示したいと思います。


 たとえば、3人のプレイヤーがトーナメントに残っている場合で、それぞれ$1000のチップを持っていて、60%の賞金($1800)が1位に与えられ、2位は30%($900)、3位は10%($300)とします。3人とも技量は同じです。したがって、平均的には、どのプレイヤーも$1000持って帰ることになります。

 $3000/3=$1000

 ここで、自分が3人のうちの一人で、他の2人がお互いにオールインした場合を考えてみてください。この勝負が終われば、2位になることは確定で、$2000持ったプレイヤーと対戦することになります。このような状況では、あなたの勝率は、1/3のチップを持っているので1/3です。したがって、1位になって$1800を持って帰る確率が1/3で、2位になって$900を持って帰る確率が2/3です。この場合の期待値は$1200になります。($1200=$1800×1/3+$900×2/3)

 勝負が始まる前に期待値は、$1000です。単に他の2人が勝負しているのを見ているだけで、期待値が20%もアップして$1000から$1200になっていることになります。他の2人は$900に期待値が落ちています。($900=($3000-$1200)/2)


 この計算式は、非常に示唆に富んでいます。この計算によって、勝負を避けて他のプレイヤーが破産するのを見守っていることが如何に素晴らしいことかがわかるとともに、トーナメントの終盤の互角の状況下でリスクを冒して勝負に出ることが如何に愚かなことかがわかるのです。実際にも、たとえ自分が優位な状況下にあっても、ギャンブルをすることは間違っています。たとえば、上記の例で、一方のプレイヤーが54%の確率で勝てる状況になったとしましょう。そうであってみ、46%の確率で3位になるのでその場合は$300の賞金を得るだけとなり、36%の確率(54%の2/3)で1位になって$1800の賞金を手にできることになります。残りの18%は2位になって$900を手にすることになります。したがって期待値は、$948です(=46%×$300+36%×$1800+18%×$900)。この場合54%の勝率があっても期待値的には、$52の損失が発生するということです。トーナメントのこの側面は、明らかに考慮しなければならないことで、特に自分が5位〜2位のプレイヤーと戦うときには考えなければなりません。(もちろん自分の目的が勝利することだけであれば別です。賞金の額が関係ないのであれば、54%の確率でチップが倍になるチャンスを捨てることは、完全に間違っています。)


 仮に54%の勝率でオールインして負けてしまった場合(実際、上記のシナリオで勝つためには58.33以上の勝率がある必要があります。)、何ができるでしょうか。単に他のプレイヤーが飛ぶのを皆が傍観してるとしたら、何も起こりません。
 実際は、この章で示されたパラドックスを活用することができます。オールインにコールすることは、54%の勝率であっても有害で、46%の勝率しか無かったら尚更ですが、自分が最初にベットしたプレイヤーだったとしたらどうでしょう?この状況でアグレッシブになることで、小さなポットをいつも以上に取れることになるでしょう。(相手がこの章を読んでいない限り。)


 たとえば、3人残っている状況で$100のポットに$2000ベットしたとします。相手のチップ量と全く同じなら、相手は普通はコールできるようなハンドでも勝負に参加しない第三者として期待値を上げるためにフォールドするでしょう。コールされたら、あなたは相手自身が被る不利益よりも大きな不利益を被ることになります。しかしながら、相手が自分の損になることをやるようなタイプでなければ、コールしないでしょう。それよりは、自分が最初のベッターになるチャンスを待って、同じく他のプレイヤーの期待値を上げたくないあなたに耐えがたいプレッシャーを与えようとするでしょう。


 ギャップコンセプトはこのような状況ではより強くなります。ベットとコールの間のギャップはどんどん増していきます。他のプレイヤーが勝負に参加しないだけで利益を得る場合に勝負をする不利益を認識しているプレイヤーに対しては、相手が自分のハンドを疑っていたとしても、小さなポットをアグレッシブにスチールできることになります。しかしながら、この種のプレイは、相手がこの考え方を認識しているだけでなく、相手にもある程度のチップが残っていることが前提となります。相手がスモールスタックであったりラージスタックである場合には、コールされやすくなるのです。


