ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

 Dan Harringtonのベッティング戦略(1)

 フロップは、ノーリミットホールデムでは決定的な瞬間です。60%のボードが一挙に明らかにされる瞬間です。フロップで既にモンスターハンドが完成しているときは、おそらく相手のプレイヤーにもモンスターハンドができているでしょう。しかし、自分がフロップで何も引けなかったり、小さな役ができただけであったりしたときは、相手のプレイヤーにも同じことが起こっている可能性が高いです。

 TV番組で放映されるのはトーナメントの終盤でブラインドやアンティがチップ量に比べて大きくなっている場面が多いので、ベットがすでに完了していることがほとんどです。しかし、TVで放映されない他の場面では、フロップを分析してフロップでどのようにプレイすべきかを考えなければなりません。ベット、コール、レイズをそれぞれいくらするかなど、様々なことを決定しなければなりません。

 言い換えると、大半の初心者が考えているよりずっと多くのことがフロップでは行われているのです。フロップ(やターン・リバー)でのプレイは、より複雑になります。この節は、注意深く読んでください。

(1)フロップの解釈

 フロップで皆さんが期待するのは次のようなことでしょう。

  1. 自分のハンドを強くするようなフロップであってほしい。
  2. 相手のハンドを強くしないフロップであってほしい。

 フロップで自分のハンドがよくなったのかどうかはすぐに分かります。しかし、相手にとってもいいフロップなのかどうかを判断しなければなりません。ポーカーでこれをフロップの文脈を分析するといいます。いいフロップとは、?プリフロップであなたのベットに合理的にコールできるようなハンドの役に立ちそうにないフロップや、?自分のハンドほどは相手のハンドの役に立ちそうにないフロップのことを言います。悪い、または危険なフロップとは、他のプレイヤーの役に立ちそうなフロップで自分のハンドの役には立たないフロップのことです。例を見てみましょう。

Ex1 ボタンでQ♠J♠を持っているとき

 ミドルポジションのプレイヤーが小さなレイズをして、そのあとのプレイヤーがコールして、あなたもコールすることにしました。どのケースでもフロップでQのペアができています。

  1. フロップA:Q♥8♠2♣
  2. フロップB:Q♦T♦9♥
  3. フロップC:A♣K♦Q♥

 フロップの文脈を分析する際には、次の事項に留意しなければなりません。

  1. Aを持っていればプレイする傾向にあるプレイヤーが多い。(特にオンライン)
  2. スーティッドカードでプレイするプレイヤーも多い。(特にオンラインのトーナメントの序盤では、どんなカードでもスーティッドならプレイするプレイヤーは多いです。)
  3. ハイカード2枚でプレイするプレイヤーも多い。

これらの傾向を踏まえて、A〜Cのフロップを分析しましょう。

【解答】

 フロップAは、明らかに素晴らしいフロップです。フラッシュの可能性はありませんし、カードの数字が広がっているのでオープンエンドストレートドローもあり得ません。Qより高いカードもありません。このようなフロップは最高です。この時点であなたがベストハンドを持っている可能性は極めて高いので、アグレッシブにベットしましょう。

 フロップBは、それほどよくありません。Qのペアとオープンエンドストレートドローになっていますが、誰かがKJを持っていれば、すでにストレートが完成しています。さらに、2枚のダイヤがあるので、フラッシュドローのプレイヤーもいるかもしれません。極めて慎重にプレイする必要があります。

 フロップCはさらに悪いです。Qペアとインサイドストレートドローができていますが、AやKを持っているプレイヤーに対してはかなり不利な状況ですし、しかもその可能性は極めて高いです。JTを持っているプレイヤーはすでにストレートを完成させています。誰も強いベットをしないとき以外は、フォールドしてしまった方がよいでしょう。

フロップの文脈をうまく活用すれば、スチールのチャンスも生まれます。


EX2 プリフロップでA♣6♣でコールした場合

 フロップにもう一人プレイヤーがいて、相手は自分より後ろのポジションです。フロップが9♥7♦2♣のとき、どうプレイすべきでしょうか?