 仮に、他のプレイヤーがレイズした場合、この章の計算式によると、通常よりよいハンドがなければコールできません。これは、相手がギャップコンセプトを知っていることを知っている場合や、相手がショートスタックやラージスタックでギャンブルしようとしている場合には当てはまりません。しかし、このようなケースであっても、賞金ストラクチャーの性質によって相手が先にベットした場合、アグレッシブにベットしたことのみをもって勝利を認めざるを得なくなります。ギャップコンセプトは、トーナメント終盤では本当に大きくなるのです。

 
<4/24追記>

相手がコールするとき

この本では、後の方のラウンドでのプレイにあまり言及しません。後の方のラウンドでのプレイにこそいいプレイヤーが利益を得ることがあると私が考えていることからすると驚かれるかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、この本の目的は、どうプレイすればポーカーで勝てるかを教えることではなく、トーナメントではどのように通常の戦略を変えればいいかを伝えるものなのです。


 実際、戦略で変えるべき点のほとんどは、勝負の序盤にあります。飛ぶリスク、賞金ストラクチャー、オールインされる可能性がトーナメントのプレイ方法に影響を及ぼすため、序盤の判断が極めて重要になるのです。


 しかし、重要な例外がひとつあります。ギャップコンセプトによって、いつもよりも多くのハンドでレイズできることになります。また、相手はレイズに対してより少ないハンドでしかコールできなくなります。これらの二つの事実は、後のラウンドのプレイ、特に次のラウンドのプレイに非常に強いインパクトを与えます。


 ここでいうインパクトを丁寧に説明すると、7カードスタッドをホールデムオマハと区別しなければなりません。

  (スタッドの話なので中略)

 リミットホールデムの例を見ると、A♦A♣でレイズして、フロップがQ♣3♠2♥だったとします。フロップでベットしたらコールされました。普通、ターンではチェックレイズしなければなりません。

 仮にあなたのハンドが単にいいだけであれば、たとえ普通のサイドゲームではアグレッシブにプレイするプレイヤーであっても、即座にチェックコールモードに切り替えなければなりません。相手はいいハンドを持っているでしょうから、チェックすれば相手は多分、あなたのハンドより悪いハンドであってもベットしてくるでしょう。いくつかの状況では、リレイズされたときに勝負から降りれるし、相手がいいハンドを持っていると分かったら、フォールドできることになります。しかし、通常は、単にチェックコールをするのが、好ましい戦略です。


 リミットホールデムの例では、A♦J♦でレイズして、フロップがA♣T♠4♥だったとします。トーナメントの適切な戦略に沿うと、防御の殻に閉じこもってしまって、チェック・コールすると思いますが、通常のリングゲームでは、ベットする可能性が高いでしょう。


 ハンドがいつもより悪くても、次のラウンドの用意をしましょう。相手のハンドはいつもよりよいということを忘れないでください。フロップやターンで役に立つカードが来なければ、単純にチェックしてベットされたらフォールドすればよいです。序盤にアグレッシブだったプレイヤーは、コールされても少なくとももう一発は弾丸を発射する*1通常のポーカー戦略には反しています。この戦略は、トーナメントでは適切でないことが多いです。トーナメントでは、チップを守ることの必要性を常に考慮しなければならず、勝負に参加してきている相手は、リングゲームのときよりもいいハンドで参加してきており、自分のハンドの価値もいつものリングゲームのときよりも下がっているのですから。


 しかしながら、ホールデムオマハハイローについて重要な例外もあります。小さなブランクカードが来たときなどです。ホールデムでプリフロップのレイズがコールされたとき、フロップでブランクカードが来た場合、相手は何もヒットしてない可能性があるので、ベットするチャンスです。QJでフロップが864のときなどです。

  (オマハの話なので中略)


 ときには、反対のこともしなければなりません。特にノーリミットホールデムトーナメントのときはそうです。とても弱いプレイヤーがレイズをしてきたとき、レイトポジションにいる場合は、他に誰も参加していなければコールできます。フロップで相手がチェックしてくれば、自分のハンドが弱くてもベットしてポットをスチールできることが多いです。


<4/25 追記>

チップの価値の変化

 「今ここで勝ちとったチップは勝ち取る以前のチップより価値が低くなる」ということを耳にした人もいるかもしれません。これは全く正しい見解で、特にいつ飛ぶかで賞金が決まる大半のノーリバイトーナメントではそうです。

 たとえば、参加費$10000のWSOPノーリミットホールデムワールドチャンピオンシップをプレイしていて、自分のシートとチップを他人に譲ることができる場合を考えてみましょう。長期的に±ゼロを維持できるプレイヤーにとって、この席をいくらでしょうか。最初の段階では明らかに答えは$10000でしょう。

 
 しかしながら、最初の文章の原則が示すことは、チップが増えるにつれて、第三者はチップそのものの額をあなたには支払わなくなるということです。一番簡単な方法は、参加費総額が$5,000,000のときに$3,000,000持っているときを考えてみてください。第三者は、$2,000,000払うのが精いっぱいでしょう。1位の賞金がせいぜい2,000,000なので。


 もうひとつ重要な点があります。上記の例は、あなたが普通のプレイヤーであることを想定しています。もしあなたか第三者がベストトーナメントプレイヤーである場合を考えてみましょう。第三者がベストプレイヤーの場合、$10,000のチップを$30,000に変えることができるので、$10000のチップは$30000の価値があることになります。仮にあなたが既に$21,000にまでチップを増やしていれば、第三者は、$50,000払ってもいいと思うでしょう。


 言い換えると、あなたが勝った$11,000は、彼にとっては$20000の価値があるということです。一方、あなたの$11,000が20,000の価値があると言っても、余分なチップが価値が少ないという原則に反しません。なぜなら最初の$10,000は、$30,000の価値があるけれども、追加の$11,000は、$30,000の価値もないからです。


 最低限把握しておく事項は、いくつか例外もありますが、チップを勝ち取ることによって得るものは、チップを失ったときに失うものと同じ価値があるわけではないということです。この考え方はすでに何度も説明してきており、この考え方を活用するために使わなければならない戦略の変更も説明しています。単にここでは、何度も繰り返してきた原則を再提示するにとどめたいと思います。


<4/30追記>

ポットを小さくしよう

 ポットをスチールする可能性がない場合には、2つの理由から、勝負の序盤で大勝負に出ないことをお勧めします。ベットを省いてリスクを減らすだけでなく、余分なレイズをした瞬間からその勝負全体の本質が大きく変わってしまうからです。


 余分にレイズすることでポットを大きくなると、他のプレイヤーは、勝負を続けざるを得なくなります。ポットが小さい場合には、フォールドしなかったであろうカードをフォールドせざるを得なくなる可能性もあるのです。ポットが大きくなると勝負の不安定さが増すことになります。もっと悪いのは、大きなポットによって、あなたがベストハンドを持っている場合でも、相手が追いかけてくる頻度が増すということです。もちろんこの結果、本来あなたが取っていたであろうポットを相手が勝ち取るということも出てきます。もし自分がベストプレイヤーだと思っていてトーナメントの結果を一番いいものにしたいのであれば、この余分な不確実性は、避けるべき性質のものでしょう。


 ノーリミットホールデムで、皆が十分なチップを持っている状態では、この考え方は当てはまりません。後のベットの額をコントロールすることによってオッズを調節できるからです。(中略)


 ポットを小さくしておいた方がよいもう一つの理由は、トーナメントでもリングゲームでも当てはまりますが、相手のハンドをより読みやすくするためです。オッズがより小さい段階で相手が勝負に残っている場合は、ポットが大きい場合よりも相手が持っていそうなハンドを絞り込むことができます。もちろん、相手が自分のハンドをより読みやすくなるということにもなりますが、自分がベストプレイヤーだと思っているのであれば、ハンドが読みやすくなる優位性は、相手よりも自分の方に働くはずです。