【解答】

 このフロップは、とてもいいフロップです。ポットの半分くらいベットしましょう。フロップでは何もヒットしていませんが、相手も同じように何もヒットしていないでしょう。フラッシュもストレートもありません。このような状況では、最初にベットしたプレイヤーがポットを取ることが多いのです。私の経験上、ここでベットすれば2回に1回はポットを取れるでしょう(コールされたとしても、ターン移行も勝てる可能性はあります)。ポットの半分をベットすることで、オッズも2:1になります。


EX3 プリフロップでA♣6♣でコールした場合

 今度は4人リンプインしていて、あなたは2番目にベットするプレイヤーです。フロップがT♦6♠2♣で、最初のプレイヤーがチェックしました。どうプレイすべきでしょうか?

【解答】

 たとえフロップの文脈がよかったとしても、この勝負には係り合いにならない方がよいです。後ろにいるプレイヤーが多すぎますし、人数の多さから言って、全員がハイカードしか持っていないとも思えません。誰かがこのランダムフロップでペアをヒットさせている可能性が高く、あなたよりもポジションがいい訳です。チェックをして誰かがベットしてきたらフォールドしましょう。

<3/22追記>

(2)特定のハンドのフロップ分析

 それぞれのハンドごとにどのようなフロップが最適かは異なります。いくつかのハンドを例に検討してみましょう。

初手No.1 AdAc 3rdポジションから4BBのレイズ。6thポジションのプレイヤーがコール。

 AAはもちろん最高の初手ですが、どのようなフロップが最適か分かりますか?おそらく驚くべきものとなるでしょう!

フロップNo.1 3s3d3h

 これがAAに最適なフロップです。ナッツフルハウス(最強のフルハウス)ができていますし、もっと重要なのは、他のプレイヤーが弱いフルハウスを作っているかもしれないということです。(A33のようなフロップと比べてみてください。より強いフルハウスができていますが、他のプレイヤーはせいぜいツーペアくらいしかできていないでしょうし、Aが出ているので簡単にはコールしてくれないでしょう。)スロープレイをする必要はありません。ベットして相手がコールしてくれるのを期待しましょう。

フロップNo.2 Js5d5h

 No.1のようなフロップはそうそう見ないかもしれませんが、このようなフロップは、頻繁に見かけるもので、またAAにとってすばらしいフロップです。このフロップも相手のプレイヤーにあなたのツーペアに負けるツーペアを与える可能性があります。この場合、ルースなプレイヤーにはチェックして罠にかけて、タイトなプレイヤーにはベットしましょう。ペアを持っているプレイヤーにはフリーカードを渡さないよう注意しなければなりません。

フロップNo.3 AsKdQh

 これもいいフロップですが、不都合な点も多々あります。相手がKKやQQを持っていればいいですが、
プリフロップでリレイズしてこなかったので、それはなさそうです。単純にベットしましょう。TTのような低いペアを相手が持っている場合は、勝ち目がないことは分かっているので、チェックをしても相手がベットしてくることはありえません。

フロップNo.4 QsJdTh

 このようなフロップはよくありません。カードは十分に高いので、あなたのレイズにコールできるハンドがヒットした可能性があります。ストレートドローの可能性もあります。チェックして小さなベットにはコールするようにしましょう。

フロップNo.5 9s8s7s

 これもスペードのAを持っているのであれば、いいフロップですが、そうでなければ最悪のフロップです。ストレートドローもフラッシュドローもありえます。しかし、フロップNo.4よりも低いカードなので、相手が何もヒットしていない可能性もあります。ベットして相手が何を持っているか探りましょう。