<5/1追記>

最初のレベル

 多くのトーナメントの言えることですが、最初のレベルでは、チップ量と比べて非常に小さな賭け金しか賭けられないのが通常です。特に、プレイヤーが長時間プレイすることが見込まれる大きなトーナメントではそうなります。トーナメントの企画者は、最初の段階で飛んでしまうようなことはほとんどないようにして、少なくとも数時間はプレイしてほしいと思っています。トーナメントの最初のレベルの結果は、最終的な獲得賞金とはほとんど関係ないので、後のレベルよりはルースにプレイしたいと考えるかもしれません。テーブルがしばらくブレイクしないのであれば、尚更そうでしょう。


 もちろん、ノーリミットトーナメントでは、プレイヤーはいつでも飛ぶことができますし、初手で飛ぶこともできます。しかし、そうであっても、ブラインドと比べてチップ量が圧倒的に多いので、誰かがブラフを仕掛けてくる確率や、次善のいい手がきたりする確率は下がることになります。


 もちろん、その理由は、ブラインドが上がった後で有利に使える印象を相手に与えるためです。すでに述べましたが、リミットトーナメントでは、序盤の固いプレイは、終盤にブラインドが上がるにつれて、ポットをスチールする可能性を高めることになります。一方、慎重なプレイは、コストがかかることになる可能性もあります。この問題を解決する一つの方法は、最初のレベルだけルースにプレイするというものです。そのあと、2番目3番目のレベルでは、よりタイトなプレイをするようにして、4番目のレベル以降は、タイトにプレイし続けて、スチールできるポットのときには、より頻繁にアグレッシブにベットするということもできます。


<5/7追記>

時給についての考察(略)

リンプ

 ギャップコンセプトについて議論する際には、自分であろうが他のプレイヤーであろうが、最初にベットしたプレイヤー(Openerといいます)は、レイズで勝負に参加してきていることを前提としています。このような場合のよいトーナメント戦略とは、通常は、自分がレイズするハンドとコールする(またはリレイズする)ハンドの間に大きな差異(ギャップ)を設けることです。しかしながら、勝負を開始する(openする)際に単に(BBに)コールするに留まるはどうでしょうか。このようにすべきでしょうか。単に相手がコールしてきたらどうなるでしょうか。ポーカープレイヤーは、このような種類の勝負の開始方法を「リンプ」と呼んでいます。


 一般的に、リミットホールデムトーナメントでは、リンプはめったにすべきではありません。レイズによってブラインドをスチールできる可能性が極めて大きいからです。リンプするとそのチャンスを諦めることになります。リングゲームでリンプできるハンドは、リミットホールデムトーナメントではレイズできます。トーナメントでは、リングゲームよりも複数のプレイヤーが勝負に参加することが稀だからです。したがって、Q♠J♠や77のようなハンドでUTGのときでもレイズで参加することができます。


 しかし、これはノーリミットの場合には当てはまりません。すべてのチップを賭けなければならない場合がいつでも起こる可能性があり、ブラインドと比べてチップ量が多いときには、リンプや小さなレイズをすることは、大きなハンドができる可能性があり大量のチップを勝ち取れるような罠をしかけられる場合には、極めて正しい戦略なのです。
 一方、ブラインドが上がって、チップ量が厳しくなった段階では、最初の戦略に戻って通常のレイズで勝負に参加すべきです。言い換えれば、ギャップコンセプトは、チップ量と比べてブラインドが小さいノーリミットトーナメントの序盤のプリフロップには当てはまらないということです。

オマハ、セブンカードスタッドの話なので省略)

 ホールデムの話に戻ると、誰かが自分の前にリンプしてきた場合、どうしたらよいでしょうか。トーナメントであれば、リンパーであってもリングゲームよりはタイトになる傾向にあります。したがって、より慎重にプレイしなければなりません。ハンドがそこそこいいだけであれば、レイズせずに同じようにリンプすべきです。実際、リンパーの後にリンプする場合には、誰も勝負に参加していない場合にレイズする場合よりもいいハンドが必要になります。リンパーにレイズするにはさらにいいハンドを持っている必要があります。


 ホールデムトーナメントで、いいプレイヤーがリンプしてきて自分がミドルポジションでK♥Q♦の場合、マックした方がよいでしょう。しかし、A♣Q♥ではコールします。


 (スタッド話なので省略。)


 ノーリミットホールデムは、異なります。最上級のプレイヤーは、微妙なハンドでも何回もリンプしてきます。上述のとおり、ギャップコンセプトは、序盤のプリフロップには適用されないのです。後のレベルになると、多くの勝負に参加できますが、誰かがプリフロップでレイズしてくれば、いいハンドでもすぐにあきらめることになります。しかし、プリフロップでは、インプライドオッズやポーカーの優れた手腕によって、他のプレイヤーがリンプしていようがいまいが、多くの勝負にリンプすることができるでしょう。


<5/8追記>

いつテーブルがブレイクされるか。

 トーナメントとリングゲームの違いの一つに、プレイヤーが破産するテーブルが混在するため、完全に別のプレイヤーとプレイしなければならないことがしばしばあるということがあります。このことは採用する戦略に重要な意味を持ちますし、いつテーブルがブレイクするか知っている場合には尚更です。(多くのトーナメントでは、テーブルブレイクの順序は、前もって決まっています。この順序は、発表されることもありますし、発表されないこともあります。発表されない場合には、自分でトーナメントディレクターにいつ自分のテーブルがブレイクするのか確認すべきでしょう。)


 自分のテーブルがすぐにブレイクしそうであれば、2つの戦略的影響が考えられます。明らかな影響は、もう「宣伝」プレイをする必要はないということです。多分その宣伝の効果を得られるチャンスはもう訪れないでしょうから。後のコールを誘発するためのブラフなどは決してやってはなりません。将来ブラフをするためにタイトにプレイする必要もなくなります。自分が今プレイしている相手は、数分後には別のテーブルに行くのですから。


 他の平均的なプレイヤーよりずっとタフなプレイヤーとプレイしているときは、まもなくテーブルブレイクだと分かったら戦略を変えるべきです。すぐにより楽なテーブルに移動することが分かっているのに、そのようなタフなテーブルでは破産することは恥ずかしいことでしょう。これは、将来大きな利益を得るチャンスを増すために目先の小さな利益を犠牲にすべきもう一つのトーナメントの状況の例です。この原則は、ノーリミットやポットリミットをプレイしているときには、特に当てはまります。タフなテーブルがすぐにブレイクする場合には、ギャンブルに近い勝負は避けるべきです。
 (ここで「すぐに」ブレイクするというのは、1時間や2時間以内を意味しています。しかし、これはチップ量やブラインドアップのスピードにもよります。長く待っている余裕がない場合は、ギャンブルをしなければなりません。一方、より長く待つことができることもあるでしょう。$10,000のWSOPメインイベントの初日は、ブラインドはとてもゆっくりと上がっていきますし、テーブルがブレイクするまで何時間も待たないといけないでしょう。しかし2日目になると、全員が席をシャッフルされます。このトーナメントの私の最初のテーブルが極めてタフだったので、何時間も待って、破産するリスクを減らしたり、次の日により下手なプレイヤーとプレイするチャンスを逃すのと$10000を$15000や$20000に増やすことが同じくらいの価値があると思いました。)


 もし一つのテーブルで長時間プレイしなければならないことが明らかな場合には、上記の戦術を変えなければなりません。将来のプレイのための準備がリングゲームよりも必要になります。相手は全く同じならあなたが準備したプレイは、もともとのプレイよりも大きな利益をきっともたらしてくれるでしょう。自分がしばらくブレイクしないタフなテーブルにいると思う場合には、ベストを尽くしましょう。別のテーブルでプレイするときにチップを取っておくため、余計にタイトになったりする必要はありません。カードが悪いときには、単純に自分が困難な状況にいることを認め、ラッキーだった場合にチップが取れるような方法でプレイをしなければなりません。