フロップNo.6 Qs9d4h

 いいフロップです。AAがベストハンドである可能性が高いです。ベットして相手が何かヒットしていることを期待しましょう。


<3/23追記>

初手No.2 KdKc 3rdポジションからレイズ。2人のプレイヤーがコール。

 KKはもちろんモンスターハンドですが、無敵ではありません。フロップにAが出た場合には、慎重にプレイしなければなりません。Axでコールするプレイヤーが多いオンラインでは特に注意しなければなりません。

フロップNo.1 AdKs7h

 最高のフロップです。Aを持っているプレイヤーがいる可能性は高く、そのプレイヤーはすべてのチップを失うことでしょう。チェックか小さくベットするのがお勧めです。
 

フロップNo.2 AsQhTc

 インサイドストレートドローにはなりましたが、危険なフロップです。一挙に自分のハンドの位置づけを確かめなければなりません。相当な大きさのベット、ポットの3分の2くらいのベットをしましょう。チェックをするのは論外です。自分のハンドの強さについて何も情報が得られなくなります。

フロップNo.3 As5d3h

 フロップNo.2ほど悪くありませんが、Aが出ているので危険なフロップです。ベットして自分のハンドの強さを確認しましょう。相手からアクションがあればフォールドするのが無難です。

フロップNo.4 9s7d6s

 現時点では勝っているでしょうが、ドローハンドができている可能性が高く危険です。4分の3ポット〜ポット全体分ベットしてドローハンドを持っているプレイヤーをフォールドさせましょう。

<3/24追記>

初手No.3 9d9c 5thポジションから2BBのレイズがあり、6thポジションがコール。あなたもボタンでコール。

 99はモンスターハンドではありませんが、現時点では他のプレイヤーもそれほど強いハンドを持っているとは思えません。

フロップNo.1 A♠9♦4♥

 理想的なフロップです。相手のどちらかがAを持っているでしょう。問題は、チェックで回ってきたときにベットするか罠を仕掛けるべきか、またベットされたときにレイズするかスロープレイするかということだけです。

フロップNo.2 A♠Q♦5♥

 よくないフロップです。この時点で負けている可能性が極めて高く、あなたのハンドがこれから強くなる可能性もほとんどありません。ベットされたらフォールドしましょう。

フロップNo.3 7♠4♦2♥

 オーバーペアを持っていることになるので、いいフロップです。チェックで回ってきたら3分の2ポットくらいベットしましょう。

フロップNo.4 J♠J♦6♥

 これもいいフロップです。誰もJを持っていなければ、現時点で最高のハンドを持っている可能性が高いです。チェックで回ってきたら3分の2ポットをベットしましょう。ベットがあって一人フォールドしたらコールしましょう。誰かがリレイズなどをしてくるまでは、99で十分勝負できますが、リレイズされた場合には、難しい判断を下さなければならなくなります。

フロップNo.5 8♠8♦6♥

 いいフロップです。チェックとベットがあったとしても、コールできます。ベットがあってコールがあった場合には、コーラーはほぼ間違いなくペアを持っています。この場合もコールできます。

初手No.4 J♠T♠ 前に2人リンパーがいて、コールしたところ、後ろで1人コールがあった。あなたのアクションは3番目。
フロップNo.1 A♠K♦Q♥

 最高のフロップです。ベットして勝負をリードしましょう。

フロップNo.2 9♠8♠3♥

 これも素晴らしいフロップです。現時点で何も役ができていませんが、15アウトあります。ベットして勝負をリードしましょう。コールされても気にする必要はありません。

フロップNo.3 8♦5♥2♣

 いい文脈のフロップです。完全に何もヒットしていませんが、2枚のオーバーカードがありますし、他のプレイヤーも何もヒットしていないでしょう。チェックチェックで回ってきたら、ポットをスチールしに行きましょう。

フロップNo.4 8♦7♥4♣

 インサイドストレートドローになっているので、先ほどのフロップより若干よいフロップです。J、T、9のどれが来てもいいのでセミブラフをすることができます。ベットしましょう。