<5/9追記>

ブラインドが上がった場合の戦略の変更

 ブラインドが1時間ごとに上がるからと言って戦略を変更しなければならないのでしょうか。もちろん変えなければなりませんが、あなたが考えている理由からではありません。ブラインドが上がればプレイするのに十分なチップがなくなるから、チップ量が少なくなれば「今」チャンスをつかまなければならないという人もいます。これは完全に間違っています。実際は、反対のことこそが正しいのです。


 自分のチップ量が少ないものの、他のプレイヤーの何人かと比べて少しだけ少ないような場合、特にトーナメントの終盤になると明らかになります。現時点のブラインドでは、相手は1ハンドでは破産しないだけのチップを持っているかもしれません。しかし、次のレベルになれば、そうではありません。すぐにブラインドが上がるのであれば、中途半端な状況でリスクを取ることは避けるべきで、破産寸前でもブラインドの高いときにチップを持っている相手からチップを掠め取るよりよいチャンスを待つべきです。言い換えると、一旦ブラインドが上がると、リバーまで勝負した場合、全員が破産するリスクのある状況になるので、あなたよりほんの少しだけ多くチップを持っている他のプレイヤーの優位性が薄れるのです。したがって、ブラインドが上がるまで少しタイトにプレイして、そのような状況を待つ必要があるのです。


 リミットホールデムをやっていてインザマネーしている状況を例に取ってみます。ブラインドは、100−200で、すべてのベッティングラウンドをプレイすれば、少なくとも600かかります。(プリフロップで100、フロップで100、ターンで200、リバーで200。)したがって、あなたのチップが600以下で、相手が800だった場合、あなたはもう少しだけタイトにプレイして、ブラインドが上がるのを待っていた方がよいでしょう。


 ブラインドが倍になると、チップの状況が変わります。リバーまでプレイするには1200かかりますので、800持っているプレイヤーの優位性は少なくなるのです。それまでと違って、相手は、オールインすることなく勝負を終えてチップを残しておくことができないのです。


 ブラインドが上がるまでタイトにプレイすべきもう一つの理由は、自分のポーカーのスキルに関係してきます。一般的に優秀なポーカープレイヤーはチップ量が少なくなるにつれてその優位性が薄れてくるので、奇妙に思えるかもしれません。しかし、チップ量が極めて少なくなった場合には逆になるのです。なぜなら、優秀なプレイヤーは、オールインの状況でどのようなハンドが強いかなどハンドの価値を十分に知っているからです。しかし、ほとんどのトーナメントプレイヤーは、勝負の序盤でオールインするときにどうプレイすべきか知らないのです。したがって、あなたのチップがオールインを要求される量よりも少しだけ多い場合には、ブラインドが上がってチップ量がオールインに適切な量になるのを待った方が、状況がより有利になるのです。


 しかしながら、戦略を変えなければならないもっと大きな理由は、序盤に印象を作ることによって得られる利益が、(トーナメントでは)リングゲームよりも大きいからです。2とおりの方法が考えられます。一つ目は、序盤にアグレッシブにプレイしている場合は、周番で大きなハンドを持っている場合にもコールされやすくなることがあります。この戦略は、普通のゲームよりかかっているチップ量の多いトーナメントで機能します。
 もう一つは、序盤はタイトにプレイして、あとでブラフをするための準備をするというものです。これもリングゲームよりもスチールできるポットが大きいトーナメントで機能します。


 それでは、どちらの戦略を採用すべきでしょうか。両方を同じトーナメントで使うことはできません。一般的には、最初の戦略は、ノーリミットやポットリミットのトーナメントに使用して、2番目の戦略は、リミットトーナメントに使用するというのが答えになりそうです。これは極めて常識的な考え方で、厳しいルールだとも思いません。特に、最初はタイトにプレイして後のブラフの準備をするという2番目の戦略は、ノーリミットやポットリミットでも好まれる戦略です。


 戦略を自分で選ぶことはできないということにも留意すべきです。カードが決めるのです。たとえば、最初の1時間ゴミハンドばかり配られた場合は、相手はあなたのことを実際よりタイトプレイヤーだと思うでしょう。したがって、本当は逆の戦略を採用しようと思っていたとしても、その戦略は捨てるべきです。


 なお、もちろん、上記の2つの戦略は、テーブルがすぐにブレイクするときには使用できません。


<5/21追記>

ショートスタックに気をつけろ!!

 トーナメントでは、相手がチップをいくら持っているかによってプレイを変えないといけないという考え方は、幾分気にされ過ぎているかもしれません。トーナメントプレイヤーの中には、自分のチップ量によって戦略を大きく変えるプレイヤーもいますが、そのようなプレイヤーでも特にトーナメントの序盤ではそれほど戦略を変えたりはしません。実際のところ、必要な調整をするくらいです。


 ファイナルテーブルで取るべき戦略は置いておいても、重要なのは、ショートスタックに注意を払うということです。特に、アベレージより随分少ないチップしかないプレイヤーは、もう勝負をあきらめる寸前なのです。(こういうカテゴリーには入りたくありませんが。)ショートスタックのこうした傾向によって、いつもやっているような小さなポットに対するセミブラフが賢明な方法ではなくなることもよくあります。セミブラフは、プレイヤーがチップを守りたいと思っているときにはうまく機能します。トーナメントの序盤のショートスタックは、このようには考えず、簡単にコールする傾向にあります。(ほとんど同じことがラージスタックにも言えます。相手が尋常じゃない量のチップを持っている場合には、いつものアグレッシブスタイルは止めておいた方が無難でしょう。)


 ショートスタックに留意しなければならないもう一つの理由は、「Hot and Cold」*2に備えて初手の絞り方を調整しなければならないからです。この考え方は、特にノーリミットホールデムでは重要です。プリフロップで相手をオールインさせるということは、ハンドの価値が変わるということになります。例えば、J♠T♠は、通常ならば、A♣9♦よりもずっといいハンドですが、もし、途方に暮れたショートスタックがコールしそうなKTやK9のようなハンドに対してはそうでもありません。

 ショートスタックに対して異常に注意を払うプレイヤーがいる場合もあります。熟練者の中には、プレイヤーを飛ばすことが何よりも重要だと主張する者も多いです。例えば、1人がオールインしていてアクティブのプレイヤーが何人かいる勝負では、自分のハンドが抜群に強い場合を除きチェックをするよう促したりします。そのようにプレイすることによって、相手を勝負から追い出さずにショートスタックを飛ばす確率を上げようとするものです。またショートスタックに対しては、中途半端にチップを残させるくらいならそれほど強いハンドでなくてもオールインさせるようにした方がいいとも言います。そのようにプレイすることで、自分がポットを取ったときにショートスタックがトーナメントからいなくなるのを確実にしようとするものです。


 これらの考え方は、通常はいずれも間違っています。メリットがあるのは、トーナメントの本当に終盤のみです。そのときであっても、自分が少ないチップしかもっていない場合だけです。そのような場合には、相手がいなくなることは、少しだけ期待値をあげることになるので、相手の敗退の可能性を上げるために、通常は最適でないプレイをすることもあります。しかしながら、この例外を除き、単にショートスタックを飛ばすことを助けるということをもって最適でないプレイをしてはなりません。(他の人がするのは望ましいことですが。)ショートスタックに対して戦術を変えなければならないというのは、相手が途方に暮れていると仮定でき、そのような相手との勝負で毎回ベットするようなことはしてはならないからなのです。

<5/23追記>

ラージスタックに気をつけろ!!!