フロップNo.5 Q♦9♠3♣

 オープンエンドストレートドローになっており、バックドアフラッシュの可能性もあるのでいいフロップです。オープンエンドストレートドローには8アウトあり、バックドアフラッシュも1・1/2アウトと同じだけの確率があります。チェックで回ってきたらセミブラフをするか、チェックしてフリーカードをゲットしましょう。

初手No.5 6♦6♣ 5thポジションでコールしたところ、ボタンとSBがコール、BBがチェック。

 このようなローペアでは素晴らしいフロップというのはずいぶん減ってきます。フロップでセットにならない限り、慎重にプレイすることを求められます。

フロップNo.1 A♠J♦9♥

 よくないフロップですが、大損失にもつながらないフロップです。誰かがベットすればフォールドしましょう。

フロップNo.2 J♠J♦5♥

 これは幾分いいフロップです。誰もJを持っていなければ、あなたのツーペアがベストハンドである可能性があります。しかし、慎重にプレイする必要がありますので、誰かに大きくベットされた場合はフォールドした方がよいでしょう。

フロップNo.3 5♠4♦3♥

 
 いいフロップなので、ベットしましょう。

フロップNo.4 7♠5♦4♥

 これもいいフロップなのでベットです。

フロップNo.5 A♠Q♦6♥

 最高のフロップです。誰かにベットしてもらいましょう。

フロップNo.6 Q♠7♦2♥

 このフロップでもベットできます。しかし、誰かにコールされた場合には、相手がAハイでない限り負けてしまうことに留意しましょう。

(3)バリューベット

【シマダ注】 「バリューベット」とは、いいハンドができていると思うときにそれに見合う額のベットを行うことです。

 バリューベットについては、不思議なことなど何もありません。見たまんまです。プリフロップでいいハンドが来て、フロップで役ができて、トップペアのようなベストハンドができているようだったら、どうするかということです。

 特段こずるくなる必要はありません。フロップでモンスターハンドができない限り、スロープレイはしない方がよいでしょう。トップペアのようなハンドができたときにはベットして、誰かが二番目にいいハンドを持っていてコールしてくれるのを期待しましょう。私ならこのような場合、ポットの2分の1からすべての量をベットします。正確に状況を把握できているのなら、もっと大きなベットをするかもしれません。しかし、これまで強調しているとおり、相手があなたのプレイスタイルを容易に読めなくするために、バランスのとれた戦略を採用する必要があります。ポットの半分をベットするのは、(後述の)コントゥニエーションベットや確認ベットと見分けがつかなくなりますし、ポットを大きくしつつハンドの強さを誤魔化すいい方法です。

 どの程度ハンドが強ければスロープレイすべきでしょうか。セットはスロープレイできますが、私は特殊な状況でない限り、セットより弱いハンドではスロープレイしません。他のプレイヤーにフリーカードを与えることは厳に慎むべきで、フリーカードによって負けてしまう可能性もあるわけですから、トップペアやツーペアではベットすべきだと確信しています。

 TV番組で何度もファイナルテーブルのアクションを見ていると、プレイヤーがフロップ後はいいハンドで「いつも」チェックしているような印象を覚えるかもしれません。しかしこれは特殊な例です。TVで見られるのは、ファイナルテーブルという小さなフィールドで、ブラインドがとても大きく、プレイヤーの大半がゲームに勝ち残るためチップを集めるのに必死になっているという特殊な状況なのです。このような状況下では、フロップ後、全プレイヤーがチェックで回すというようなことは極めて稀なのです。自分が最初にアクションする番でいいハンドを持っていてチェックすれば、次のプレイヤーは、ポットを取るためにほとんどいつもベットするでしょう。相手もあなたがいいハンドでもチェックすると気付いていますが、よりよい状況を待つ時間が残されていないのです。したがって、このような状況下では、トップペアでチェックしてレイズするというプレイが多くなるのです。しかし、トーナメントの序盤では、相手はポットの後もチップを集めるのに必死ではないので、バリューベットするのがより利益を生むのです。


((2)につづく)