 ラージスタックに気を付けるのも重要です。この場合、プレイヤーのほとんどが、飛んでしまうことを恐れておらず、中途半端なハンドでコールしたり、ベットしたりする傾向にあります。要するに、普通のチップ量のプレイヤーよりルースになりがちだということです。(この場合)前述のギャップは小さくなります。ラージスタックがベットしてきたときは、若干ルースにプレイする必要があり、後ろにラージスタックがいる場合に自分からベットしようとするときは、若干タイトにプレイする必要があるでしょう。


 このアドバイスは、もちろん一般論に過ぎません。ラージスタックになったとしても慎重なままのプレイヤーもいます。(ショートスタックになってもそういうプレイヤーがいるように。)これらのプレイヤーは通常のカテゴリに入らず若干調整する必要があるかよく観察しなければなりません。


 ラージスタックのときにトリッキーなプレイをしがちなプレイヤーもいることも留意しなければなりません。ショートスタックのときは、ポットを可能な限り早く取るためにベットして、確実にトーナメントでプレイし続けられるチップを獲得したいと思うものです。しかし、ラージスタックのときには、あらゆる選択肢を取ることが可能になります。トーナメントがノーリミットの場合は、特に危険です。このようなプレイヤーとプレイするときには、普段より幾分慎重にプレイする必要があります。

ブラインドがやってきた

 自分がブラインドになるまであと1ハンドしかなくて、ブラインド分のチップしか残っていない場合を想像してください。平均よりいいハンドが来たらそれで勝負すべきだという人も多いでしょう。しかも、そのようなハンドは、通常そのポジションでプレイするハンドよりずっと悪いハンドであるにもにも関わらずです。次のハンドでは、平均的なハンドで勝負せざるを得ないから、平均よりいいハンドで今勝負したほうが好ましいはずだというのがその理由です。

 今か次のブラインドでオールインせざるをえないかという理由だけで戦略を変えるのは間違っているという人もいます。どちらが正しいのでしょう。


 どちらも正しくないというのが正解です。このような状況では、通常より悪いハンドで勝負せざるをえませんが、単に平均よりいいというようなハンドではいけません。その中間にあります。


 この本の最初の方で、明日素晴らしいベットをできる機会があるなら、今日ほんの少しいいベットをするのはやめた方がよいということを数学的に示しました。同様にこれと反対のことも正しいといえます。将来とんでもなくひどいベットをしなければならないのであれば、おかしなようですが、今少しだけ悪いベットをすることが正しいことになります。たとえそのベットで飛んでしまうとしても依然当てはまります。


 たとえば、次に20%の勝率の100ドルのベットをしなければならない場合は、たとえ28.57%しか勝率がなかったとしても今100ドルのベットをすべきです。しかし、28.57%以下ならベットすべきではありません。将来のより悪いベットを避けるためだけに今悪いベットをするのは、間違っています。


 これらの数学的な帰結は、BBでオールインになってしまうようなトーナメントの状況にも当てはまります。もし残り1ハンドなら、平均的なプレイできるハンドよりも幾分いいハンドが必要です。単にほんの少しだけいいハンドではいけません。


 もしブラインドまで2ハンド以上残っているのなら、ブラインドになる前に終わっても構わないようなハンドにまで基準を緩めることもありえます。一旦4・5ハンド待つことができるような状況にまで戻ったなら、普段の戦略とほとんど変えるべきではありません。しかしながら、ここでいう普段の戦略とは、チップがたくさんある場合の通常の戦略のことではありません。通常のオールイン戦略を指しています。


 9♡8♡でUTGの場合、チップがたくさんある場合には、リンプするのは正しいでしょう。一方、BBと同じだけのチップしかない場合には、この後のハンドで勝負するためにフォールドしなければなりません。しかし、フォールドしたらBBでプレイせざるを得なくなる場合には、このハンドでコールしなければなりません。


注記:上記の考え方は、アンティのないリミットトーナメントにのみ当てはまります。ノーリミットトーナメントの場合は、アンティがなくてチップ量が小さく、オールインしても誰も降りないような場合にしか適用できません。
 アンティが重要な理由は、次の勝負のポットを勝ったとしても、今のポットと同じ分だけ勝てることにはならないからです。*3
 

オールイン戦略


(つづく)

*1:Continuation betのこと。

*2:ベットなしにリバーまでカードがディールされること。

*3:シマダ注:アンティが発生している場合には、ブラインドでなくてもアンティでチップが削られるから、勝負を先延ばしにするとオールインしてもその分だけポットが小さくなってしまうということ。